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答弁本文情報

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令和六年六月十八日受領
答弁第一三一号

  内閣衆質二一三第一三一号
  令和六年六月十八日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員長妻昭君提出有機フッ素化合物(PFAS)規制の遅れに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出有機フッ素化合物(PFAS)規制の遅れに関する質問に対する答弁書


一について
  
 前段のお尋ねについては、ペルフルオロ(オクタン−一−スルホン酸)(以下「PFOS」という。)及びペルフルオロオクタン酸(以下「PFOA」という。)については、例えば、「PFOS、PFOAに関するQ&A集(二〇二三年七月時点)」(PFASに対する総合戦略検討専門家会議監修)において、「動物実験では、肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されています。また、人においてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫系等との関連が報告されています。しかし、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについてはいまだ確定的な知見はありません。」とされており、ペルフルオロ(ヘキサン−一−スルホン酸)(以下「PFHxS」という。)については、人体にどのような悪影響を及ぼすのか、現時点において必ずしも明らかではないと認識している。
 後段のお尋ねについては、御指摘の「PFASを規制している先進国」の意味するところが必ずしも明らかではないが、他国が「どのような健康への悪影響を懸念しているのか」については把握していない。

二について
  
 政府として、現時点において、PFOS及びPFOAの血中濃度と健康影響との関係を評価するための科学的知見は十分でなく、また、国内でPFOS及びPFOAに関連した健康影響が生じているとの情報はないものと承知しており、お尋ねの「PFOSとPFOAのヒトの血中濃度」に係る「上限基準をつくる」予定はないが、最新の科学的知見の収集等に努めているところである。

三について
  
 お尋ねの「暫定目標値を超えた検出がなされた地域」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、環境省が令和六年三月に公表した「令和四年度公共用水域及び地下水のPFOS及びPFOA調査結果一覧」及び「令和五年度版化学物質と環境」において、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)」(令和二年五月二十八日付け環水大水発第二〇〇五二八一号・環水大土発第二〇〇五二八二号環境省水・大気環境局長通知)において設定したPFOS及びPFOAに係る「指針値(暫定)」(以下「指針値(暫定)」という。)を超過した地点は、十六都府県における百十一地点である。そのうち、東京都内においては、文京区、大田区、世田谷区、渋谷区、練馬区、立川市、武蔵野市、府中市、調布市、日野市、国分寺市、国立市、狛江市、武蔵村山市及び西東京市において指針値(暫定)を超過しており、「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」(令和二年六月環境省水・大気環境局水環境課及び土壌環境課地下水・地盤環境室並びに厚生労働省医薬・生活衛生局水道課水道水質管理室作成)に基づき、関係地方公共団体において、指針値(暫定)を超過した水が飲用に供されないよう指針値(暫定)を超過した水が検出された井戸の所有者等に対し必要に応じて指導、助言等を行うなどの対応をしているところであると承知している。

四について
  
 PFOS及びPFOAの耐容一日摂取量については、食品安全委員会に設置した「有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ」(以下「ワーキンググループ」という。)が「(案)評価書 有機フッ素化合物(PFAS)」(以下「評価書案」という。)において案を示し、評価書案について令和六年二月七日から同年三月七日までパブリックコメントを実施し、現在、ワーキンググループにおいて評価書案の修正を検討しているところであり、現時点においてPFOS及びPFOAの耐容一日摂取量の設定の具体的な時期をお答えすることは困難である。
 御指摘の「日本が後れをとっている」及び「後れている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、PFOS及びPFOAの耐容一日摂取量については、先に述べたとおり、検討を進めているところである。
 また、PFHxSの耐容一日摂取量については、評価書案において「評価を行う十分な知見は得られていないことから、現時点では指標値の算出は困難であると判断した」と記載されているところであり、今後、同委員会において最終的な結論を得ることとしている。

五について
  
 御指摘の「法律で取り締まることのできる、正式な目標値や環境基準値」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「飲料水、工場の排水、土壌」中のPFOS及びPFOAへの対応については、PFOS及びPFOAの存在状況等について知見が十分ではないことから、関係府省庁が連携して、更なる科学的知見の集積を図るための必要な検討を行う考えであり、また、御指摘の「公共用水域(河川、湖沼、港湾、沿岸海域、その他)、地下水、水道水」中のPFOS及びPFOAの暫定目標値及び指針値(暫定)の取扱いについては、ワーキンググループにおける食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第十一条第一項に規定する食品健康影響評価に関する調査審議や国内外の科学的知見、PFOS及びPFOAに関する諸外国の規制状況等を注視するとともに、専門家の意見も踏まえつつ検討している。
 御指摘の「先進国から相当後れをとっている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、これらの取組を通じて国民の健康の保護に努めてまいりたい。

六について
  
 御指摘の「子どもの健康と環境に関する全国調査」(以下「エコチル調査」という。)では、収集した生体試料について、PFOS、PFOA及びPFHxSについても化学分析を行い、子供の健康影響の指標との関連について研究を行っている。
 エコチル調査の参加者については、東京都を含む全国の大学等を対象とした公募により全国十五箇所のユニットセンター(「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)基本計画」(平成二十二年三月三十日環境省策定、令和五年三月三十日改定)のユニットセンターをいう。以下同じ。)を選定した上で、各ユニットセンターが公募時に設定した調査地区において参加者を募集し、追跡調査を行っているところ、当該公募において、東京都を調査地区とするユニットセンターは選定されず、結果として東京都における募集が行われなかったものであり、また、追跡調査であることから、参加者の追加も予定していない。

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