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平成二十八年三月二十二日受領
答弁第一八六号

  内閣衆質一九〇第一八六号
  平成二十八年三月二十二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員仲里利信君提出TPP協定案に関税撤廃の除外規定がないことにより生じる影響等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員仲里利信君提出TPP協定案に関税撤廃の除外規定がないことにより生じる影響等に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 政府としては、我が国以外の環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉参加国の国内の議論についてお答えする立場にないが、昨年十一月のTPP首脳会合において、十二箇国の首脳は、TPP協定の早期発効を目指すことを確認している。

三について

 TPP協定は、アジア太平洋地域に、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々と共に、二十一世紀にふさわしい新たな経済ルールを作り、人口八億人、世界経済の四割近くを占める広大な経済圏を生み出すものであり、安倍内閣の「成長戦略の切り札」となるものである。政府としては、TPP協定を早期に発効させ、その効果を実現させることが極めて重要であると考えており、我が国が率先して動くことで、早期発効に向けた機運を高めていきたいと考えている。このため、TPP協定及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(以下「整備法案」という。)について本年三月八日に閣議決定し、今国会に提出したところである。

四について

 昨年十二月二十四日に内閣官房が公表した「TPP協定の経済効果分析」においては、農林水産物への影響については、個別品目ごとに精査し積み上げ、この結果を、一般均衡モデル(いわゆるGTAPモデル)に組み入れている。その上で、TPP協定の広範な合意内容及び生産性向上や労働供給増の効果を含めた成長メカニズムを明らかにする必要があることを踏まえ、包括的な分析を行ったものである。

五から七までについて

 TPP協定には、本年二月三日の衆議院予算委員会において福島伸享委員が指摘した第二・四条3及び同協定附属書二−Dの日本国の関税率表の一般的注釈9の規定がある。
 外交上のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたいが、TPP協定に限らず、経済連携協定では、見直し・再協議に関する規定が設けられることは一般的であると認識している。TPP協定において、これらの規定は、あくまでも要請に基づき協議することを定めるものである。
 いずれにしても、TPP協定交渉は、関税だけではなく、多くの分野について同時並行で交渉を行い、全体の分野を通じたバランスに配意し、ぎりぎりのところで合意に至ったものであり、TPP協定発効後に何らかの協議を行う場合であっても、このような経緯を十分踏まえ、慎重な対応を行うことが必要であると考えており、我が国の国益を害するような合意をすることはない。

八について

 御指摘の「現行制度」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、TPP協定発効後の畜産農家及び甘味資源作物農家の経営安定に向けては、例えば、肉用子牛生産安定等特別措置法(昭和六十三年法律第九十八号)に基づく生産者補給金等の交付及び砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律(昭和四十年法律第百九号)に基づく価格調整に関する措置を引き続き実施していくこととしており、また、肉用牛肥育経営安定特別対策事業及び養豚経営安定対策事業についても、法律に基づく措置として実施するため、整備法案に所要の規定を設けたところである。



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