答弁本文情報
平成二十八年四月十二日受領答弁第二三四号
内閣衆質一九〇第二三四号
平成二十八年四月十二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員初鹿明博君提出成年後見制度の利用と各種資格等の欠格事由に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員初鹿明博君提出成年後見制度の利用と各種資格等の欠格事由に関する質問に対する答弁書
一及び三について
成年被後見人については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七条において、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者とされており、同法第九条の規定により、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き、成年被後見人の法律行為は、取り消すことができることとされている。また、被保佐人については、同法第十一条において、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者とされており、同法第十三条第四項の規定により、保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができることとされている。
他方、地方公務員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務するものであり、一定の状況にある者については、職員たる資格を認めないことが地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営の観点から合理的であると考えられることから、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第十六条の規定により成年被後見人及び被保佐人を含む一定の者について欠格条項が定められ、また、同法第二十八条第四項の規定により職員が欠格条項に該当するに至った場合の失職が定められている。
成年被後見人及び被保佐人に係る同法のこれらの規定の見直しについては、一般職の非常勤職員に係る場合を含め、公務員法制における欠格条項の趣旨等を踏まえつつ、慎重に検討すべきものと考えている。
お尋ねの件については、全てを網羅的に把握しているわけではないが、例えば、市川市においては、単純な労務に従事する職員について、欠格条項に該当する者であっても任命できる旨の条例を設けていると承知している。
なお、各地方公共団体において、地方公務員法第十六条又は第二十八条第四項の規定に基づく条例を定めるに当たっては、欠格条項の趣旨等を踏まえて検討すべきものと考えている。