答弁本文情報
平成二十八年二月二日受領答弁第八四号
内閣衆質一九〇第八四号
平成二十八年二月二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員大西健介君提出平成二十八年度税制改正における地方法人課税の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員大西健介君提出平成二十八年度税制改正における地方法人課税の見直しに関する質問に対する答弁書
一について
地方法人課税の在り方の見直しについては、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)第七条第五号ロにおいて、「税制の抜本的な改革による地方消費税の充実と併せて、地方法人課税の在り方を見直すことにより税源の偏在性を是正する方策を講ずることとし、その際には、国と地方の税制全体を通じて幅広く検討する」こととされている。
これを踏まえ、平成二十六年度税制改正においては、地方消費税の税率引上げに併せて法人住民税の法人税割の税率引下げを行い、併せて地方法人税を創設してその税収の全額を地方交付税の原資とするなどの措置を講じたところであり、平成二十八年度税制改正においても、引き続き、法人住民税の法人税割の税率引下げと地方法人税の税率引上げとを併せて行うなどの措置を講ずることとしている。これらの地方法人課税の在り方の見直しは、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けた取組であり、市町村の財政運営の安定化に資するものであると考えている。なお、地方法人課税の在り方の見直しに当たっては、全国知事会、全国市長会、全国町村会等から意見を聴取したところである。
愛知県が、平成二十六年度決算に基づき、御指摘の「愛知県の試算」を行ったことは承知している。
平成二十八年度税制改正における地方法人課税の在り方の見直しに当たっては、市町村全体としては、法人住民税の法人税割の税率引下げによる減収額は、地方消費税の税率引上げによる地方消費税交付金の増収額及び法人事業税交付金の収入額の合算額を下回ると見込まれるものの、個別の市町村においては、法人住民税の法人税割の税収が特に多い年度における法人住民税の法人税割の税率引下げによる減収額が、地方消費税の税率引上げによる地方消費税交付金の増収額及び法人事業税交付金の収入額の合算額を上回る場合があり得ることは認識していたところであるが、その上で、市町村間の税源の偏在性の是正及び市町村の財政運営の安定化の重要性に鑑み、三についてで述べる措置を講じた上で、法人住民税の法人税割の税率引下げ等の措置を講ずることとしたものである。
平成二十八年度税制改正における地方法人課税の在り方の見直しに当たっては、法人住民税の法人税割の税率引下げによる市町村の減収を補填する等のため、法人事業税交付金を設けることとしており、その市町村への交付に当たっては、市町村の財政に与える影響を踏まえ、交付基準について所要の経過措置を講ずることとしている。さらに、市町村における法人住民税の法人税割の税率引下げによる減収額が、地方消費税の税率引上げによる地方消費税交付金の増収額及び法人事業税交付金の収入額の合算額を超える場合には、この減収により財政の安定が損なわれることのないよう、地方債を起こすことができる措置を講ずることとしている。