答弁本文情報
平成二十四年六月二十二日受領答弁第二九二号
内閣衆質一八〇第二九二号
平成二十四年六月二十二日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出日本向け米国カリフォルニア州産のサクランボからコドリンガが発見されたことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村太郎君提出日本向け米国カリフォルニア州産のサクランボからコドリンガが発見されたことに関する質問に対する答弁書
一について
我が国が米国から同国産のさくらんぼを輸入する場合の植物検疫に関しては、「植物防疫法施行規則別表二の五の項のアメリカ合衆国から発送されるガーネット種等のさくらんぼの生果実に係る農林水産大臣が定める基準」(平成四年農林水産省告示第五百十八号)に基づき、くん蒸を行うなどの措置が講じられている場合に輸入することを認めているほか、同国カリフォルニア州等の樹園地のうち同国農務省がコドリンガの発生数が一定数以下であると確認した樹園地から出荷された果実については、同国内において同省による検査を三回行うなど、平成二十一年六月五日に発効した同省との間の取決め(以下単に「取決め」という。)に従った措置(以下「特例措置」という。)が講じられている場合には、くん蒸が行われていないものを輸入することを認めている。お尋ねの事案(以下「本件事案」という。)は、同国から我が国に輸出する予定であった米国カリフォルニア州産のさくらんぼについて、同省が、特例措置として検査を行っていたところ、本年五月二十一日にコドリンガと疑われる幼虫を確認し、遺伝子診断による検定の結果、同月三十一日に当該幼虫を最終的にコドリンガと同定したものである。
このように、本件事案におけるコドリンガの確認は、特例措置として検査を行った過程で同省が同国内において確認したものであり、特例措置が有効に機能していたと認識している。したがって、本件事案において、同省がコドリンガを確認したことをもって、コドリンガが我が国に侵入するおそれが直ちに高まるとは考えられず、国内の果樹生産者への影響もないと考えている。
本件事案を受け、米国農務省は、特例措置を講じて同国から我が国に輸出される米国カリフォルニア州産のさくらんぼの輸出を、取決めに基づき、停止したところである。農林水産省としては、同国農務省に対し、本件事案の原因を調査するとともに当該調査の結果に基づき再発防止策を報告するよう要請したところであり、当該報告を踏まえ、今後の対応を検討することとしている。
特例措置を講じたものとして我が国が米国から輸入した同国カリフォルニア州産のさくらんぼの輸入量は、農林水産省の「植物検疫統計」によれば、平成二十二年が約三十五トン、平成二十三年が約六百トン、平成二十四年(同年五月三十一日まで)が約四百トンとなっている。
農林水産省においては、従来から、海外から我が国へのコドリンガの侵入を防止するため植物検疫を実施するとともに、植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)第六条第三項に規定する港及び飛行場並びに樹園地において、都道府県とも連携しつつ、コドリンガの海外からの侵入の有無を確認するための調査を実施しているところである。当該調査の結果、コドリンガを確認した場合には、その侵入状況の調査及び分析を実施し、直ちに防除に取り組むこととしている。なお、これまでに国内でコドリンガを確認したとの報告はない。
五から七までについてで述べたとおり、これまでに国内でコドリンガを確認したとの報告はないが、農林水産省においては、生産者、生産者団体、地方公共団体等に対し、本件事案の内容を同省植物防疫所のホームページに掲載するなど、広く情報提供を行ってきており、今後とも、植物検疫においてコドリンガを確認した事案が発生した場合には、このような取組により、当該事案に関する情報を速やかに提供していく考えである。