答弁本文情報
平成二十八年五月十七日受領答弁第二六八号
内閣衆質一九〇第二六八号
平成二十八年五月十七日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員阿部知子君提出「子どもの死因究明制度」の構築に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部知子君提出「子どもの死因究明制度」の構築に関する質問に対する答弁書
一の一）について
「死因究明等推進計画」（平成二十六年六月十三日閣議決定）に盛り込まれた施策をはじめ、死因究明等の推進に関する施策の実施の推進等の事務については、死因究明等の推進に関する法律（平成二十四年法律第三十三号。以下「推進法」という。）第八条第一項に規定する死因究明等推進会議において行われていたところ、政府は、平成二十六年九月十六日に「当面の死因究明等施策の推進について」を閣議決定し、同年九月二十一日に推進法が失効した後も引き続き死因究明等の推進に関する施策の実施の推進並びにその実施状況の検証、評価及び監視を行うために必要な体制を構築するとともに、「死因究明等推進計画」の重点施策の実施の推進に資するため、内閣府に置かれた死因究明等施策推進室において、死因究明等施策推進室の設置に関する訓令（平成二十六年内閣府訓令第四十四号）第二条に規定する死因究明等の推進に関する施策の実施の推進に関する事務として、関係府省庁における施策の進捗状況の確認や必要な情報交換を行うなどの取組を行っている。
現在まで、全国で十七の都道県において「死因究明等推進協議会」が設置されている。具体的には、「死因究明等推進協議会」の設置順に、愛媛県、福岡県、東京都、滋賀県、新潟県、秋田県、岡山県、茨城県、高知県、静岡県、兵庫県、岐阜県、埼玉県、北海道、福井県、三重県、千葉県であり、各地方公共団体の状況に応じた施策を推進するため、関係機関間の協議や情報交換等が行われている。
平成二十五年から平成二十七年までの各年において警察が取り扱った死体（警察庁刑事局が都道府県警察から報告を受けたものに限り、東日本大震災による死者を除く。以下同じ。）のうち、司法解剖を実施したものの①数及び②警察が取り扱った死体の総数に占める割合を都道府県別にお示しすると、次のとおりである。
平成二十五年
北海道 ①四百十二体 ②約五・七パーセント
青森県 ①二百八体 ②約九・八パーセント
岩手県 ①百十六体 ②約六・一パーセント
宮城県 ①二百九十六体 ②約十・九パーセント
秋田県 ①二百十九体 ②約十三・八パーセント
山形県 ①百三十五体 ②約七・五パーセント
福島県 ①百七十七体 ②約六・二パーセント
茨城県 ①三百九体 ②約七・三パーセント
栃木県 ①二百三十六体 ②約七・三パーセント
群馬県 ①九十三体 ②約三・八パーセント
埼玉県 ①四百十三体 ②約四・四パーセント
東京都 ①二百六十九体 ②約一・三パーセント
千葉県 ①三百四十四体 ②約四・五パーセント
神奈川県 ①五百五十七体 ②約四・四パーセント
新潟県 ①百十五体 ②約三・四パーセント
山梨県 ①八十六体 ②約七・〇パーセント
長野県 ①百十二体 ②約四・五パーセント
静岡県 ①百六十一体 ②約三・七パーセント
富山県 ①百七十五体 ②約十二・八パーセント
石川県 ①百十八体 ②約九・〇パーセント
福井県 ①八十一体 ②約八・二パーセント
岐阜県 ①五十七体 ②約二・五パーセント
愛知県 ①二百四十体 ②約三・二パーセント
三重県 ①百三十六体 ②約五・六パーセント
滋賀県 ①百八体 ②約六・九パーセント
京都府 ①百八十八体 ②約六・三パーセント
大阪府 ①五百三十九体 ②約四・二パーセント
兵庫県 ①三百二十二体 ②約四・六パーセント
