答弁本文情報
平成二十七年二月二十日受領答弁第六二号
内閣衆質一八九第六二号
平成二十七年二月二十日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 町村信孝 殿
衆議院議員鈴木貴子君提出外務省の旅券返納命令についての報道に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木貴子君提出外務省の旅券返納命令についての報道に関する質問に対する答弁書
一について
外務大臣は、平成二十七年二月七日、杉本祐一氏に対し、一般旅券の返納を命じ、同氏から当該旅券の返納を受けた。
お尋ねの旅券については、外務省領事局旅券課において保管している。
外務省としては、シリアにおいていわゆるISILが二名の邦人を殺害し、引き続き邦人を殺害する意図を宣言するという特殊な状況において、邦人がシリアに渡航すれば生命に直ちに危険が及ぶ可能性が高いと判断されることに鑑み、渡航の意思を報道機関を通じても明らかにしていた杉本祐一氏に対し、警察と連携し、シリアへ渡航しないよう説得したが、同氏はその意思を変えるには至らなかった。
このため、外務大臣は、旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第十九条第一項第四号の規定に基づき、同氏に旅券を返納させる必要があると判断し、その返納を命じたものであり、これは適切な措置であったと考えている。
お尋ねの「渡航制限」の意味するところが必ずしも明らかではないが、外務省としては、旅券法第十九条第一項の規定に基づく旅券返納命令については、個別具体的な事案に応じて判断する必要があると考えている。
政府としては、報道の自由を十分に尊重する必要があると考えている一方で、海外に渡航する邦人や海外に在留する邦人の安全を確保することも政府の極めて重要な役割であると考えている。