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平成二十八年十二月二十日受領
答弁第二〇八号

  内閣衆質一九二第二〇八号
  平成二十八年十二月二十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員緒方林太郎君提出ILO第百号条約に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員緒方林太郎君提出ILO第百号条約に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「どのような意味であると政府は考えているか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約(第百号)(昭和四十二年条約第十五号。以下「条約」という。)第一条(b)の規定において、「「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬」とは、性別による差別なしに定められる報酬率をいう」と定義されている。

二について

 お尋ねの「順守」及び「担保」の意味するところが必ずしも明らかではないが、条約第二条1に規定する原則は、同条2(a)に掲げる国内法令により適用されている。

三及び四について

 お尋ねの条約第三条1に規定する「行なうべき労働を基礎とする職務の客観的な評価を促進する措置」については、政府として、職務の客観的な評価の普及啓発を推進するため、例えば、公正・明確・客観的な賃金制度及び雇用管理制度の設計とその透明性の確保等の視点に立って労使が自主的に賃金及び雇用管理の見直しに取り組むことを促進するための対応方策を「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」において示すとともに、短時間労働者と通常の労働者との均等・均衡待遇の確保を更に進めるための手法を「要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン」において示すといった取組を行っているところである。なお、同条2に規定する「この評価のために採用する方法」の決定については、個別の企業における労使の議論を踏まえてなされていると承知している。

五について

 お尋ねの「適用している」及び「同文書」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する勧告(第九十号)」(以下「勧告」という。)については、法的拘束力を有するものではないが、その内容を十分に検討した上で、適切に対処しているところである。お尋ねの勧告の1から8までに記載されている措置については、例えば、それぞれ以下のとおり適切に対処しているところである。
 勧告の1については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第六十二条及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十四条第一項の規定において職員の給与は、職務給の原則によることとされているところである。また、国家公務員法第二十七条及び地方公務員法第十三条の規定において平等取扱の原則が規定されており、これらの規定に違反して差別した者については、国家公務員法第百九条第八号及び地方公務員法第六十条第一号の規定により罰則の適用もある。
 勧告の2、3(1)及び4については、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第四条において「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」と規定されているとともに、同法第百十九条第一号の規定において同法第四条違反に対する罰則が設けられており、「同一価値の労働に対して男女労働者に同一の報酬」の原則の適用が確保されているところである。
 勧告の3(2)については、労働基準監督機関において、労働者等の相談に応ずるとともに、事業場に対し監督指導を実施し、当該違反が認められた場合には、使用者に対して、その是正の指導等を行っているところである。
 勧告の5については、三及び四についてでお答えした措置を講じているところである。
 勧告の6(a)については、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三条本文の規定において職業紹介、職業指導等について性別を理由として差別的取扱いを行うことが禁止されているところである。
 また、職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第四条の規定において労働者に係る職業能力の開発及び向上の促進に関する事業主、国及び都道府県の責務等について定められているところである。
 勧告の6(b)については、公共職業安定所において、求職者に対し、迅速に、その能力に適合する職業に就くことをあっせんするため、無料の職業紹介事業を行っているところである。
 勧告の6(c)については、市町村による保育所等の施設整備に要する費用等に対して支援を行っているところである。
 勧告の6(d)については、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第五条及び第六条の規定により、労働者の募集及び採用並びに配置、昇進等について性別を理由とする差別的取扱いが禁止されているとともに、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)第八条の規定により、常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主に対し、採用した労働者に占める女性労働者の割合、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合等その事業における女性の職業生活における活躍に関する状況を把握し、女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべき事情について分析した上で、その結果を勘案した一般事業主行動計画の策定を義務付ける等の措置を講じているところであり、女性の職業生活における活躍を推進しているところである。
 勧告の7については、男女が性別による差別的取扱いを受けないことを含む男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)の基本理念等に関する国民の理解を深めるために「男女共同参画週間」を設ける等の取組を行っているところである。
 勧告の8については、厚生労働省において男女間の賃金格差の現状やその要因に関する調査、分析等を行っているところである。

六について

 お尋ねの「政府では働き方改革において男女間の賃金格差解消が検討されている」及び「これまでの本条約の国内実施では足らざる部分」の意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。



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