奈良県 ①百六十三体 ②約九・〇パーセント
和歌山県 ①百六十八体 ②約十一・四パーセント
鳥取県 ①四十八体 ②約五・六パーセント
島根県 ①五十三体 ②約五・六パーセント
岡山県 ①百五十三体 ②約六・五パーセント
広島県 ①六十六体 ②約一・九パーセント
山口県 ①百十七体 ②約五・三パーセント
徳島県 ①四十一体 ②約四・〇パーセント
香川県 ①百三十八体 ②約九・〇パーセント
愛媛県 ①百七体 ②約四・六パーセント
高知県 ①五十七体 ②約四・二パーセント
福岡県 ①三百五体 ②約五・二パーセント
佐賀県 ①五十六体 ②約五・二パーセント
長崎県 ①八十四体 ②約四・九パーセント
熊本県 ①八十四体 ②約三・五パーセント
大分県 ①四十二体 ②約三・〇パーセント
宮崎県 ①五十三体 ②約三・七パーセント
鹿児島県 ①七十五体 ②約三・六パーセント
沖縄県 ①三百二十四体 ②約十八・五パーセント
平成二十六年
北海道 ①五百九十体 ②約八・一パーセント
青森県 ①百七十五体 ②約八・三パーセント
岩手県 ①百十九体 ②約六・一パーセント
宮城県 ①三百十一体 ②約十・八パーセント
秋田県 ①百九十四体 ②約十二・四パーセント
山形県 ①百三十六体 ②約七・九パーセント
福島県 ①百六十五体 ②約五・六パーセント
茨城県 ①二百八十一体 ②約六・七パーセント
栃木県 ①二百四十四体 ②約七・四パーセント
群馬県 ①七十八体 ②約三・〇パーセント
埼玉県 ①四百五十一体 ②約四・九パーセント
東京都 ①二百四十四体 ②約一・二パーセント
千葉県 ①二百九十四体 ②約四・〇パーセント
神奈川県 ①六百四十七体 ②約五・三パーセント
新潟県 ①百四十五体 ②約四・三パーセント
山梨県 ①百十一体 ②約八・八パーセント
長野県 ①百九体 ②約四・二パーセント
静岡県 ①百七十六体 ②約四・三パーセント
富山県 ①百六十六体 ②約十一・六パーセント
石川県 ①百五十五体 ②約十二・四パーセント
福井県 ①七十七体 ②約七・六パーセント
岐阜県 ①六十一体 ②約二・七パーセント
愛知県 ①三百十体 ②約四・二パーセント
三重県 ①百十五体 ②約五・一パーセント
滋賀県 ①七十体 ②約四・三パーセント
京都府 ①百二十九体 ②約四・三パーセント
大阪府 ①六百三十八体 ②約五・一パーセント
兵庫県 ①三百十体 ②約四・九パーセント
奈良県 ①百五十二体 ②約八・六パーセント
和歌山県 ①百五十四体 ②約十・四パーセント
鳥取県 ①三十五体 ②約四・一パーセント
島根県 ①七十八体 ②約七・九パーセント
岡山県 ①百五十体 ②約六・六パーセント
広島県 ①六十二体 ②約一・八パーセント
山口県 ①百三十五体 ②約六・五パーセント
徳島県 ①四十四体 ②約四・四パーセント
香川県 ①七十六体 ②約五・五パーセント
愛媛県 ①八十六体 ②約三・八パーセント
高知県 ①六十三体 ②約四・九パーセント
福岡県 ①三百九十二体 ②約六・七パーセント
佐賀県 ①六十六体 ②約六・五パーセント
長崎県 ①九十八体 ②約六・二パーセント
熊本県 ①九十一体 ②約三・九パーセント
大分県 ①五十三体 ②約四・二パーセント
宮崎県 ①八十六体 ②約六・二パーセント
鹿児島県 ①百四十四体 ②約六・九パーセント
沖縄県 ①二百十八体 ②約十二・五パーセント
平成二十七年
北海道 ①六百五十六体 ②約九・二パーセント
青森県 ①百四十三体 ②約六・九パーセント
岩手県 ①百十九体 ②約六・五パーセント
宮城県 ①二百六十七体 ②約九・六パーセント
秋田県 ①百八十体 ②約十一・九パーセント
山形県 ①百二十六体 ②約八・〇パーセント
福島県 ①百七十体 ②約六・一パーセント
茨城県 ①二百六十六体 ②約六・七パーセント
栃木県 ①百五十五体 ②約五・〇パーセント
