答弁本文情報
平成二十五年十二月十三日受領答弁第一二六号
内閣衆質一八五第一二六号
平成二十五年十二月十三日
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員長妻昭君提出東日本大震災及び原発事故の被災者支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出東日本大震災及び原発事故の被災者支援に関する質問に対する答弁書
一について
平成二十五年十月十一日に「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」(以下「基本方針」という。)を閣議決定するに当たっては、同年八月から同年九月にかけて基本方針の案に係る意見公募手続を実施した上で、同月に住民向けの説明会を合計二回開催しており、さらに、平成二十四年九月以降合計五十八回の原子力災害の被災者を支援する民間団体が開催する会合等への政府職員の参加等を通じて頂いた様々な御意見を踏まえ、基本方針を閣議決定したものである。
また、当該住民向けの説明会については、福島県において約百七十名、東京都において約九十名の参加をそれぞれ得ており、いずれの説明会についても議事概要を作成している。
基本方針に基づく施策の実施に当たっては、被災者等の御意見を丁寧に伺うことが重要であると認識しており、今後とも、被災者を支援する民間団体や自治体等とも協力しながら、自主避難も含めた避難者を始めとする被災者等の御意見を伺いつつ、必要に応じ施策の充実等を検討したいと考えている。
政府としては、被災者全体の数を正確には把握していないが、復興庁においては、定期的に全国の避難者等の数を調査しており、その結果を同庁のホームページに掲載している。
また、他の市町村に避難している住民に対しては、東日本大震災における原子力発電所の事故による災害に対処するための避難住民に係る事務処理の特例及び住所移転者に係る措置に関する法律(平成二十三年法律第九十八号)に基づき、医療・福祉関係の事務等について適切な行政サービスの提供を行っており、今後とも、適切な支援を行ってまいりたい。
お尋ねの「人が一年間にあびることのできる年間放射線量の基準」の意味するところが必ずしも明らかでないが、我が国の法令において、一般公衆の被ばく線量限度の規制は設けられていない。
福島県以外の地域については、岩手県、宮城県、茨城県、栃木県及び群馬県において、各県が主体となって開催された有識者会議等において、被ばく線量の把握も含め、特段の健康調査は必要ないとの結論が出ていることに加え、世界保健機関(WHO)や原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)においても、がんなどの健康影響の増加が認められる見込みはないと評価されていると承知している。
したがって、政府としては、当面は、福島県が実施している県民健康管理調査を着実に実施していくことが重要と考えているが、その上で、基本方針を踏まえ「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」を開催し、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故後の健康管理の現状や課題を把握し、今後の支援の在り方について検討しているところである。
また、住民の健康調査は、医学的な知見に基づき行うことが重要であると認識しており、医学及び放射線の専門家以外の者を同会議の委員とすることは考えていない。