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答弁本文情報

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平成二十七年三月十日受領
答弁第一〇六号

  内閣衆質一八九第一〇六号
  平成二十七年三月十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 町村信孝 殿

衆議院議員山井和則君提出派遣労働者の待遇に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出派遣労働者の待遇に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねについては、個別の事案に応じて判断されるものと考えているが、一般的に、待機の時間であっても、使用者の指揮命令下にある場合には労働時間に該当し、使用者は、労働契約に基づき賃金を支払わなければならない。

二、三、二十三及び二十四について

 お尋ねについては、個別の事案に応じて判断されるものと考えているが、使用者の責に帰すべき事由により休業した場合においては、使用者は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二十六条の規定に基づき、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならないこととされている。

四について

 派遣労働者であるか否かにかかわらず、使用者は、労働基準法第三十九条の規定に基づき、労働者に対して年次有給休暇を与えなければならないこととされている。

五について

 お尋ねの「説明する義務」の意味するところが必ずしも明らかではないが、使用者は、労働基準法第十五条第一項及び労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第五条第一項の規定に基づき、労働契約の締結に際し、労働者に対して、年次有給休暇を含めた休暇に関する事項について明示しなければならないこととされている。

六について

 お尋ねについては、個別の事案に応じて判断されるものと考えているが、一般的に、使用者が労働基準法第三十九条第五項ただし書の規定に基づき、時季変更権を行使した場合等を除いて、年次有給休暇を取得する権利を有する労働者が請求する時季に、使用者が年次有給休暇を与えないことは、同条の規定に違反する。

七について

 お尋ねの「固定残業代」が、仮に一定時間分の時間外労働及び休日労働に対して定額で支払われる割増賃金を指すとすれば、実際の時間外労働時間及び休日労働時間に応じた額以上の割増賃金が支払われていなければならないが、これに反する場合は労働基準法第三十七条第一項の規定に違反し、同法第百十九条の規定により、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処することとされている。

八について

 御指摘の「登録等している人材派遣会社の問題点を指摘したら」の意味するところが必ずしも明らかではないが、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第四十九条の三第一項の規定に基づき申告をした派遣労働者に対して、当該申告をしたことを理由として不利益取扱いをした場合には、同条第二項の規定に違反することとなる。

九から十四まで、十七から十九まで及び二十一について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、労働関係法令上「正社員」の定義が存在しないため、一概にお答えすることは困難である。なお、一般論としては、労働契約の期間の定めがある有期雇用派遣労働者の募集に当たり、「正社員」と表示することは適切とはいえないと考えている。

十五及び十六について

 お尋ねについては、厚生労働省の統計においては、常用型の派遣労働者の属性を把握する場合は、その目的から、統計上、常用型の派遣労働者の場合には、派遣労働者として計上することとしているため、派遣労働者に分類している。

二十について

 お尋ねについては、「常用型派遣労働者」の区分としている。

二十二について

 お尋ねの「整理解雇の四要件」とは、整理解雇について、人員削減の必要性、解雇回避努力義務の履行、被解雇者選定の妥当性及び手続の妥当性を満たす場合にこれを有効と判断する裁判例上の基準をいうものと考えられるが、御指摘の「常用型派遣労働者が、人材派遣会社から解雇された場合」において、整理解雇の効力について労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十六条の規定を踏まえて司法判断がされるときには、一般的には、個別の事案に応じてこれらの四つの事情が考慮されるものと考えている。

二十五について

 お尋ねについては、個々の事例により異なるものであることから、一概にお答えすることは困難である。

二十六について

 お尋ねの割合については把握していない。また、「常用型派遣は、安定した雇用形態とは言えないのではないですか」とのお尋ねについては、前提となる割合を把握していないため、お答えすることは困難である。



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