群馬県 ①八十三体 ②約三・三パーセント
埼玉県 ①四百五十八体 ②約五・〇パーセント
東京都 ①百六十七体 ②約〇・八パーセント
千葉県 ①二百七十五体 ②約三・六パーセント
神奈川県 ①六百八十八体 ②約五・七パーセント
新潟県 ①百三十四体 ②約四・二パーセント
山梨県 ①九十二体 ②約八・〇パーセント
長野県 ①百四十五体 ②約五・九パーセント
静岡県 ①百二十九体 ②約三・一パーセント
富山県 ①百六十体 ②約十一・六パーセント
石川県 ①百七十五体 ②約十三・七パーセント
福井県 ①百九体 ②約十・六パーセント
岐阜県 ①六十一体 ②約二・五パーセント
愛知県 ①二百五十一体 ②約三・三パーセント
三重県 ①百二十一体 ②約五・二パーセント
滋賀県 ①六十四体 ②約四・四パーセント
京都府 ①百五十六体 ②約五・六パーセント
大阪府 ①六百九十一体 ②約五・六パーセント
兵庫県 ①三百十七体 ②約五・五パーセント
奈良県 ①百三十七体 ②約七・四パーセント
和歌山県 ①百四十九体 ②約十・九パーセント
鳥取県 ①三十一体 ②約三・九パーセント
島根県 ①六十九体 ②約七・三パーセント
岡山県 ①百四十一体 ②約六・〇パーセント
広島県 ①四十七体 ②約一・四パーセント
山口県 ①百三十体 ②約六・一パーセント
徳島県 ①五十七体 ②約五・七パーセント
香川県 ①九十三体 ②約六・九パーセント
愛媛県 ①百五体 ②約四・八パーセント
高知県 ①六十五体 ②約五・四パーセント
福岡県 ①三百三十六体 ②約六・一パーセント
佐賀県 ①七十八体 ②約七・六パーセント
長崎県 ①九十九体 ②約六・一パーセント
熊本県 ①八十二体 ②約三・六パーセント
大分県 ①三十八体 ②約三・一パーセント
宮崎県 ①六十二体 ②約四・五パーセント
鹿児島県 ①百三十一体 ②約六・七パーセント
沖縄県 ①二百十六体 ②約十三・一パーセント
また、司法解剖に要する経費は、国がその全額を支弁しており、平成二十八年度予算においては、約二十二億二千三百万円が計上されている。
死体解剖保存法（昭和二十四年法律第二百四号。以下単に「法」という。）第八条第一項においては、政令で定める地を管轄する都道府県知事は監察医を置くことができることとされており、ここにいう「政令で定める地」として、監察医を置くべき地域を定める政令（昭和二十四年政令第三百八十五号。以下単に「政令」という。）において、東京都の区の存する区域、大阪市、横浜市、名古屋市及び神戸市が定められている。
平成二十五年から平成二十七年までの各年において警察が取り扱った死体のうち、法第八条第一項の規定による解剖を実施したものの①数及び②警察が取り扱った死体の総数に占める割合を政令で定める監察医を置くべき地域を包括する都府県別にお示しすると、次のとおりである。
平成二十五年
東京都 ①二千三百二十九体 ②約十一・三パーセント
神奈川県 ①千三百五十九体 ②約十・七パーセント
愛知県 ①四体 ②約〇・一パーセント
大阪府 ①千百六十九体 ②約九・一パーセント
兵庫県 ①九百六十六体 ②約十三・七パーセント
平成二十六年
東京都 ①二千二百三十体 ②約十・九パーセント
神奈川県 ①千三百九十六体 ②約十一・三パーセント
愛知県 ①三体 ②〇・一パーセント未満
大阪府 ①千百八十体 ②約九・五パーセント
兵庫県 ①九百十体 ②約十四・三パーセント
平成二十七年
東京都 ①二千三百十四体 ②約十一・五パーセント
神奈川県 ①五百六体 ②約四・二パーセント
愛知県 ①零体 ②零パーセント
大阪府 ①千百三十一体 ②約九・一パーセント
兵庫県 ①九百五十五体 ②約十六・五パーセント
また、監察医による解剖に係る予算及び費用負担については、国はその費用を負担しておらず、予算については政令で定められる地の存する都府県が定めるものであり、把握していない。
