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令和六年五月二十四日受領
答弁第九三号

  内閣衆質二一三第九三号
  令和六年五月二十四日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員中谷一馬君提出不明瞭な内閣官房報償費の諸課題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中谷一馬君提出不明瞭な内閣官房報償費の諸課題に関する質問に対する答弁書


一について

 内閣官房報償費については、令和六年二月十三日の衆議院予算委員会において、林内閣官房長官が「内閣官房報償費は、国の機密保持上、その使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきておりまして、その個別具体的な使途に関するお尋ねについては、お答えを一切差し控えております」と述べているとおりであり、その具体的な使途に関するお尋ねについてお答えすることは差し控えたい。いずれにせよ、内閣官房報償費については、その取扱責任者である内閣官房長官の判断と責任の下に、厳正かつ効果的に執行しているところであり、また、会計検査院の検査を受けているところである。

二について

 内閣官房報償費については、その取扱いは一についてでお答えしたとおりであり、また、その取扱責任者である内閣官房長官が、その都度の判断で機動的に使用する経費であって、その判断と責任の下に、厳正かつ効果的に執行しているところであり、過去に、その時々の内閣官房長官の判断により執行されたものについて現内閣において御指摘のような確認を行うことは考えていない。

三の1及び2について
  
 内閣官房報償費については、その取扱いは一についてでお答えしたとおりであり、その具体的な使途に関するお尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

三の3及び4について
  
 政府として、国会議員の個々の発言に関し、お答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、内閣官房報償費については、引き続き、厳正かつ効果的な執行を徹底するとともに、御指摘の「国民の理解」を得られるよう努めてまいりたい。

四について
  
 内閣官房報償費は、施策の円滑かつ効果的な推進に資するため、内閣官房長官のその都度の判断で機動的に使用する経費であり、その時々の内閣官房長官の判断と責任の下に、厳正かつ効果的に執行しているところであり、松野前内閣官房長官も同様に執行したものと考えている。いずれにせよ、内閣官房報償費については、その取扱いは一についてでお答えしたとおりであり、引き続き、厳正かつ効果的な執行を徹底するとともに、御指摘の「国民の理解・納得」を得られるよう努めてまいりたい。

五について
  
 内閣官房報償費については、その取扱責任者である内閣官房長官の判断と責任の下に、厳正かつ効果的に執行しているところであり、また、会計検査院の検査を受けているところであって、お尋ねの「本提案のように第三者機関が秘密保持を誓約した上で、適正に使われているかをチェックができるよう運用を見直す」考えはない。

六について
  
 お尋ねの「公開」及び「ブラックボックスをなくしていくべきである」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の文書を含め、内閣官房報償費に関する行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)に基づく開示請求があった場合には、平成三十年一月十九日最高裁判所第二小法廷判決を踏まえて対応しているところであり、具体的には、内閣官房報償費の支払の相手方や具体的な使途等に関する情報及びこれらの事項を相当程度の確実性をもって特定することが可能になる場合がある情報について、同法第五条第三号又は第六号の不開示情報に該当するものと判断し、不開示としてきている一方で、右に述べた情報以外の情報については、同法に基づく開示請求に対し、適切に開示しているところである。

七について
  
 内閣官房報償費の目的を直接に定める法令は存在しない。お尋ねの「支出方法等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、内閣官房報償費についても会計法(昭和二十二年法律第三十五号)等の規定の適用がある。また、御指摘の「目的外に利用することや不適切な支出を行」うことを含め、内閣官房報償費の執行に関し、仮に法令違反が認められる場合には、罰則を含め、法令等の規定に基づき対処することとなる。お尋ねの「その運用については国会の監視機能を働かせる」の具体的に意味するところが明らかではないが、内閣官房報償費は、その取扱責任者である内閣官房長官が、毎年度及びその交代の都度定める執行に当たっての基本的な方針において目的類型を定め、自らの責任と判断の下に、厳正かつ効果的に執行しているところであり、また、会計検査院の検査を受けているところであって、お尋ねのように、新たに、「機密費の目的、支出方法等を法令上明記」し、また、「不適切な取扱いについての罰則規定を設ける必要がある」とは考えていない。

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