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答弁本文情報

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令和三年三月二十六日受領
答弁第七八号

  内閣衆質二〇四第七八号
  令和三年三月二十六日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員古本伸一郎君提出待機児童の定義及びその解消のあり方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員古本伸一郎君提出待機児童の定義及びその解消のあり方に関する質問に対する答弁書


一について

 全国の保育所等の待機児童数を把握するための調査(以下「保育所等利用待機児童数調査」という。)における待機児童数から除く児童の取扱いについては、「保育所等利用待機児童数調査要領」(令和二年三月十六日付け子保発〇三一六第一号厚生労働省子ども家庭局保育課長通知別紙。以下「調査要領」という。)において示しているとおり、「保護者の意向を丁寧に確認しながら、他に利用可能な保育所等の情報の提供を行ったにも関わらず、特定の保育所等を希望し、待機している場合」等を待機児童数に含めないこととした上で、「他に利用可能な保育所等」について、「立地条件が登園するのに無理がない」ことをその要件の一つとしているところ、当該要件に該当するかは「地域における地理的な要因や通常の交通手段の違い等を考慮した上で、通勤時間、通勤経路等を踏まえて判断する」こととしており、「例えば、通常の交通手段により、自宅から二十〜三十分未満で登園が可能」との記載は、当該要件の例示として示しているにすぎず、各地方公共団体は、当該例示のみによらず、地域における地理的な要因や通常の交通手段の違い等を考慮した上で、通勤時間、通勤経路等を踏まえて、当該要件に該当するかを判断した上で、待機児童数を把握しているものと認識している。

二について

 御指摘の「自宅から二十〜三十分未満」の記載は、一についてでお答えしたとおり、「他に利用可能な保育所等」についての要件の一つである「立地条件が登園するのに無理がない」ことの例示にすぎず、保護者の「送り及び迎えの負担」の程度に関する一律の解釈を示したものではない。

三から五までについて

 御指摘の「より妥当な基準」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「自宅から二十〜三十分未満」の記載は、一についてでお答えしたとおり、「他に利用可能な保育所等」についての要件の一つである「立地条件が登園するのに無理がない」ことの例示にすぎず、調査要領においても、各地方公共団体は、地域における地理的な要因や通常の交通手段の違い等を考慮した上で、通勤時間、通勤経路等を踏まえて当該要件に該当するかを判断するものであることを明示しているところである。また、待機児童数に含めない児童についても、保護者の保育ニーズに応じた適切な保育の提供が重要であることから、厚生労働省においては、各地方公共団体に対し、令和三年一月の全国厚生労働関係部局長会議において、同年四月一日時点の保育所等利用待機児童数調査について「各市区町村におかれては、引き続き、保護者に「寄り添う支援」の実施等により保護者のニーズを丁寧に把握」するようお願いしているところである。

六について

 保育所等利用待機児童数調査は、待機児童数等を把握することを目的として行っているものである。

七について

 お尋ねの「財政支援及び規制緩和の観点から自治体は国に何を期待できるのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「厚生労働省所管一般会計補助金等に係る財産処分承認基準」(平成二十年四月十七日付け雇児発第〇四一七〇〇一号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知別添一)において、「急速な少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化に対応するとともに、既存ストックを効率的に活用した地域活性化を図る」ため、保育所等の廃止等に際して必要となる児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第五十六条の四の三第二項に規定する交付金に係る「財産処分」について、「経過年数が十年以上である施設等」を他の社会福祉事業等に使用する場合には、「国庫納付に関する条件を付さずに承認する」ものとすること等を示しているところである。なお、御指摘の「人口減少等により保育ニーズが減少」している地域への対応については、令和二年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「人口減少地域等における保育に関するニーズや事業継続に向けた取組事例に関する調査研究」において、地域の保育ニーズに対応した保育の受皿の確保や安定的な保育所等の運営に向けた取組に関する事例等を把握し、各地方公共団体に周知することとしている。

八について

 お尋ねの「待機児童数調査では捉えきれない潜在的待機児童」及び「都市計画の段階から自治体と協力して財政支援を含め保育所の増設を後押し」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和二年十二月二十一日に公表した「新子育て安心プラン」においては、令和三年度から令和六年度までの四年間で約十四万人分の保育の受皿を整備するほか、地域の特性に応じた支援、魅力向上を通じた保育士の確保及び地域のあらゆる子育て資源の活用について各種取組を推進し、できるだけ早く待機児童を解消することを目指すこととしている。また、「大規模マンションにおける保育施設の設置促進について」(平成二十九年十月十八日付け子保発一〇一八第一号・国都計第七十五号・国住街第百十五号厚生労働省子ども家庭局保育課長並びに国土交通省都市局都市計画課長及び住宅局市街地建築課長連名通知)において、各地方公共団体に対し、「容積率緩和の特例措置を活用しようとする大規模マンションの建設時には、特に保育施設に対する局所的な需要増が生じる可能性があることから、周辺地区の状況を含めた保育施設の必要性の有無、必要な規模等について検討し、建設に関する都市計画の立案時点や、総合設計制度等の許可申請時点から、都市計画部局、建築部局及び保育部局で連携し、情報共有に努めること」等について要請しているところである。なお、国土交通省においては、立地適正化計画(都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第八十一条第一項に規定する立地適正化計画をいう。)に基づく都市機能誘導区域(同条第二項第三号に規定する都市機能誘導区域をいう。)において市町村が行う保育所等の整備に要する費用の一部を補助する支援を行っているところである。

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