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令和元年十月二十五日受領
答弁第三八号

  内閣衆質二〇〇第三八号
  令和元年十月二十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員阿部知子君提出前環境大臣が東電社長に要請した石炭火力抑制についての新大臣の対応と認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出前環境大臣が東電社長に要請した石炭火力抑制についての新大臣の対応と認識に関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねの「引継ぎ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「手紙」とされている文書について、小泉環境大臣は原田前環境大臣から申し送りを受けている。当該文書については宛名人に対して回答を求めているものではないと認識している。

二について

 お尋ねの「高効率の天然ガス火力発電所」の意味するところが必ずしも明らかではないが、環境省が公表している「電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価の結果について」(平成三十年三月二十三日)においてガスタービンコンバインドサイクル式の天然ガス火力発電所(以下「GTCC方式の天然ガス火力発電所」という。)に係る発電量当たりの二酸化炭素排出量は〇・三二〇kg―CO2/kWhから〇・三六〇kg―CO2/kWhとされており、また、横須賀火力発電所に係る環境影響評価書において横須賀火力発電所に係る発電量当たりの二酸化炭素排出量は〇・七四九kg―CO2/kWhとされていることから、横須賀火力発電所に係る発電量当たりの二酸化炭素排出量はGTCC方式の天然ガス火力発電所に係る発電量当たりの二酸化炭素排出量と比べて約二倍である。

三、五及び六について

 今後の石炭火力発電及び石炭燃料の在り方に関するお尋ねについては、エネルギー基本計画(平成三十年七月三日閣議決定)において、「温室効果ガスの排出量が大きいという問題があるが、地政学的リスクが化石燃料の中で最も低く、熱量当たりの単価も化石燃料の中で最も安いことから、現状において安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源の燃料として評価されているが、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、適切に出力調整を行う必要性が高まると見込まれる。今後、高効率化・次世代化を推進するとともに、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組むなど、長期を展望した環境負荷の低減を見据えつつ活用していくエネルギー源である。」としている。また、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(令和元年六月十一日閣議決定)において、「脱炭素社会の実現に向けて、パリ協定の長期目標と整合的に、火力発電からのCO2排出削減に取り組む。そのため、非効率な石炭火力発電のフェードアウト等を進めることにより、火力発電への依存度を可能な限り引き下げること等に取り組んでいく。」こととしている。
 現在、環境省においては、経済産業省とともに、石炭火力発電に係る取組として、「地球温暖化対策計画」(平成二十八年五月十三日閣議決定)に基づき、電力業界の石炭火力発電に係る取組を含む低炭素化の取組について、「二〇三〇年度の削減目標やエネルギーミックスと整合する二〇三〇年度に排出係数〇・三七kg―CO2/kWhという目標を確実に達成していくために、これらの取組が継続的に実効を上げているか、毎年度、その進捗状況を評価する」こととしている。

四について

 お尋ねの「「特段」の要請」については、これに該当し得るものとしては、例えば、国内外五十の環境団体で構成される「No Coal Japan」がフィナンシャル・タイムズ紙へ掲載した意見広告が挙げられる。政府の対応については、三、五及び六についてで述べたとおりである。

七について

 お尋ねの「「環境先進国」とは呼ばれなくなったこと」及び「金融の世界では、国際金融も、国内金融も、ESGの動きが広がっており、取り分け石炭火力が専らその対象になっていること」については、小泉環境大臣は原田前環境大臣の思いを承知している。

八について

 お尋ねの「近年自主的に計画中止を行った」の意味するところが必ずしも明らかではないが、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第四十六条の二に規定する環境影響評価の手続を開始した事業者のうち、過去一年間において石炭火力発電所の計画を中止したのは、千葉パワー株式会社及び株式会社千葉袖ケ浦エナジーである。これらの個別企業の具体的な判断については、見解を述べることは差し控える。

九について

 お尋ねの「貴社の決断は、ひとり貴社の経営に留まるものではなく、国全体の政策、評価に係るものであります」については、小泉環境大臣は原田前環境大臣の思いを承知している。

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