答弁本文情報
平成三十年六月十二日受領答弁第三四三号
内閣衆質一九六第三四三号
平成三十年六月十二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員中谷一馬君提出第五次エネルギー基本計画の素案に示された「原発依存度は可能な限り低減」との表明と乖離する二〇三〇年度の電源構成比率に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員中谷一馬君提出第五次エネルギー基本計画の素案に示された「原発依存度は可能な限り低減」との表明と乖離する二〇三〇年度の電源構成比率に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「第五次エネルギー基本計画の素案」は、エネルギー政策基本法(平成十四年法律第七十一号)第十二条第一項に規定するエネルギー基本計画に関し、同条第三項に規定する事項を処理する総合資源エネルギー調査会が取りまとめたものであり、これを踏まえて、新たなエネルギー基本計画の案について、現在政府内で検討中である。
現時点において、政府として原子力発電所の新増設及びリプレースは想定していない。
原子力発電所の再稼働については、「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)に記載されているとおり、「いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む」という方針である。政府としては、原子力政策に対する国民の理解と信頼の獲得に努めてまいりたい。
エネルギー政策については、可能な限り原発依存度を低減するとの考え方の下、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電所の高効率化等に取り組むことが、政府の一貫した方針となっている。
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、エネルギー政策基本法第十二条第一項の規定により、政府はエネルギー基本計画を定めなければならないこと、同条第三項の規定により、経済産業大臣は、関係行政機関の長の意見を聴くとともに総合資源エネルギー調査会の意見を聴いて、エネルギー基本計画の案を作成し閣議の決定を求めなければならないこと、同条第四項の規定により、経済産業大臣は同条第三項の規定による閣議の決定があったときは、エネルギー基本計画を速やかに国会に報告すること等とされている。政府としては、これらの規定に基づきエネルギー基本計画を定めるものである。