答弁本文情報
令和元年六月四日受領答弁第一八三号
内閣衆質一九八第一八三号
令和元年六月四日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員長島昭久君提出イージス・アショアに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長島昭久君提出イージス・アショアに関する再質問に対する答弁書
一の(1)について
我が国に配備する予定の陸上配備型イージス・システム(以下「本件イージス・システム」という。)の本体とこれに搭載するレーダーであるLMSSRの連接については、当該レーダーの選定に当たっての米国政府等からの提案どおり、米国国防省ミサイル防衛庁が行うこととしている。また、当該連接については、米国の有償援助により行うこととしており、当該連接に要する経費は、御指摘の「導入経費」に含まれている。
先の答弁書(平成三十一年四月二日内閣衆質一九八第一〇七号。以下「前回答弁書」という。)二の(4)及び三の(2)についてにおける「「実射試験」及び「迎撃試験」」については、本件イージス・システムの性能を確認するための方法として行う標的の迎撃までを内容とした試験を意味するものとして用いたものであるが、当該試験の実施については、前回答弁書二の(4)及び三の(2)についてで述べたとおり、その要否も含めて米国と協議しているところであり、当該試験の実施に要する経費は、御指摘の「導入経費」及び「維持・運用経費」には含まれていない。他方で、本件イージス・システムの製造の過程においては、標的の探知及び追尾のみを内容とした試験を実施することとしており、当該試験の実施に要する経費は、御指摘の「導入経費」に含まれている。
本件イージス・システムに搭載するレーダーの選定に当たっては、防衛省においてあらかじめ定めた評価基準に基づき分析を行うなどにより「基本性能」の要素も含めて分析した上で評価を実施したところであるが、当該評価基準の内容を含む分析の詳細については、本件イージス・システムの具体的な対処能力を明らかにするおそれがあることから、お答えを差し控えたい。
米国政府等からは、本件イージス・システムに搭載するレーダーとしてLMSSRを選定した後、「納期」も含め、当該選定の手続における提案を遵守する旨の誓約書の提出を受けているところである。
なお、現在のところ、「納期」が遅れる要因の発生は確認されていない。
LMSSRに係る「後方支援」については、本件イージス・システムに搭載するレーダーの選定に当たって、その構成品の信頼性及び整備性、補給支援態勢等について評価を実施した結果、全体ではSPY―6よりも高い評価を得たものであり、米国政府等からの提案どおりの「後方支援」が実施されれば、部品の補給等を安定的に実施することが可能であると考えている。
なお、LMSSRについては、その主要な部品において、米国が二千二十年にアラスカ州に配備する予定のレーダーであるLRDRと共通のものが用いられるものと承知している。
前回答弁書三の(1)についての後段は、本件イージス・システムが弾道ミサイル防衛のために配備されるものであることを前提として、「ベースライン10」を用いずとも、「ベースライン9」を用いることでLMSSRについて弾道ミサイル防衛のための十分な性能を発揮させることが可能であると見込んでいる旨を述べたものである。
お尋ねについては、米国の装備品の運用に係るものであり、政府としてお答えする立場にない。
LMSSRは、我が国の弾道ミサイル防衛のために必要な性能や機能を有するものであると認識しているが、お尋ねの「目標を識別する解像度」及び「射撃管制機能」も含め、その性能や機能の詳細については、本件イージス・システムの具体的な対処能力を明らかにするおそれがあることから、お答えを差し控えたい。
なお、LRDRについては、米国の装備品であり、その性能や機能について政府としてお答えする立場にない。
防衛装備庁においては、平成三十一年四月二十六日付けで米国政府との間で本件イージス・システムの本体二基の取得に係る契約を締結し、その旨を公表したところであるが、これ以上の当該契約の具体的な内容については、米国との関係もあり、お答えを差し控えたい。