答弁本文情報
令和六年十一月二十二日受領答弁第一五号
内閣衆質二一五第一五号
令和六年十一月二十二日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員松原仁君提出中国における日本人男児殺害事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出中国における日本人男児殺害事件に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「いわゆる忖度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「危険レベル」については、政府としては、渡航・滞在するに当たって特に注意が必要と考えられる国・地域に関して、日本国民の生命又は身体に対する脅威を考慮しつつ、中長期的な観点から、当該国・地域の治安情勢を始めとする政治情勢、社会情勢等を総合的に判断して決定してきている。
二について
お尋ねの中国外交部報道官の発言については承知しているが、個別の発言について、政府として逐一見解を述べることは差し控えたい。いずれにせよ、御指摘の事件については、例えば、令和六年十月十日の日中首脳会談において、石破内閣総理大臣から李強中国国務院総理に対し、「蘇州や深圳で日本人学校の児童等が死傷した事件により、中国の在留邦人の不安は急速に高まっている旨指摘しつつ、一刻も早い事実解明と説明、日本人の安心・安全の確保を強く求め」、「悪質で反日的なSNSの投稿等の取締りを含め、中国側の迅速な対応の重要性を提起」する等、様々なレベルで、これらの対応を強く求めているところである。
三について
御指摘の事件について、令和六年九月二十三日(現地時間)の日中外相会談において、上川外務大臣(当時)から王毅中国外交部長に対し、「(一)犯人の動機を含む、一刻も早い事実解明と日本側への明確な説明、さらには犯人の厳正な処罰と再発防止、(二)中国に在留する日本人、とりわけ子どもたちの安全確保のための具体的措置、(三)日本人学校に関するものを含む、根拠のない悪質で反日的なSNSの投稿等は、子どもたちの安全に直結し絶対に容認できないとして、早急な取り締まりの徹底を強く求め」た上で、「隣国である日中両国として目指すべき交流の障害となっている課題に正面から向き合い、事態の改善に向けて真剣に取り組むよう求め」た。これに対し、同会談において同部長からは、「中国側の立場はこれまで外交部報道官が述べているとおりであり、今回起きた事は、我々も目にしたくない偶発的な個別事案であり、法律に則り処理をしていく」旨の反応があったところである。
我が国政府としては、その後も、二についてで述べた日中首脳会談を含む様々なレベルで、これらの対応を強く求めているところである。
四について
御指摘の「投稿」が行われたとの報道があったことは承知している。
五について
お尋ねの「日本人への憎悪感情を煽るいわゆる反日教育」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。