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平成二十九年二月七日受領
答弁第三九号

  内閣衆質一九三第三九号
  平成二十九年二月七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出経済の好循環にもかかわらず消費者物価指数等が下落することに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員逢坂誠二君提出経済の好循環にもかかわらず消費者物価指数等が下落することに関する質問に対する答弁書



一及び二について

 お尋ねの「法的根拠を明示」及び「算出方法を明示」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「年金額」は、物価変動率(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第二十七条の二第二項及び厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第四十三条の二第一項に規定する物価変動率をいう。以下同じ。)、名目手取り賃金変動率(国民年金法第二十七条の二第二項及び厚生年金保険法第四十三条の二第一項に規定する名目手取り賃金変動率をいう。以下同じ。)等を踏まえて改定される仕組みとなっている。
 平成二十七年平均の全国消費物価指数を百・〇とした場合の平成二十八年平均の全国消費者物価指数は九十九・九であることから、国民年金法第二十七条の二第二項及び厚生年金保険法第四十三条の二第一項の規定に基づき、平成二十九年度の改定率(国民年金法第二十七条に規定する改定率をいう。以下同じ。)及び再評価率(厚生年金保険法第四十三条に規定する再評価率をいう。以下同じ。)の改定に際して算定される物価変動率は〇・九九九となる。また、お尋ねの「賃金変動率」は名目手取り賃金変動率のことを指すと考えるが、当該改定に際して算定される名目手取り賃金変動率は〇・九八九である。平成二十九年度は、調整期間(国民年金法第十六条の二第一項及び厚生年金保険法第三十四条第一項に規定する調整期間をいう。)に属する年度であり、また、当該年度の改定率及び再評価率の改定に際して算定される物価変動率及び名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、当該物価変動率が当該名目手取り賃金変動率を上回る年度であることから、国民年金法第二十七条の四第二項第三号及び第二十七条の五第二項第一号、厚生年金保険法第四十三条の四第四項第三号及び第四十三条の五第四項第一号等の規定に基づき、当該年度の改定率及び再評価率は原則として物価変動率を基準として改定される。このため、当該年度の年金額は、現在の年金額と比較して〇・一パーセント低下する見込みである。

三から七までについて

 平成二十八年平均の全国消費者物価指数が前年比で〇・一パーセントの下落となったのは、原油価格の下落によるエネルギー価格の下落によるものであるが、エネルギーや生鮮食品等を除いた物価の基調は、平成二十五年十月に対前年同月比でプラスに転じ、以降はプラス傾向で推移している。
 平成二十九年度の改定率及び再評価率の改定に際して算定される名目手取り賃金変動率(以下「平成二十九年度の名目手取り賃金変動率」という。)は、平成二十五年度から平成二十七年度までの三年度平均の実質賃金変動率(平成二十四年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額(厚生年金保険法第四十三条の二第一項第二号イに規定する標準報酬平均額をいう。以下同じ。)に対する平成二十七年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の比率を平成二十四年における物価指数(総務省において作成する年平均の全国消費物価指数をいう。以下同じ。)に対する平成二十七年における物価指数の比率で除して得た率の三乗根となる率をいう。)を基に算出したものである。平成二十九年度の名目手取り賃金変動率が〇・九八九と一を下回ることは、平成二十五年度から平成二十七年度までの間に、デフレ脱却に向かう過程で平成二十六年四月の消費税率の引上げに伴う物価の上昇ほどには名目賃金が上昇しなかったことによる影響が、時限的に表れているものと承知している。
 一方で、御指摘の「ベースアップが三年連続で実現」との発言は、日本労働組合総連合会が公表している「二千十六春季生活闘争第七回(最終)回答集計結果」における平成二十六年から平成二十八年までの平均賃金方式での賃上げ率及び日本経済団体連合会が公表している「二千十六年一〜六月実施分昇給・ベースアップ実施状況調査結果」における平成二十六年から平成二十八年までの「昇給・ベアともに実施」した企業の割合を踏まえたものである。また、御指摘の「経済の好循環」は、景気回復が雇用の増加や賃金上昇につながり、それが消費や投資に結び付くという状態を指すものと認識している。安倍内閣の経済財政政策により、前述の賃上げ状況の推移とともに、平成二十八年四月に、史上初めて、四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えるなど、全国津々浦々で、確実に「経済の好循環」が生まれていると考えている。
 したがって、「消費者物価指数と賃金変動率がマイナスであるという実態と、安倍総理の施政方針演説は齟齬がある」及び「両者に齟齬がある」との御指摘は当たらない。

八について

 物価指数は原油価格等の様々な要因により変動することから、お尋ねの「「経済の好循環」が生まれている中で、消費者物価指数が下落することは妥当なものである」かどうかについて、一概にお答えすることは困難である。



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