答弁本文情報
平成二十六年三月二十五日受領答弁第七六号
内閣衆質一八六第七六号
平成二十六年三月二十五日
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員穀田恵二君提出平成二十六年度 国土強靱化関係予算案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員穀田恵二君提出平成二十六年度 国土強靱化関係予算案に関する質問に対する答弁書
一及び二について
お尋ねの「国土強靱化関係予算案」については、内閣官房において、関係府省庁と連携しつつ、リスクシナリオの設定並びに脆弱性の分析及び評価を行い、国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議において、起こってはならない事態を回避するために必要な関係府省庁の施策のパッケージをプログラムとした上で、今後の対応方針並びに十五の重点化すべきプログラム及び三の分野横断的課題（以下「重点化プログラム等」という。）を決定し、これらに沿って、関係府省庁において概算要求を行ったところであり、平成二十六年度予算における重点化プログラム等の推進のために必要な施策とその予算額を内閣官房において取りまとめたものである。
御指摘の「リスクの特定・分析」、「脆弱性の特定、分析・評価」及び「対応方策の検討」については、国土強靭化担当大臣の下に開催されているナショナル・レジリエンス（防災・減災）懇談会等の議論も踏まえて実施しており、これらの結果は妥当なものと考えている。また、当該結果については、内閣官房ホームページにおいて公表している。
お尋ねの「主な実施内容」に記された①施策名及び②予算額を府省庁ごとに示すと、次のとおりである。なお、「主な実施内容」に記された施策のうち、予算額が特定できないものについては除いており、また、「主な実施内容」に記された施策に係る予算額を示していることから、その合計額が、府省庁ごとの平成二十六年度の国土強靱化関係予算案の額と一致しない場合がある。
（一）国土交通省
①治水対策、河川管理施設の耐震・液状化対策の実施、海岸保全施設の整備等 ②五千百五十三億五千五百万円
①代替性確保ネットワーク整備等の道路の防災・震災対策、道路の老朽化対策等 ②六千六百四十六億四千二百万円
①港湾の耐震化・耐波性能の確保・老朽化対策、コンビナート港湾の強靱化の推進、空港・鉄道施設の耐震化・老朽化対策等 ②九百八十六億五千九百万円
①住宅・建築物の耐震化、避難路沿道の建築物の改修・建替え等の推進等 ②三百四十二億二千六百万円
①公園緑地の防災・減災機能の向上等 ②四十七億四千二百万円
①地域における総合的な事前防災・減災対策や老朽化対策等に対する集中的支援（防災・安全交付金） ②一兆八百四十億五千七百万円
①老朽化マンションの建替え等の促進（マンション管理適正化・再生推進事業関係） ②一億五千四百万円
①地震・津波防災対策のための津波防災情報図・海底地形データの整備 ②一億五千三百万円
①気象・地震・津波・火山に対する防災気象情報の高度化と適時・的確な発表 ②八十九億五千二百万円
①津波予報等に貢献するＧＮＳＳ情報提供システムの開発・構築 ②七億二千二百万円
①災害対応能力を備えた巡視船の整備 ②二十六億三千三百万円
（二）農林水産省
①農業水利施設等の耐震化・老朽化対策、農山漁村における排水対策やハザードマップの作成等の防災・減災対策、海岸保全施設の整備、農道・林道等の老朽化対策等の推進 ②二千五百二十三億三千八百万円
①山地防災力の強化のための総合的な治山対策、海岸防災林の整備 ②五百五十六億六千二百万円
①漁港施設の耐震化・耐波性能の確保・老朽化対策 ②四百六十四億五百万円
①農地・森林の国土保全機能の維持・発揮のための共同活動等に対する支援 ②九百四億九千四百万円
①サプライチェーンの機能維持に向けた事業者間の連携・協力体制の構築 ②二千五百万円
①農山漁村における再生可能エネルギーの導入推進 ②二十六億六千万円
（三）防衛省
①情報収集・伝達態勢の維持・整備、救出・救難態勢の整備、人員、物資の輸送態勢の維持、特殊災害への対応態勢の充実、災害派遣時の対処能力を高める措置 ②千三百二十七億五千六百万円
（四）文部科学省
①学校施設の耐震化・防災機能強化 ②千三百二十一億千八百万円
①海底地震・津波観測網の整備 ②二十億七千三百万円
①地球観測衛星の開発 ②三十億七千五百万円
①災害発生時の通信手段確保等に資する通信衛星の開発 ②十二億六千八百万円
①学校教育における防災教育の充実 ②一億二千二百万円
（五）警察庁
①警察情報通信基盤の耐災害性の向上 ②十六億九千五百万円
①プローブ情報の活用による災害時の交通情報サービス環境の整備 ②千七百万円
①警察施設の耐災害性の強化 ②百四十七億三千二百万円
①警察用航空機・船舶・車両の整備 ②九十一億三千二百万円
①装備資機材・災害警備訓練施設の充実強化・整備 ②二億四千百万円
（六）厚生労働省
①水道施設の耐震化 ②二百五十四億四千九百万円
①災害派遣医療チーム（ＤＭＡＴ）の養成 ②六千七百万円
（七）環境省
①防災拠点への再生可能エネルギー等の導入支援 ②二百二十億円
①森林や干潟等の自然生態系の有する防災・減災機能の評価・検証 ②千万円
①森林等の荒廃の拡大防止対策の推進 ②二億六千万円
（八）経済産業省
①製油所における非常用発電等の導入 ②五十一億円
①東アジア及び我が国の知見を活用した災害に強いインフラ整備等に向けた調査・研究等 ②七千万円
①石油製品国家備蓄を貯蔵するためのタンクの導入・改修 ②七億五千万円
①再生可能エネルギー発電設備の補強 ②一億三千万円
①国家備蓄の石油製品に係るタンク借上げ経費 ②五十二億三千五百万円
①ＬＰガス販売事業者に対して防災訓練等への支援 ②七千七百万円
（九）総務省
①放送ネットワークの強靱化（民放ラジオの難聴地域の解消の支援） ②十一億八千万円
①地理空間情報（Ｇ空間情報）の利活用の推進 ②十四億円
①防災行政無線等のデジタル化 ②三十三億五千二百万円
①消防団等地域の総合防災力の充実強化 ②六億四千万円
①緊急消防援助隊におけるエネルギー・産業基盤災害即応部隊（ドラゴンハイパー・コマンドユニット）の新設・車両等の研究開発 ②六億六千五百万円
①迅速・確実な災害情報の住民への伝達等ＩＣＴやＧ空間情報を活用した災害対応力の強化 ②十五億二千五百万円
（十）法務省
①法務省施設の耐震化 ②六十六億四千六百万円
（十一）内閣府
①社会全体としての事業継続体制の構築 ②六千二百万円
①中央防災無線網、総合防災情報システムの整備 ②十六億九千八百万円
（十二）内閣官房
①国土強靱化基本計画の策定、施策推進方策の検討 ②一億六千三百万円
（十三）外務省
①緊急備蓄品購入 ②六百万円
これらの施策については、いずれも重点化プログラム等の推進という観点から必要なものを選定したものである。また、いずれの施策についても、「国土強靱化政策大綱」（平成二十五年十二月十七日国土強靱化推進本部決定）に基づくものであることから、妥当なものと考えている。