答弁本文情報
平成三十年十一月二十七日受領答弁第六七号
内閣衆質一九七第六七号
平成三十年十一月二十七日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員山井和則君提出外国人労働者の受入れ拡大の前に是正すべき外国人技能実習制度における失踪者の実態等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出外国人労働者の受入れ拡大の前に是正すべき外国人技能実習制度における失踪者の実態等に関する質問に対する答弁書
一について
「技能実習生の失踪に係る調査について(通知)」(平成二十六年三月二十五日付け法務省管在第千五百五十六号法務省入国管理局入国在留課長及び警備課長連名通知)に基づく「技能実習生の失踪に係る調査」においては、複数回答を可能としているものであるところ、「低賃金」と回答した者は千九百二十九人であった(ただし、「低賃金」と回答した人数は、「低賃金」、「低賃金(契約賃金以下)」及び「低賃金(最低賃金以下)」のいずれかに回答した者の合計数であり、これら三項目のうち複数項目に回答した者は、一人として計上した。なお、「低賃金(契約賃金以下)」と回答した者は百四十四人、「低賃金(最低賃金以下)」と回答した者は二十二人であった(双方に回答した者も含む。)。)。
また、「労働時間が長い」と回答した者は二百三人、「暴力を受けた」と回答した者は百四十二人、「帰国を強制された」と回答した者は七十一人、「保証金、渡航費用の回収」と回答した者は二十人、「実習終了後も稼働したい」と回答した者は五百十人、「指導が厳しい」と回答した者は三百六十二人、「その他」と回答した者は四百三十九人であった。回答がなかった者は五人であった。「技能実習生の失踪に係る調査」については、平成二十五年当時、技能実習生の失踪者数が大幅に増加していたことから、失踪に至る経緯等を調査・分析し、失踪を防止し、技能実習制度を適正に運用するための対応策を講じるために開始したものであるところ、得られた調査の結果からは、一部の監理団体や実習実施者等において、技能実習制度の趣旨が理解されずに安価な労働力の確保策として使われているなど、技能実習制度に係る問題点が把握されたことから、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため、制度の改善及び適正な運用のために活用しているところである。
お尋ねの「その他」と回答があったものの主な内容は、仕事内容・職場環境に対する不満に関するもの、雇用契約上の労働条件に関する不満に関するもの、職場内での人間関係に関するもの及び日本での滞在継続を希望する旨のものであった。お尋ねの「当該結果の背景や評価」については、一についてで述べたとおりである。
お尋ねの「「実習実施者等について」の「実習内容」の、入国前の説明」について、「同じ」と回答した者は二千四百七人、「異なる」と回答した者は二百三十五人、「説明なし」と回答した者は百二十六人、入国前の説明について回答がなかった者は十三人であった。お尋ねの「当該結果の背景や評価」については、一についてで述べたとおりである。
お尋ねの「報酬(日額換算)」について、「5千円以下」と回答した者は二百七十七人、「7千円以下」と回答した者は千二百七十九人、「1万円以下」と回答した者は九百十六人、「1万円超」と回答した者は百十九人、回答がなかった者は十一人であった。お尋ねの「当該結果の背景や評価」については、一についてで述べたとおりである。
お尋ねの集計結果については、更に精査が必要であり、直ちにお答えすることは困難であるが、現時点で把握できているものとして、平成二十九年に技能実習を実施することが困難となった旨の報告があった技能実習生のうち、その原因が技能実習生が行方不明となったことにあるとされている者であって、平成三十年十一月九日現在なお所在が不明な者の人数は、二千六百五十四人であり、平成二十八年に技能実習を実施することが困難となった旨の報告があった技能実習生のうち、その原因が技能実習生が行方不明となったことにあるとされている者であって、同日現在なお所在が不明な者の人数は、千三百十九人であり、平成二十七年に技能実習を実施することが困難となった旨の報告があった技能実習生のうち、その原因が技能実習生が行方不明となったことにあるとされている者であって、同日現在なお所在が不明な者の人数は、八百九十人である。