答弁本文情報
平成二十六年六月二十四日受領答弁第二二七号
内閣衆質一八六第二二七号
平成二十六年六月二十四日
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員古川元久君提出宇宙政策の司令塔機能に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員古川元久君提出宇宙政策の司令塔機能に関する質問に対する答弁書
一の(一)について
「宇宙基本計画」(平成二十一年六月二日宇宙開発戦略本部決定。以下「前基本計画」という。)においては、前基本計画に掲げた全ての人工衛星等の開発利用を行う場合には、前基本計画の期間中に「官民合わせて最大概ね二・五兆円程度の資金が必要」との試算を示したが、現行の宇宙基本計画(平成二十五年一月二十五日宇宙開発戦略本部決定。以下「現基本計画」という。)においては、「今後の宇宙政策は、総花的に行うのではなく、限られた資源を前提に、重点的に行うべき分野を絞って、最大限の成果を上げるように推進しなければならない」等の認識から、資金に関する特段の試算は示していないものである。
政府としては、宇宙探査や有人宇宙活動は重要であると考えており、現基本計画において、宇宙探査や有人宇宙活動を「将来の宇宙開発利用の可能性を追求する三つのプログラム」に位置付け、取り組んでいるところである。
現基本計画においては、我が国の厳しい財政事情を踏まえ、「国益、費用対効果や施策目標等を十分に考慮し、最も効率的かつ効果的な施策に対して優先的に予算等の資源を配分する」こととしており、「宇宙利用の拡大と自律性の確保に向けた取組について必要十分な資源を確保し、学術コミュニティーによるボトムアップの議論を踏まえ実施される宇宙科学(学術としての宇宙探査を含む)に一定規模の資源を充当した上で、宇宙探査(有人・無人双方を含む)や有人宇宙活動等にも資源を割り当てる」こととしたものである。
宇宙開発戦略本部は、宇宙基本法(平成二十年法律第四十三号)に基づき、宇宙基本計画を作成し、及びその実施を推進すること等を所掌するものとして設置されているところ、その設置の趣旨・目的に沿って、宇宙基本計画の作成等のため、必要に応じて適時に開催してきたところであり、今後とも、必要に応じて適時に開催する考えである。
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「平成二十七年度宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針(経費の見積り方針)」(以下「戦略的予算配分方針」という。)については、内閣府において調査審議され取りまとめられたものである。
御指摘の「内閣府がとりまとめている宇宙関係予算」は、現基本計画に基づく施策の推進に関するものを対象に、内閣府が関係府省の経費を取りまとめたものであり、御指摘の「各府省が調達する衛星電話やBS・CS関連機器」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、災害発生時の通信衛星利用などについては、一般に、現基本計画に基づく施策の推進に関するものとしてその対象としているところである。
お尋ねについては、戦略的予算配分方針において、「衛星等の宇宙インフラを安定的・継続的に開発・整備・運用し、適正な価格でサービスの提供を図ることは、衛星システム等の開発・運用を担う産業の基盤の維持に資する」との現状認識を示した上で、今後の対応方針として、「将来における我が国の宇宙開発利用や我が国企業の海外市場開拓の姿を展望しつつ、官民それぞれの役割分担の下、効率的かつ効果的な衛星等の宇宙インフラの開発・整備・運用等に係る中長期のビジョン等を検討する。その際、衛星等の開発・整備・運用等に係る優先順位を明確化する」としているところである。