答弁本文情報
平成二十七年二月三日受領答弁第三号
内閣衆質一八九第三号
平成二十七年二月三日
衆議院議長 町村信孝 殿
衆議院議員緒方林太郎君提出憲法解釈の変更に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員緒方林太郎君提出憲法解釈の変更に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる。
このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないと考えられるが、いずれにせよ、その当否については、個別的、具体的に検討されるべきものであり、このことは、御指摘の衆議院議員島聡君提出政府の憲法解釈変更に関する質問に対する答弁書(平成十六年六月十八日内閣衆質一五九第一一四号)一についてでお答えしたとおりであって、御指摘の閣議決定において示された憲法解釈は、このような考え方に従い、従来の政府見解における憲法第九条の解釈の基本的な論理の枠内で導いたものである。他方、お尋ねの国民主権等についての憲法の規定の解釈の変更については、検討したことはなく、その「可能性」についてお答えすることは困難である。