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答弁本文情報

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平成二十五年八月十三日受領
答弁第二号

  内閣衆質一八四第二号
  平成二十五年八月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員大口善徳君提出津波避難ビルの津波に対する安全性の問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大口善徳君提出津波避難ビルの津波に対する安全性の問題に関する質問に対する答弁書



一及び五について

 国土交通省としては、東日本大震災で発生した津波により倒壊等の被害を受けた鉄筋コンクリート造の建築物等は、主に波力により被害を受けており、その被害の程度は、遮蔽物の有無、当該建築物等の開口部の大きさ等に応じて異なるものであったと認識している。こうした認識の下、平成二十三年十一月に「東日本大震災における津波による建築物被害を踏まえた津波避難ビル等の構造上の要件に係る暫定指針」(以下「指針」という。)を作成し、地方公共団体に対し、技術的助言として示すとともに、同省ホームページにおいて情報提供を行っている。また、平成二十四年に、指針に関する解説書の作成及び地方公共団体等を対象とする講習会の開催に対する補助事業を実施するなど、指針の周知徹底を図ってきたところである。

二について

 平成二十一年度に内閣府が実施した「津波避難対策の取組状況に係る調査」によれば、東日本大震災により甚大な被害が生じた岩手県、宮城県及び福島県(以下「三県」という。)における同年度末時点で市町村により指定されていた津波避難ビル等(津波浸水予想地域内において、地域住民等が一時又は緊急に避難又は退避する施設(人工構造物に限る。)をいう。以下同じ。)の数は、五十九である。
 また、平成二十三年度に同府が三県の沿岸市町村に対して実施した「東日本大震災における津波避難施設の状況に関するアンケート調査」によれば、「津波からの緊急的な退避を目的とした建物」に該当する六施設において「津波の浸水による死傷者」が発生している。

三について

 御指摘のように、新たに災害の被害想定が示された場合においても、当該被害想定において示された浸水深を用いて、指針に示す津波荷重算定式等により津波荷重等を算出し、津波避難ビル等が当該津波荷重等に対して安全な構造であるか否かを確かめることが可能であるため、現時点では指針そのものを見直す必要はないと考えている。

四について

 お尋ねについては、平成十七年六月に内閣府が取りまとめた「津波避難ビル等に係るガイドライン」において、津波避難ビル等の構造的要件及び位置的要件、津波避難ビル等の新規整備並びにその利用及び運営に係る留意点等を示しているところである。

六について

 地方公共団体は、その実情等に応じて、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第三十九条第一項に基づき、条例で災害危険区域を指定し、同条第二項に基づき、建築物の建築に関する制限として津波に対する安全性を確保するための基準を定めることが可能である。当該区域内において建築物を建築しようとする建築主は、当該基準に適合することについて、同法第六条第一項等の規定による確認を受けることとなる。

七について

 平成二十五年四月一日時点で、国土交通省において把握している限りでは、建築基準法第三十九条第一項に基づき津波による危険を理由として災害危険区域を指定している地方公共団体の数は、二十三である。同省としては、今後とも、地方公共団体に対して、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

八について

 平成二十五年七月三十一日時点で、国土交通省において把握している限りでは、津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)第七十二条第一項に基づく都道府県知事による津波災害特別警戒区域(以下「区域」という。)の指定及び同法第七十三条第二項第二号に規定する区域に係る市町村の条例の制定の事例はない。また、当該条例の制定については、制定主体である市町村に対し、区域に係る制度の周知を図るとともに、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

九について

 御指摘の「市町村による指定状況の把握(津波に対する判定をどのように実施しているか等を含む)」の意味するところが必ずしも明らかではないが、市町村による津波避難ビル等の指定状況については、今後とも、必要に応じ把握に努めてまいりたい。

十及び十一について

 政府としては、津波からの避難に資する施設の整備を促進するため、お尋ねのような地方公共団体が公共建築物の津波に対する安全性に関する調査を行う場合や、津波防災地域づくりに関する法律第五十六条第一項に基づき指定避難施設として指定されるもののうち、建築物の所有者が当該建築物の津波に対する安全性に関する調査又は改修工事を行う場合には、これらの事業費の一部について、社会資本整備総合交付金により支援を行っているところである。



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