答弁本文情報
平成二十七年三月三日受領答弁第九三号
内閣衆質一八九第九三号
平成二十七年三月三日
衆議院議長 町村信孝 殿
衆議院議員井坂信彦君提出開発協力大綱に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員井坂信彦君提出開発協力大綱に関する質問に対する答弁書
一について
開発協力大綱(平成二十七年二月十日閣議決定。以下「新大綱」という。)において、従来の政府開発援助大綱(平成十五年八月二十九日閣議決定。以下「旧大綱」という。)から名称を変更しているが、これは、経済協力開発機構の開発援助委員会の定める政府開発援助の対象国に含まれない国であっても、小島嶼国等の特別な脆弱性を抱える国々等に対して協力を実施する等協力の範囲を広げること、民間の資金・活動等との連携を強化すること及び開発途上国に対する一方的な援助ではなく対等なパートナーシップによる協力関係の構築を目指すことを端的に示すためである。
新大綱の下、我が国は御指摘の四つの基本原則を尊重しつつ、人道支援を行っていく方針である。
新大綱においては、開発協力を通じて「我が国の平和と安全の維持、更なる繁栄の実現、安定性及び透明性が高く見通しがつきやすい国際環境の実現、普遍的価値に基づく国際秩序の維持・擁護といった国益の確保に貢献する」と定めている。我が国が、人道支援の基本原則を尊重しつつ、人道支援を実施することは、国際社会の平和と安定及び繁栄に資するとともに、我が国に対する国際社会の信頼を確固たるものとするものであり、新大綱に記載されている「国益」と矛盾するものではないと考える。
新大綱においても、旧大綱に引き続き、「開発協力の実施に当たっては、軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する」との原則を定めている。具体的な協力の事案は多岐にわたるため、我が国の協力については、相手国の軍又は軍籍を有する者が関係する場合を含め、その趣旨及び目的、対象となる主体並びに内容及び効果を個別具体的に慎重に検討した上で、相手国の開発の需要及び経済社会状況、我が国との二国間関係等を総合的に判断の上実施することが適当と考えている。