平成二十五年から平成二十七年までの各年において警察が取り扱った死体のうち、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律（平成二十四年法律第三十四号。以下「死因・身元調査法」という。）第六条第一項の規定による解剖（以下「調査法解剖」という。）を実施した数を都道府県別にお示しすると、次のとおりである。
平成二十五年
北海道 五体
青森県 十三体
岩手県 十一体
宮城県 四体
秋田県 二体
山形県 十四体
福島県 九体
茨城県 四十体
栃木県 六十四体
群馬県 三体
埼玉県 五十九体
東京都 百八体
千葉県 十体
神奈川県 四百七十七体
新潟県 九体
山梨県 十体
長野県 八体
静岡県 一体
富山県 二体
石川県 一体
福井県 十七体
岐阜県 一体
愛知県 六十三体
三重県 七体
滋賀県 十体
京都府 六体
大阪府 三十九体
兵庫県 百九十五体
奈良県 十六体
和歌山県 二十九体
鳥取県 五体
島根県 五体
岡山県 二体
広島県 三体
山口県 十三体
徳島県 九体
香川県 十九体
愛媛県 十三体
高知県 一体
福岡県 四十体
佐賀県 二体
長崎県 十九体
熊本県 十七体
大分県 二体
宮崎県 四体
鹿児島県 二体
沖縄県 二十九体
平成二十六年
北海道 六体
青森県 十二体
岩手県 四体
宮城県 二十四体
秋田県 三体
山形県 三十四体
福島県 十五体
茨城県 三十六体
栃木県 百十一体
群馬県 七体
埼玉県 四十三体
東京都 二百二十三体
千葉県 十六体
神奈川県 三百八十八体
新潟県 七体
山梨県 十一体
長野県 三体
静岡県 五体
富山県 一体
石川県 三体
福井県 二十二体
岐阜県 二体
愛知県 八十六体
三重県 十二体
滋賀県 十三体
京都府 二十体
大阪府 三十七体
兵庫県 三百三十八体
奈良県 二十四体
和歌山県 五十一体
鳥取県 二十八体
島根県 九体
岡山県 二体
広島県 二体
山口県 九体
徳島県 九体
香川県 三十三体
愛媛県 二十三体
高知県 一体
福岡県 四十五体
佐賀県 十四体
長崎県 十五体
熊本県 八体
大分県 一体
宮崎県 七体
鹿児島県 十一体
沖縄県 百四十七体
平成二十七年
北海道 十一体
青森県 四体
岩手県 二体
宮城県 九十五体
秋田県 五体
山形県 二十九体
福島県 十三体
茨城県 五十体
栃木県 六十六体
群馬県 十一体
埼玉県 五十一体
東京都 三百五十体
千葉県 十八体
神奈川県 五百五十八体
新潟県 十体
山梨県 十二体
長野県 十三体
静岡県 六体
富山県 二体
石川県 三体
福井県 三十四体
岐阜県 五体
愛知県 五十七体
三重県 十一体
滋賀県 二十三体
京都府 十体
大阪府 三十五体
兵庫県 三百八十二体
奈良県 十六体
和歌山県 五十六体
鳥取県 二十四体
島根県 二十三体
岡山県 三体
広島県 一体
山口県 二十五体
徳島県 七体
香川県 二十九体
愛媛県 二十九体
高知県 二体
福岡県 四十八体
佐賀県 十五体
長崎県 十一体
熊本県 十体
大分県 零体
宮崎県 六体
鹿児島県 八体
沖縄県 二百十六体
また、調査法解剖に要する経費は、都道府県が支弁し、国がその一部を補助しているが、経費の総額は把握していない。
調査法解剖については、解剖を実施しなければ、その死因が、災害、事故、犯罪その他市民生活に危害を及ぼすものであるか否か明らかにすることができない場合に実施するものである。どのような死体に対しこれを実施するかは、個別の事案に応じて総合的に判断する必要があることから、警察庁としては、お尋ねの「マニュアルやガイドライン」は示していないが、都道府県警察においては、死因・身元調査法の趣旨を踏まえ、適切に調査法解剖が実施されているものと認識している。
