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答弁本文情報

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令和六年十一月二十二日受領
答弁第八号

  内閣衆質二一五第八号
  令和六年十一月二十二日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員北野裕子君提出令和五年度における児童生徒のいじめ・不登校に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員北野裕子君提出令和五年度における児童生徒のいじめ・不登校に関する質問に対する答弁書


一の1について

 文部科学省が令和六年十月三十一日に公表した「令和五年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(以下「令和五年度問題行動等調査」という。)においては、児童生徒が一年間に出席しなければならない日数が学校ごとに異なること等を踏まえ、不登校児童生徒のうち欠席日数が「九十日以上」のものについては、御指摘のような欠席日数ではなく、出席日数に応じて区分して調査することとしたものである。

一の2について

 お尋ねの「深刻度」及び「大きな差異」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、個々の不登校児童生徒の状況を適切に把握した上で、必要な支援を実施することが重要であると考えている。

二について

 お尋ねの「どのような事例(事態)を主に指すのか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、令和五年度問題行動等調査において、「不登校児童生徒について把握した事実」の選択肢として、「個別の配慮(障害(疑い含む)以外)についての求めや相談があった」の事項を設け、回答者に対して示した調査票に、その例示として、「日本語指導が必要、特定分野に特異な才能を有する、性に関する違和感、感覚過敏に関する求めや相談」を挙げている。

三について

 御指摘の「深刻度」及び「経年調査」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年度問題行動等調査においては、「不登校児童生徒について把握した事実」として、相談の有無等の客観的な事項を調査しており、この中で、回答者の主観によるところが大きい事項を調査することは考えていない。

四について

 令和五年度問題行動等調査において、不登校児童生徒のうち「前回調査でも不登校に計上されていた」ものの数について調査し、その結果を公表しているため、「不登校に関する解消状況の調査結果がない」との御指摘は当たらないものと考えている。

五について

 前段のお尋ねについては、政府としては、学校内外の専門機関等による相談・指導等を充実させることが重要であると考え、例えば、地方公共団体における教育支援センターに在籍する職員が在宅の不登校児童生徒に対してするアウトリーチ支援に係る機能の強化のほか、教育支援センター等へのスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の充実等に取り組んでおり、また、「教育振興基本計画」(令和五年六月十六日閣議決定)において、不登校児童生徒への支援の推進に係る評価の指標の一つとして、「学校内外で専門機関等の相談・指導等を受けていない不登校児童生徒数の割合の減少」を設定している。
 後段のお尋ねについては、「調査結果が出てから今日までの一年間」及び「対応」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年度問題行動等調査において学校内外の専門機関等や学級担任等による相談・指導等を受けていないとされた児童生徒に対する調査実施後の対応の詳細については、政府として把握していない。

六の1について

 令和五年度問題行動等調査において令和五年度中の重大事態(いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号。以下「法」という。)第二十八条第一項に規定する重大事態をいう。以下同じ。)の件数が過去最多となっていることについては、極めて憂慮すべき状況が継続していると認識している。

六の2について

 お尋ねの「重大事態を軽視して」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、各学校の設置者等における重大事態の取扱いの在り方に関する理解が必ずしも十分ではなかったことにより、法等の趣旨に沿った対応がなされていなかった事案も発生している可能性があると認識しており、各学校の設置者等における理解が一層進んだことが、令和五年度問題行動等調査における重大事態の件数の増加の一つの要因であると考えている。

六の3について

 「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(平成二十九年三月文部科学省作成、令和六年八月改訂。以下「ガイドライン」という。)において、「重大事態に該当するにも関わらず、対象児童生徒・保護者が望まないことを理由として、重大事態として取り扱わないことは決してあってはならず、対象児童生徒への支援や関係児童生徒への指導及び支援等も行わなければならない。」としていることから、重大事態に該当する事案について、児童生徒や保護者が調査を望まない場合においても、重大事態として取り扱うべきであると考えている。

七について

 前段のお尋ねについては、重大事態として取り扱うに至った個別の理由を調査していないため、お答えすることは困難である。
 後段のお尋ねについては、「令和五年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(令和六年十月三十一日付け六初児生第十二号文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知)において、「いじめを漏れなく認知するためには、全ての教職員が改めて法におけるいじめの定義を確認し、積極的な認知を行うとともに、学校を挙げて早期発見・早期対応に向けた取組を行うことが重要である。」とするなどしているほか、ガイドラインで示している「各学校においては、校長のリーダーシップの下、生徒指導主事等を中心として組織的な支援及び指導体制を構築した上で、学校いじめ防止基本方針に定める年間計画において定例会議の開催等を位置付け、その中で、学校いじめ対策組織が重大事態の発生を防ぐために重要な役割を担っている組織であることを確認するとともに、重大事態が発生した際の適切な対処の在り方について、全ての教職員の理解を深める取組が重要である。」という内容を周知すること等により、御指摘の「いじめの重大事態の早期発見・早期対応や組織的対応の改善」を図っているところである。

八の1について

 お尋ねの「事実」に関する報道があることは承知している。

八の2について

 お尋ねについては、ガイドラインにおいて「学校の設置者における平時からの備え」として、法第二十八条第一項の重大事態に係る事実関係を明確にするための調査に参画する委員の「報酬等に要する予算を確保するなどの準備を行っておくことが望ましい」とするなど、学校の設置者における予算の確保を促すとともに、当該調査を実施する組織の公平性・中立性の確保の観点から、法律、医療、教育等の専門家が各学校の設置者等からの相談に応じて助言を行う「いじめ調査アドバイザー」事業を実施しているところであり、現時点で、お尋ねの「財政的支援」は予定していない。いずれにせよ、引き続き、各学校の設置者等において、当該調査を適切に実施できるよう、いじめの防止等のための対策の改善・強化に努めてまいりたい。

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