答弁本文情報
平成二十八年一月二十六日受領答弁第五二号
内閣衆質一九〇第五二号
平成二十八年一月二十六日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員鷲尾英一郎君提出市場拡大再算定の特例並びに中央社会保険医療協議会で議論される巨額な売上高の医薬品に対する特例再算定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鷲尾英一郎君提出市場拡大再算定の特例並びに中央社会保険医療協議会で議論される巨額な売上高の医薬品に対する特例再算定に関する質問に対する答弁書
一及び二について
御指摘の「新医薬品や新たな治療法の評価について、我が国の市場が他国に比べて投資対象として魅力的であること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、イノベーションを評価する観点から、例えば新薬の薬価を算定するに当たっては、真に画期的な新薬に限り算定される画期性加算、既存の医薬品に比して高い有効性又は安全性を有する医薬品について算定される有用性加算等の補正加算による評価等を行ってきているところである。さらに、平成二十八年度薬価制度改革に向けて、中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)において、イノベーションをより適切に評価し、薬事審査の段階からの予見性を高める観点から、先駆け審査指定制度加算を導入すること等が議論されたところである。
政府としては、このようにイノベーションによる新薬の有用性等を評価する一方で、国民皆保険の持続可能性の観点から、医薬品の年間販売額が、当該医薬品の薬価基準収載時における当該医薬品の製造販売業者の当初の見込みを大きく超えた場合等には、当該医薬品の市場規模の拡大に応じた薬価の再算定を行ってきたところである。しかしながら、近年では従来に比して、医療保険財政に対して極めて大きな影響を与えるような医薬品が保険適用されるようになってきていることから、従来の再算定の基準に加えて、当該医薬品の製造販売業者の当初の見込みを超えて年間販売額が極めて大きい医薬品に係る新たな特例を設けることとしたものである。
御指摘の「将来費用を軽減する可能性のある医薬品や治療法」の意味するところが必ずしも明らかではないが、現行の薬価制度においては、薬価収載後の将来の市場規模予測等を踏まえて薬価を設定しているところであり、また、現在、中医協において、医薬品及び医療機器の費用対効果評価について、平成二十八年度中の試行的導入に向けて議論をしているところである。
御指摘の「高額な医薬品」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。