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答弁本文情報

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平成二十七年七月三日受領
答弁第二九一号

  内閣衆質一八九第二九一号
  平成二十七年七月三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員福田昭夫君提出基礎的財政収支に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員福田昭夫君提出基礎的財政収支に関する再質問に対する答弁書



一、三及び九について

 我が国の財政状況は、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれるなど、極めて厳しい状況にある。安倍内閣としては、経済と財政双方の一体的な再生を目指しており、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」の三本柱の改革を一体として推進することとしている。平成二十九年四月の消費税率の十パーセントへの引上げについては、社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、市場や国際社会における我が国の信認を確保するため、経済環境を整える中で、実施することとしている。

二、六及び七について

 仮定を前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えるが、一般論としては、歳出を拡大した際の債務残高対GDP比の動きに関しては、内外経済状況など様々な要因に左右されるため、一概にはいえないと考えている。いずれにせよ、我が国の経済財政運営に当たっては、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれるなど、極めて厳しい財政状況にあることを踏まえ、経済と財政双方の一体的な再生を目指す必要があると考えている。

四について

 「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十七年二月十二日経済財政諮問会議提出)は内閣府の計量モデルに基づき、経済と財政が整合的となる一つの姿として、一定の前提の下で試算を行ったものである。

五について

 お尋ねの「信頼度が劣る」の意味するところが必ずしも明らかでないが、「中長期の経済財政に関する試算」においては、経済が安定的に推移している期間における十分なデータを用いて試算を行っており、信頼性は確保できていると認識している。
 また、乗数については、「経済財政モデル(二〇一〇年度版)」(平成二十二年八月内閣府公表)において公表しているところであるが、リーマンショック、東日本大震災等の影響を受けていない期間のデータが不足していることから、現時点では乗数を算出する基となる方程式の係数の見直しが困難であり、大きな変更は行っておらず、新たに公表する必要はないものと考えている。

八について

 経済財政運営においては、相互に関連する経済と財政について、定量的な分析や試算を活用しつつ、中長期的に一体的かつ整合的に展望し、政策運営や制度改革等を検討することが重要である。「中長期の経済財政に関する試算」は、政府のマクロ経済目標及び国・地方の財政健全化目標の進捗状況等を点検し、中長期的な経済と財政の姿を展望することを目的としており、経済財政運営における審議の参考として活用されている。
 なお、政府における各種の試算については、その目的と性格に応じて、適切な方法で示されるべきものと考えている。

十について

 経済危機等を前提とした仮定のお尋ねにお答えすることは差し控えたいが、政府としては、経済再生を進めるとともに、国・地方を合わせた基礎的財政収支を二千二十年度(平成三十二年度)までに黒字化するという目標は堅持する。
 経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するという好循環を目指し、経済財政運営に万全を期してまいりたい。



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