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答弁本文情報

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令和三年六月二十二日受領
答弁第一八二号

  内閣衆質二〇四第一八二号
  令和三年六月二十二日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出我が国のイカ不漁問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員逢坂誠二君提出我が国のイカ不漁問題に関する質問に対する答弁書


一及び二について

 お尋ねの「イカ」が具体的にどの種類のいかを指すのかが明らかではないが、我が国のいかの漁獲量の大宗を占めるするめいかの漁獲量については、農林水産省の海面漁業生産統計調査によれば、過去三十年で見ると、最も多かった平成八年に約四十四万トンとなって以降減少傾向にあり、令和元年には約四万トンと最も少なくなっている。
 近年のするめいかの漁獲量の減少については、国立研究開発法人水産研究・教育機構によれば海水温の上昇により、するめいかの産卵が可能な海域が縮小するとともに、するめいかの幼生が成長に適さない海域に海流により流されたことが主な原因であることに加えて外国漁船の操業も影響していると考えられており、政府としても同様に認識している。

三について

 国際連合食糧農業機関(FAO)の統計によれば、平成三十一年及び令和元年の北西太平洋の海域における諸外国によるするめいかの漁獲量は、韓国にあっては約五万二千トン、ロシアにあっては約九千九百トンである。公式の統計値が存在しない中国については、国立研究開発法人水産研究・教育機構が人工衛星の画像や船舶自動識別装置等から得られる情報から試算したところ、約十五万トンと推測していると承知している。また、外国漁船の漁法としては、二そうびきや釣り等を確認している。

四について

 お尋ねについては、外国漁船の漁獲量は違法操業によるものとそれ以外によるものに区別することができない場合があること等から、お答えすることは困難である。

五について

 我が国の排他的経済水域における中国漁船及び北朝鮮漁船による違法操業に関し、これまでも、累次の機会に、中国側及び北朝鮮側に対して違法操業の停止等を申し入れてきている。
 特に、中国漁船による違法操業については、令和二年十一月二十四日の日中外相会談及び令和三年四月五日の日中外相電話会談の機会を含め、中国側に対し日本側の懸念を繰り返し伝達するとともに、漁業者への指導等の対策強化を含む実効的措置を講ずるよう繰り返し強く申し入れてきている。
 政府として、引き続き、我が国の排他的経済水域における外国漁船等による違法操業の防止のため、毅然と対応していく。

六について

 お尋ねについては、例えば、大和堆周辺の我が国の排他的経済水域においては、令和三年一月一日から五月二十七日までの間にあっては中国漁船延べ三百二十隻に対して、令和二年にあっては中国漁船延べ四千五百隻及び北朝鮮漁船一隻に対して退去警告を実施するとともに、これらのうち令和三年一月一日から五月二十七日までの間にあっては中国漁船延べ九十一隻に対して、令和二年にあっては中国漁船延べ七百八十二隻に対して放水を実施している。

七及び八について

 中国政府に対しては、日中漁業交渉等の二国間協議や外交ルートを通じて、漁業者への指導等の対策強化を含む実効的措置を講ずるよう繰り返し強く申し入れてきている。
 水産資源を持続的に利用するためには、関係国とも協調して、資源管理に取り組んでいくことが重要であるが、日本海のするめいか資源については、その保存及び管理を図るための地域漁業管理機関等の国際機関が存在しておらず、直ちにこのような機関を設けることは困難であることから、当面は、関係国との二国間協議や外交ルートを通じて、するめいか資源の保護に向けて努力していく考えである。

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