答弁本文情報
平成二十八年一月二十二日受領答弁第四五号
内閣衆質一九〇第四五号
平成二十八年一月二十二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員鈴木貴子君提出海上自衛隊呉基地に停泊していた潜水艦内で乗組員が自殺を図ったことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木貴子君提出海上自衛隊呉基地に停泊していた潜水艦内で乗組員が自殺を図ったことに関する質問に対する答弁書
一について
高い志を持って自衛官になられた前途有為な隊員に対して、上司から暴力を伴う不適切な指導があり、かつ、組織としての監督が不十分であったことから、同隊員を自殺未遂に至らしめてしまったことは誠に遺憾であり、あってはならないことである。自衛隊における服務規律を一層厳正にし、組織としての監督の在り方の改善を図ることにより、再発防止に万全を期していく。
お尋ねの自殺未遂の発生については、事案が発生した平成二十五年九月二日中に、小野寺防衛大臣(当時)に対して、速やかに報告されていたところであり、その後の調査、懲戒処分の検討等の後、平成二十七年十月二十六日に、中谷防衛大臣に対しても報告が行われたところである。
自衛隊の過去二十年間における自殺者数は、陸上自衛官については、平成七年度は二十七人、平成八年度は二十六人、平成九年度は四十四人、平成十年度は四十六人、平成十一年度は三十六人、平成十二年度は四十三人、平成十三年度は四十四人、平成十四年度は五十人、平成十五年度は四十八人、平成十六年度は六十四人、平成十七年度は六十四人、平成十八年度は六十五人、平成十九年度は四十八人、平成二十年度は五十一人、平成二十一年度は五十三人、平成二十二年度は五十五人、平成二十三年度は四十九人、平成二十四年度は五十二人、平成二十五年度は四十七人、平成二十六年度は四十三人、海上自衛官については、平成七年度は十三人、平成八年度は十七人、平成九年度は十一人、平成十年度は十七人、平成十一年度は十七人、平成十二年度は十六人、平成十三年度は八人、平成十四年度は十五人、平成十五年度は十七人、平成十六年度は十六人、平成十七年度は十五人、平成十八年度は十九人、平成十九年度は二十三人、平成二十年度は十六人、平成二十一年度は十五人、平成二十二年度は十人、平成二十三年度は十四人、平成二十四年度は七人、平成二十五年度は十六人、平成二十六年度は十二人、航空自衛官については、平成七年度は四人、平成八年度は九人、平成九年度は六人、平成十年度は十二人、平成十一年度は九人、平成十二年度は十四人、平成十三年度は七人、平成十四年度は十三人、平成十五年度は十人、平成十六年度は十四人、平成十七年度は十四人、平成十八年度は九人、平成十九年度は十二人、平成二十年度は九人、平成二十一年度は十二人、平成二十二年度は十二人、平成二十三年度は十五人、平成二十四年度は二十人、平成二十五年度は十三人、平成二十六年度は十一人である。
一般に、自殺は、様々な要因が複合的に影響し合って発生するものであり、個々の原因について特定することが困難な場合も多いと考えているが、現時点で把握している限りでは、平成十六年に発生した護衛艦「たちかぜ」乗員であった隊員の自殺事案の東京高等裁判所の判決において、同隊員の自殺について、上位の階級にある者による暴行、恐喝等との間の因果関係が認められたことは承知しており、また、平成二十六年に発生した横須賀所在の護衛艦における隊員の自殺について、上司による暴行等との間に因果関係があったと認識している。
お尋ねの「海上自衛隊でいじめがあったこと」の意味するところが必ずしも明らかではないが、今回の事案は、上司による暴力を伴う不適切な指導を継続して受けていたこと、組織としての監督が不十分であったこと等が要因であったと認識している。