答弁本文情報
令和六年十二月二十七日受領答弁第九九号
内閣衆質二一六第九九号
令和六年十二月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員松原仁君提出弾道ミサイルの脅威に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出弾道ミサイルの脅威に関する質問に対する答弁書
一の1について
お尋ねについては、令和六年十二月五日の衆議院安全保障委員会において、中谷防衛大臣が、「北朝鮮は、体制を維持するため、大量破壊兵器や弾道ミサイルなどの増強に集中的に取り組んでおり、近年は、低空を変則的な軌道で飛翔する弾道ミサイルの実用化を追求するとともに、ICBM級弾道ミサイルの発射を繰り返し強行しております。・・・このような北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっております。」と答弁しているとおりである。
一の2について
我が国の弾道ミサイル防衛システムの個別具体の撃破能力については、自衛隊の能力等が明らかになることにつながることから、お答えを差し控えたいが、政府としては、「国家防衛戦略」(令和四年十二月十六日閣議決定)に記載されているとおり「探知・追尾能力や迎撃能力を抜本的に強化するとともに(中略)有効な反撃を加える能力を持つことにより、相手のミサイル発射を制約し、ミサイル防衛による迎撃を行い易くすることで、ミサイル防衛と相まってミサイル攻撃そのものを抑止していく」考えである。
二について
お尋ねの「政府機関独自で一次情報として把握している」及び「独自把握が行えていない場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、政府としては、北朝鮮が弾道ミサイル等を発射した場合には、我が国に飛来する当該弾道ミサイル等について米国が短時間で解析した情報を受領するほか、自衛隊のレーダー等により情報収集を行うこととしている。
三の1について
お尋ねの「特定臨時避難施設」については、「武力攻撃を想定した避難施設(シェルター)の確保に係る基本的考え方」(令和六年三月二十九日付け閣副事態第百五十九号内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)付内閣審議官通知別添。以下「基本的考え方」という。)において、「特定臨時避難施設」の「確保に係る具体的取組」等を定めたところである。具体的には、「武力攻撃より十分に先立って、住民等の広域避難を開始し、完了することが住民等の安全を確保する上で最も重要である」ことを前提としつつ、「例えば、悪天候時に、航空機又は船舶が使用できず広域避難が困難となり、広域避難の完了までの一定期間、避難誘導に従事する行政職員等及び避難に遅れる住民等が、要避難地域に留まらざるを得ないことも想定される」ため、「輸送手段に大きな制約があり、かつ、避難先地域が遠距離にあるといった避難の困難性」等がある「先島諸島の五市町村(与那国町、竹富町、石垣市、多良間村及び宮古島市)」において整備することとしている。
現在、政府においては、これらの市町村とともに、「特定臨時避難施設」の具体的な整備について検討を進めているところである。
三の2について
お尋ねについて、基本的考え方においては、「特定臨時避難施設」は「市町村が・・・公共・公用施設の地下・・・に整備する」こととしており、御指摘の「民間による設置」を想定したものではない。
なお、基本的考え方においては、「弾道ミサイル等の単体による攻撃といった短時間の攻撃等の間、住民等の安全を一時的に確保するため」の「緊急一時避難施設」については、「政治経済の中枢を含む都市部及び重点取組分野の施設(地下施設(地下駅舎、地下街)等)における指定を促進」することとしており、この「指定」の「促進」に当たっては、特に大規模な地下施設において、施設管理者が民間事業者であることが多く、その理解及び協力を得ることが不可欠であることから、令和五年度に、関係省庁が連携し、特定の民間事業者等に対して、「緊急一時避難施設」の「指定」の「促進」に係る協力依頼を行ったところである。