答弁本文情報
令和五年六月三十日受領答弁第一三五号
内閣衆質二一一第一三五号
令和五年六月三十日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員城井崇君提出公益法人等に造成されている基金の残高が基金事業としての必要な額等を上回る基金に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員城井崇君提出公益法人等に造成されている基金の残高が基金事業としての必要な額等を上回る基金に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「基金の保有割合」については、「行政事業レビューの実施等について」(平成二十五年四月五日閣議決定)に基づき、毎年度、各府省庁が作成し、九月末を目途に公表する基金シートに記載することとしている。現時点で公表されている最新の基金シートである令和四年度の基金シートを基に、お尋ねの「基金の保有割合が一を上回る部分を機械的に算出した場合の府省数、基金事業数、金額および国費相当額」をお答えすると、それぞれ、七省庁、四十六基金事業、約千四百五十七億円及び約千四百三十六億円である。
二について
お尋ねの「基金の保有割合が一を上回る部分を機械的に算出した場合の府省別の基金事業数、基金事業名、基金事業ごとの金額と国費相当額」について、令和四年度の基金シートを基に、所管府省庁ごとにお示しすると、次のとおりである。
復興庁
全体で、四基金事業であり、住まいの復興給付金による被災者住宅再建支援対策事業が約二十三億円(うち国費相当額が約二十三億円)、漁業・養殖業復興支援事業が約百二十億円(うち国費相当額が約百二十億円)、林業信用保証事業交付金(災害復旧)が約一億円(うち国費相当額が約一億円)、漁業者等緊急保証対策事業交付金が約四十億円(うち国費相当額が約四十億円)である。
厚生労働省
全体で、一基金事業であり、旧優生保護法一時金支給等業務費交付金が約零億円(うち国費相当額が約零億円)である。
農林水産省
全体で、二十一基金事業であり、地域還元型再生可能エネルギーモデル早期確立事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、中堅外食事業者資金融通円滑化事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、施設園芸等燃油価格高騰対策が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、産地生産基盤パワーアップ事業が約二十一億円(うち国費相当額が約二十一億円)、畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業が約三百九億円(うち国費相当額が約三百九億円)、馬産地再活性化緊急対策事業が約一億円(うち国費相当額が約一億円)、省エネルギー・低コスト経営支援緊急対策利子助成金交付事業が約三億円(うち国費相当額が約三億円)、雇用創出経営支援緊急対策利子助成金交付事業が約七億円(うち国費相当額が約七億円)、担い手経営発展支援金融対策事業が約一億円(うち国費相当額が約一億円)、貸付事業が約四十四億円(うち国費相当額が約四十四億円)、水産バリューチェーン事業のうち流通促進・消費等拡大対策事業のうち特定水産物供給平準化事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、担い手代船取得支援リース事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、鯨類資源持続的利用支援調査事業が約三億円(うち国費相当額が約三億円)、韓国・中国等外国漁船操業対策基金事業が約十二億円(うち国費相当額が約十二億円)、畜産高度化支援リース事業が約四億円(うち国費相当額が約四億円)、食肉加工施設等整備リース事業貸付機械取得資金造成事業が約二億円(うち国費相当額が約一億円)、畜産経営維持緊急支援資金融通事業が約二億円(うち国費相当額が約二億円)、農業信用保証保険基盤強化事業(大規模災害被災農業者等支援対策(実質無担保無保証人事業))が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、農業経営維持支援緊急保証事業が約一億円(うち国費相当額が約一億円)、農業経営復旧・復興対策特別保証事業補助金交付事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、農業信用保証保険基盤強化事業(大規模災害被災農業者等支援対策(実質無担保無保証人事業))が約零億円(うち国費相当額が約零億円)である。
経済産業省
全体で、七基金事業であり、経営安定関連保証等対策費補助事業が約四百四十八億円(うち国費相当額が約四百四十八億円)、省エネルギー設備導入促進リース事業(低炭素リース信用保険)が約二億円(うち国費相当額が約二億円)、中小企業災害復旧資金利子補給事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、先端低炭素設備導入促進補償制度推進事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、中小企業消費税軽減税率対策事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、新型コロナウイルス感染症特別利子補給事業が約二百九十二億円(うち国費相当額が約二百九十二億円)、新型コロナウイルス感染症民間制度融資利子補給事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)である。
国土交通省
全体で、八基金事業であり、信用・指導基金の事業が約十億円(うち国費相当額が約二億円)、耐震・環境不動産形成促進事業が約五十二億円(うち国費相当額が約五十二億円)、街なか居住再生ファンドの事業が約四億円(うち国費相当額が約四億円)、木曽三川水源地域対策基金基本基金の事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、住宅保証基金の事業が約十六億円(うち国費相当額が約十六億円)、高齢者居住安定基金の事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、住宅市場安定化対策事業が約十億円(うち国費相当額が約十億円)、交通遺児に対する奨学金貸与事業が約二億円(うち国費相当額が約一億円)である。
環境省
全体で、五基金事業であり、産業廃棄物特定支障除去等支援事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)、PCB廃棄物対策推進費補助金が約六億円(うち国費相当額が約三億円)、土壌汚染対策基金の事業が約十一億円(うち国費相当額が約二億円)、耐震・環境不動産形成促進事業が約五十二億円(うち国費相当額が約五十二億円)、地域脱炭素化出資事業が約十三億円(うち国費相当額が約十三億円)である。
防衛省
全体で、一基金事業であり、合衆国軍隊事故被害者救済融資事業が約零億円(うち国費相当額が約零億円)である。
なお、耐震・環境不動産形成促進事業については、国土交通省及び環境省の共管であり、その重複を除くと、全体で、四十六基金事業、約千四百五十七億円及び約千四百三十六億円である。
三について
御指摘の「国の基準」である「補助金等の交付により造成した基金等に関する基準」(平成十八年八月十五日閣議決定)においては、「保有割合が「一」を大幅に上回っている基金」について、「基金の財源となっている国からの補助金等の国庫への返納など、その基金の取扱いを検討することとする」としており、御指摘の「基金の保有割合が一を上回る」ことをもって直ちに国庫に返納することとはしていないが、補助金等の交付により造成した基金を保有する法人及び所管府省において、個別に基金を取り巻く状況を踏まえ、適切に検討を行うこととしている。
なお、令和五年三月三十一日の行政改革推進会議において、基金シートについて、基金の規模等についての記載を充実させ、その内容が適切かについての外部有識者による点検を導入するなどの見直しを行い、令和五年度から実施することとしており、こうした取組を行いつつ、基金事業の適正な執行管理等に努めてまいりたい。