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答弁本文情報

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令和四年十月二十八日受領
答弁第一四号

  内閣衆質二一〇第一四号
  令和四年十月二十八日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員前川清成君提出旧統一教会等による霊感商法や過大な寄附に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員前川清成君提出旧統一教会等による霊感商法や過大な寄附に関する質問に対する答弁書


一の1から6までについて

 お尋ねの「マインドコントロール」及び「収入や資産に比して過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。なお、一般論としては、ある信者(以下「A」という。)のある宗教団体(以下「B」という。)に対する意思表示が民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十六条第一項若しくは第二項の詐欺による意思表示、同条第一項の強迫による意思表示又は同法第九十五条第一項の錯誤に基づく意思表示に当たる場合には、Aは、その意思表示を取り消し、寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。また、AのBに対する寄附が消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第三項に規定する「消費者契約」に該当し、AのBに対する意思表示が、Bの同法第四条第三項第六号に該当する行為によりAが困惑し、それによってAがした当該消費者契約の申込み又は承諾の意思表示に当たる場合には、Aは、その意思表示を取り消し、寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。さらに、AのBに対する寄附が公序良俗に反する場合には、その寄附は民法第九十条により無効であり、Aは、寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。

一の7について

 前段のお尋ねについては、仮定に基づくお尋ねであり、お答えすることは差し控えたい。
 後段のお尋ねについては、平成二十五年二月二十六日に法制審議会民法(債権関係)部会が取りまとめた「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」における提案はいわゆる暴利行為を無効とする旨の規律を設けようとするものであるところ、何をもって暴利行為というかを抽象的な要件で規定すると、取引への萎縮効果が生ずるとして、経済団体を中心に明文の規定を設けることに反対する意見があったこと、及び無効とされるべき暴利行為の内容が確立しているとは言い難い現状において、その要件を適切に設定することは困難であり、また、現時点で一定の要件を設定することで将来の議論の発展を阻害しかねないとも考えられたことから、暴利行為を無効とする旨の規律を第百八十九回国会に提出した民法の一部を改正する法律案に盛り込まなかったものである。

一の8について

 お尋ねの「マインドコントロール」及び「収入や資産に比して過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。

二について

 お尋ねの「マインドコントロール」及び「過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。なお、一般論としては、Aの配偶者又は子(以下「配偶者ら」という。)が寄附の前の原因に基づいて生じた債権をAに対して有している場合において、Aの寄附が民法第四百二十四条第一項の「債務者が債権者を害することを知ってした行為」に該当するときは、配偶者らがその寄附を取り消し、その寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。また、配偶者らが期限が到来した債権をAに対して有している場合において、同法第四百二十三条第一項の「自己の債権を保全するため必要があるとき」の要件を満たし、かつ、Aが寄附を取り消し、寄附によって移転した財産の返還を請求する権利を有するときは、配偶者らが当該権利を行使することができる。

三の1について

 お尋ねの「マインドコントロール」、「収入や資産に比して過大な寄附」及び「財産管理権を制限すること」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。

三の2について

 三の1においてお尋ねの「マインドコントロール」及び「収入や資産に比して過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、民法第七条、第十一条又は第十五条の各要件に該当するか否かについては、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。

三の3について

 三の1においてお尋ねの「収入や資産に比して過大な寄附」並びにお尋ねの「マインドコントロール」及び「保護」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。なお、一般論としては、一の1から6までについてでお答えしたとおり、民法及び消費者契約法上の一定の要件を満たす場合には、Aは、Aの寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。また、二についてでお答えしたとおり、民法上の一定の要件を満たす場合には、配偶者らは、Aの寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。

三の4について

 民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号。以下「改正法」という。)は、禁治産制度及び準禁治産制度を見直し、後見、保佐及び補助の制度等からなる成年後見制度を導入したものである。改正法の趣旨は、本人の意思の尊重、自己決定の尊重、ノーマライゼーション等の理念と本人の保護の理念との調和を図りながら、できる限り利用しやすい制度を実現することにあった。
 改正法においては、十分な判断能力を有する者の金銭等の費消方法について制限を加えるということは、本人の意思の尊重等の改正法の趣旨に照らして相当ではないと考えられたことから、浪費者を成年後見制度の対象としなかった。

三の5について

 お尋ねの「マインドコントロール」及び「過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではないが、三の4についてで述べた改正法の趣旨等に照らし、成年後見制度の対象を拡大することについては、慎重な検討が必要であると考えている。

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