答弁本文情報
令和七年二月二十一日受領答弁第五四号
内閣衆質二一七第五四号
令和七年二月二十一日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員有田芳生君提出「ふるさとの風」などに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員有田芳生君提出「ふるさとの風」などに関する質問に対する答弁書
一について
北朝鮮内への情報伝達手段が限られている状況において、拉致被害者のほか、北朝鮮住民や北朝鮮当局に対し、日本政府、日本国民、更には、国際社会からのメッセージを伝達する手段として、北朝鮮向けラジオ放送は極めて効果的であると考えている。このような考えから、政府は、日本語による北朝鮮向けラジオ放送「ふるさとの風」のほか、朝鮮語による北朝鮮向けラジオ放送「日本の風」によって、北朝鮮内への情報発信を精力的に行っている。
二について
「ふるさとの風」による情報発信は、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者を対象としている。
三について
帰国した拉致被害者の五名の方々は、「ふるさとの風」の放送を開始した平成十九年七月より前に帰国しており、北朝鮮において同放送を聞く機会はなかったため、これらの方々からお尋ねの「確認」は取っていない。
四について
御指摘の方々からは直接確認していないものの、政府として、北朝鮮の近隣地域において「ふるさとの風」の放送に係る受信状況のモニタリング調査を行うなどにより、北朝鮮においても同放送が受信できていることを確認している。
五の1について
「ふるさとの風」は毎日放送している。放送を開始した平成十九年七月九日から令和七年一月三十一日までの日数は、六千四百十七日である。
五の2について
令和五年度の「ふるさとの風」及び「日本の風」の制作及び放送に係る費用は、約一億四千六百八十二万円である。なお、両放送に係る事業を併せて関係業者に委託しているため、放送ごとの内訳は算出できない。
六の1について
「ふるさとの風」を運営する内閣官房拉致問題対策本部事務局は、御指摘の「しおかぜ」を運営する民間団体である「特定失踪者問題調査会」と共同で、ラジオ番組の公開収録を令和六年度において四回実施しているほか、同会との間の業務委託契約に基づき、同会が「しおかぜ」の無線局を運用する時間の枠の中で「ふるさとの風」を提供するなど、連携を図っている。
六の2について
総務省では、「しおかぜ」の無線局において使用される短波放送用の周波数について、外国において短波放送による放送事業を行う者と半年ごとに調整している。北朝鮮からは、「しおかぜ」の受信を妨害する電波の送信が確認されていることから、当該妨害を避けるため、現在は、四の時間帯にそれぞれ異なる五の周波数で「しおかぜ」が送信できるようにしている。
七について
「ふるさとの風」は、拉致被害者への励ましや拉致問題をめぐる情勢の伝達等を目的としたラジオ放送であり、その情報発信の対象は、二についてで述べたとおりであるが、いずれにしても、政府としては、御指摘のいわゆる「ストックホルム合意」に基づき、日本人に関する全ての問題の解決に向け全力を尽くしているところであり、今後とも引き続きそのように努めてまいりたい。