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平成二十九年二月十七日受領
答弁第五四号

  内閣衆質一九三第五四号
  平成二十九年二月十七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出稲田防衛大臣の法的な意味における戦闘行為との答弁に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員逢坂誠二君提出稲田防衛大臣の法的な意味における戦闘行為との答弁に関する質問に対する答弁書



一から五までについて

 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)上、「武力紛争」を定義した規定はないが、政府としては、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いが同法上の「武力紛争」に当たると解してきたところであり、当該「武力紛争」の一環として行われる「戦闘行為」は、「国家又は国家に準ずる組織の間で行われるもの」である。
 その上で、一般に、実力を用いた争いが「武力紛争」に該当するか否かについては、事案の態様、当事者及びその意思等を総合的に勘案して個別具体的に判断すべきものと考えているところ、これまでに南スーダン共和国において発生した事案について、事案の当事者の一方であるマシャール前第一副大統領派は系統立った組織性を有しているとは言えないこと、同派による支配が確立されるに至った領域があるとは言えないこと、さらに、同国政府と同派の双方とも事案の平和的解決を求める意思を有していると考えられること等を総合的に勘案すると、現状においても、国際連合南スーダン共和国ミッション(以下「UNMISS」という。)の活動地域において同法上の「武力紛争」が発生しているとは考えていない。
 このため、平成二十九年二月八日の衆議院予算委員会における稲田防衛大臣の答弁においては、「人を殺傷し、または物を破壊する行為はあったけれども、それは国際的な武力紛争の一環としては行われていない」との認識を示すとともに、「武力紛争」という用語を用いた場合、同法上の「武力紛争」が発生したのではないかという誤解を招くおそれがあることから、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いではないということを明示するため、「武力衝突」という用語を用いていることを説明したところである。

六について

 お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。

七及び八について

 御指摘の「戦闘行為」については、一から五までについてでお答えしたとおりであるが、御指摘の「自衛官の生命・身体への危険」を可能な限り軽減するよう、従来から、自衛隊の実際の派遣の際には、活動地域について十分な情報収集を行い、十分な自己防護用の装備を整え、これらの活動に従事する自衛隊員を対象として現地の状況や活動の内容を想定した実践的な教育訓練等を行った上で、現地の社会的・文化的慣習を尊重し、地域住民との良好な関係の構築及び維持に努めることにより、自衛隊員が安全に活動できる環境を確保しつつ派遣を行っているところである。

九について

 御指摘の「一次情報」の意味するところが必ずしも明らかではないが、稲田防衛大臣は、これまでに南スーダン共和国において発生した事案について、適時適切に報告を受けているところである。

十について

 政府としても、南スーダン共和国の治安情勢が厳しいことは十分認識しているが、国際連合から我が国に対し、UNMISSへの要員の派遣について要請があり、我が国としても、世界の平和と安定のために一層の責務を果たしていくに当たり、国際連合による国際平和のための努力に対し人的な協力を積極的に果たしていくため、この要請に応分の協力を行うこととしたところである。このため、南スーダン国際平和協力隊を設置し、司令部業務分野及び我が国のUNMISSに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行うとともに、自衛隊の部隊等により、道路等の維持補修等の分野における国際平和協力業務を実施しているところである。
 政府としては、現地情勢について、緊張感を持って注視しながら、国際連合や他の派遣国とも緊密に連携しつつ、想定されるあらゆる事態にしっかりと対応し得るよう、引き続き万全を期していく考えである。
 なお、これらの国際平和協力業務が行われる期間中において、我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則が満たされていることは前提である。この基本的な五つの原則が満たされている場合であっても、安全を確保しつつ有意義な活動を実施することが困難と認められる場合には、国家安全保障会議における審議の上、南スーダン国際平和協力隊及び自衛隊の部隊等を撤収することとしているところである。



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