答弁本文情報
平成三十一年二月八日受領答弁第一四号
内閣衆質一九八第一四号
平成三十一年二月八日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員山井和則君提出毎月勤労統計調査で賃金の変化率の把握に用いるべきデータに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出毎月勤労統計調査で賃金の変化率の把握に用いるべきデータに関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「「継続標本(共通事業所)による前年同月比」の現金給与総額(名目賃金)の前年同月比の数値」は、参考資料として、御指摘の「現金給与総額(名目賃金)の前年比」と併せて公表されているものであるが、これらは、それぞれの標本に対する調査の集計結果を示しているものであり、「差し替えるべき」及び「修正すべき」との御指摘は当たらない。
お尋ねの「「継続標本(共通事業所)による前年同月比」から算出できる、二〇一八年一月から十一月の各月の実質賃金の前年比」については、新設事業所の影響が反映されない、標本数が小さくなるため「本系列」より統計上の誤差が大きくなるといった課題等が当該継続標本にあることから、これにより、統計上意味のあるものとして当該実質賃金の変化率をお示しできるかどうかについての専門的な検討が必要であり、いずれのお尋ねについても、現時点でお答えすることは困難である。
お尋ねの「議論」及び「結論」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「部分入れ替え方式(ローテーション方式)の導入」について、平成二十七年九月十六日に開催された「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(以下「検討会」という。)の資料「毎月勤労統計の改善に関する検討会中間的整理(案)」(以下「中間的整理」という。)においては、「現在実施している総入れ替え方式から部分入れ替え方式(ローテーション方式)へ移行することも考えられる」、「サンプルの入れ替え方法については、引き続き検討することとする」等と記載されているところである。
また、御指摘の「労働者数の推計のための基準数値(ベンチマーク)の更新による、労働者構成のギャップの補正、過去の増減率の変更」について、中間的整理においては、「サンプル入れ替えと労働者数のベンチマークを同時に更新する場合は、賃金・労働時間指数について、新旧サンプルの差に伴うギャップの補正(平行移動方式)と併せて、新旧ベンチマークの差に伴う労働者構成のギャップの補正(三角修正方式)を行う。ただし、過去の増減率については変更しない」等と記載されているところである。
御指摘の「異なる対応」の意味するところが必ずしも明らかではないが、検討会や経済財政諮問会議での議論も踏まえ、毎月勤労統計調査の調査対象事業所の「部分入れ替え方式」については、統計委員会の下に設けられた「新旧データ接続検討ワーキンググループ」での議論、同委員会の答申及び総務大臣の承認を経て、平成三十年一月分以降の同調査に導入されたところである。