政府としては、関係法令に基づき、解剖は適切に実施されているものと認識しているが、必要な解剖が今後も確実に実施されることが重要と考えており、「死因究明等推進計画」に基づき、解剖の実施体制の充実を含む各種施策を引き続き推進してまいりたい。
児童虐待による死亡事例については、地方公共団体からの報告に基づいて、厚生労働省社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会において検証しており、その中で解剖の有無を把握した事例もあるが、児童虐待による死亡事例に係る解剖の有無について網羅的に把握していない。
児童虐待による死亡事例について、御指摘の「報告書の五百八十二人」以外に存在する可能性は否定できないが、平成二十八年三月十日に取りまとめられた「社会保障審議会児童部会新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告（提言）」（以下「提言」という。）における指摘も踏まえ、児童（十八歳未満の者をいう。以下同じ。）の死亡事例の実態を統計的に正確に把握する方策について検討してまいりたい。
臓器の移植に関する法律（平成九年法律第百四号。以下「臓器移植法」という。）第六条第二項の規定に基づき脳死と判定された児童については、「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針（ガイドライン）」（平成九年十月八日付け健医発第一三二九号厚生省保健医療局長通知別紙。以下「ガイドライン」という。）第５に基づき、虐待を受けた児童への対応のために必要な虐待防止委員会等の院内体制及び児童虐待の対応に関するマニュアルが整備されている臓器提供施設（臓器の提供者から臓器を摘出する医療機関をいう。以下同じ。）において、移植医療に係る業務に従事する者が虐待が行われた疑いの有無を確認することとされている。具体的には、平成二十一年度厚生労働科学研究費補助金による「小児の脳死判定及び臓器提供等に関する調査研究」において提示された「脳死下臓器提供者から被虐待児を除外するマニュアル」及び日本小児科学会が作成した「子ども虐待診療の手引き」において示された手順を参考として、各臓器提供施設においてマニュアルを整備し、虐待が行われた疑いの有無の確認を行うこととなっている。
また、臓器移植法第六条第二項の規定に基づき脳死と判定された児童については、平成十二年三月に厚生大臣が設置した脳死下での臓器提供事例に係る検証会議（以下「検証会議」という。）において、これまで十五例のうち五例について、ガイドラインに基づき虐待が行われた疑いの有無の確認が適切に行われたことを確認しており、残りの十例についても、順次検証会議による検証を行うこととしている。
お尋ねの「すべての虐待死を積極的に発見するシステム」及び「原則として解剖して死因を検証する制度」の具体的な内容が必ずしも明らかではないが、提言において、「海外で行われているような子どもの全ての死の検証」を行うことができるようなモデル的取組を検討すべきである旨の指摘がされていることも踏まえ、児童の死亡事例の検証について、例えば諸外国の事例を参考にしたモデル事業等、予防可能な死亡から児童を守るために必要な取組について検討してまいりたい。
死因究明は、社会全体が追求していくべき重要な公益性を有するものであり、政府においては、「死因究明等推進計画」に基づき、関係府省庁間の調整を行うとともに、「死亡時画像読影技術等向上研修事業」をはじめとする施策の推進や死因究明等関連予算の確保等に努めている。引き続き、関係府省庁が連携し、「死因究明等推進計画」に盛り込まれた施策の総合的かつ計画的な推進を図ってまいりたい。