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答弁本文情報

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平成二十五年五月十七日受領
答弁第六七号

  内閣衆質一八三第六七号
  平成二十五年五月十七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員照屋寛徳君提出国を被告とする自衛官人権裁判等に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員照屋寛徳君提出国を被告とする自衛官人権裁判等に関する再質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「いじめ、パワハラ、セクハラ等」、「身体的負傷、精神疾患などの被害」及び「海外派遣中の自衛官が職務中に巻き込まれた事件・事故等」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、防衛省が現在保存している関係書類によって把握できる限りでは、自衛隊内におけるいじめ、パワー・ハラスメント又はセクシュアル・ハラスメントが原因で自衛官が自殺し、負傷し、又は精神疾患にり患したとして国を被告として損害賠償を請求した訴訟及び海外に派遣中の自衛官が職務中に犯罪や事故の被害に遭ったとして国を被告として損害賠償を請求した訴訟のうち、和解により完結したものについて、@事件名、A提訴の年月日、B原告の被害を受けたとする自衛官との続柄及び原告の数、C訴状に記載された訴訟物の価額、D請求の趣旨及び理由の概要、E和解が成立した年月日、F和解が行われた裁判所名並びにG和解条項の概要をお示しすると、次のとおりである。
 @損害賠償請求事件 A平成十八年六月六日 B父及び母、二名 C七千八百三十六万千八百四円 D自衛官が転落死したのは、退職の意思を表明していた当該自衛官に対する上司による暴力的で強引な指導が原因であるなどとして、国に対し、合計七千八百三十六万千八百四円の損害賠償及び遅延損害金の支払を請求 E平成二十一年五月十八日 F東京地方裁判所 G国が和解金を支払う
 @損害賠償請求事件 A平成二十年七月十六日 B本人、一名 C五千七百四十四万六千八百八十五円 D原告が負傷したのは、上司による暴行が原因であるなどとして、国に対し、五千七百四十四万六千八百八十五円の損害賠償及び遅延損害金の支払を請求 E平成二十三年三月二十二日 F静岡地方裁判所浜松支部 G国、当該上司等が和解金を支払う
 @損害賠償請求事件 A平成二十一年八月三日 B父及び母、二名 C九千百十万三千円 D自衛官が自殺したのは、同僚によるいじめが原因であるなどとして、国に対し、合計九千百十万三千円の損害賠償及び遅延損害金の支払を請求 E平成二十三年八月二十五日 F仙台地方裁判所 G国が和解金を支払う @損害賠償請求事件 A平成二十一年十一月四日 B妻及び子、二名 C一億千四十一万八千七百三十二円 D自衛官が自殺したのは、上司の言動により精神疾患にり患したことが原因であるなどとして、国に対し、合計一億千四十一万八千七百三十二円の損害賠償及び遅延損害金の支払を請求 E平成二十四年二月二十一日 F長崎地方裁判所佐世保支部 G国が和解金を支払い、謝罪するとともに、隊員の自殺防止に取り組む
  @損害賠償請求事件 A平成二十二年三月五日 B父及び母、二名 C七千九百四十七万二千七百二十四円 D自衛官が死亡したのは、格闘訓練の名目での同僚による暴行が原因であるなどとして、国、指導教官等に対し、合計七千九百四十七万二千七百二十四円の損害賠償及び遅延損害金の支払を請求 E平成二十五年三月十九日 F松山地方裁判所 G国が和解金を支払い、当該指導教官等が謝罪する
 お尋ねの「政府の見解」については、個々の訴訟の背景となる事情が様々であることから一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、引き続き、自衛隊における規律の保持に努めてまいりたい。

二について

 平成二十四年度に自殺した自衛官の各月ごとの人数については、平成二十四年四月は四人、同年五月は八人、同年六月は六人、同年七月は四人、同年八月は十一人、同年九月は六人、同年十月は九人、同年十一月は七人、同年十二月は三人、平成二十五年一月は七人、同年二月は六人、同年三月は八人である。
 お尋ねの「所属部隊名」については、これを明らかにすることにより、個人が特定されるおそれがあり、関係者のプライバシーの保護等の観点から、答弁を差し控えたい。
 お尋ねの「自殺をした自衛官の年齢及び階級、自殺の原因」については、個人が特定されない範囲でその内訳をお示しすると、次のとおりである。
 平成二十四年度に自殺した自衛官の死亡時の年齢別の人数については、十八歳又は十九歳の自衛官は二人、二十歳から二十四歳までの自衛官は十二人、二十五歳から二十九歳までの自衛官は十二人、三十歳から三十四歳までの自衛官は十人、三十五歳から三十九歳までの自衛官は十五人、四十歳から四十四歳までの自衛官は十人、四十五歳から四十九歳までの自衛官は十一人、五十歳から五十四歳までの自衛官は七人、五十五歳以上の自衛官は零人である。
 平成二十四年度に自殺した自衛官の死亡時の階級別の人数については、陸将、海将、空将、陸将補、海将補又は空将補の階級にあった自衛官は零人、一等陸佐、一等海佐、一等空佐、二等陸佐、二等海佐、二等空佐、三等陸佐、三等海佐又は三等空佐の階級にあった自衛官は一人、一等陸尉、一等海尉、一等空尉、二等陸尉、二等海尉、二等空尉、三等陸尉、三等海尉又は三等空尉の階級にあった自衛官は十人、准陸尉、准海尉、准空尉、陸曹長、海曹長、空曹長、一等陸曹、一等海曹、一等空曹、二等陸曹、二等海曹、二等空曹、三等陸曹、三等海曹又は三等空曹の階級にあった自衛官は四十九人、陸士長、海士長、空士長、一等陸士、一等海士、一等空士、二等陸士、二等海士又は二等空士の階級にあった自衛官は十九人である。
 平成二十四年度に自殺した自衛官の原因別の人数については、部隊関係者等からの聞き取り等に基づき特定しているものによると、病苦は四人、借財は八人、家庭問題は十三人、職務は五人、精神疾患等は二十九人、その他は八人、不明は十二人である。
 お尋ねの「政府の見解」については、自殺防止対策を継続的に実施することが必要であると考えており、メンタルヘルスに関する啓発教育を反復・継続して実施し、隊員の身上把握及び服務指導の充実・強化に努めているところであり、前途ある隊員を志半ばで失うことや悲しい思いをされる御家族が生じるといったことがないようにするべく、今後とも隊員の自殺防止に全力で取り組んでまいりたい。



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