答弁本文情報
令和七年三月十一日受領答弁第七二号
内閣衆質二一七第七二号
令和七年三月十一日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員屋良朝博君提出沖縄振興予算への国の関与のあり方に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員屋良朝博君提出沖縄振興予算への国の関与のあり方に関する再質問に対する答弁書
一の1について
お尋ねの「規定に基づいて」の意味するところが必ずしも明らかではないが、沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第八十条第三項の規定の趣旨を踏まえ国において実施している事業については、例えば、沖縄県及び同県内の市町村が沖縄特有の事情を踏まえたこどもの居場所の運営等に係る事業を集中的に実施することを支援する沖縄こどもの貧困緊急対策事業があり、その予算額は、令和四年度が約十五億六千万円、令和五年度が約十六億八千百万円、令和六年度が十八億五千万円である。
一の2について
御指摘の「国の直轄事業ではなく、沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)による沖縄県の事業として実施することが可能である」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、沖縄こどもの貧困緊急対策事業については、先の答弁書(令和七年二月十八日内閣衆質二一七第四一号。以下「前回答弁書」という。)二の1についてでお答えしたとおりである。
二の1及び2について
お尋ねの「沖縄県側から主体的に」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和七年度予算における沖縄におけるこどものウェルビーイング実現に向けた調査研究等事業については、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二四」(令和六年六月二十一日閣議決定)等を踏まえ、国において事業の必要性について検討し、沖縄県とも調整の上、令和七年度予算における沖縄振興予算に計上したものである。
二の3について
お尋ねについては、現段階において、確定的にお答えすることは困難であるが、今後の事業の進捗状況等を踏まえて適切に判断してまいりたい。
三について
お尋ねの「沖縄県側が主体的に」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「駐留軍用地跡地先行取得事業費」、「沖縄農林水産物条件不利性解消事業」及び「沖縄離島住民交通コスト負担軽減事業」の予算については、前回答弁書三についてでお答えしたとおりである。なお、これらの事業については、沖縄県及び関係市町村に対する補助事業である。
四の1について
お尋ねの「各事業」の@令和三年度の当初予算額、A令和四年度の当初予算額及びB「事業ごとの減少額」をお示しすると、それぞれ以下のとおりであり、令和四年度当初予算における沖縄振興予算に計上された事業については、いずれも沖縄振興を推進するために必要な額を計上したものである。
沖縄振興交付金事業推進費 @九百八十一億二百万円 A約七百六十二億五千万円 B約二百十八億五千二百万円
沖縄における鉄軌道等導入課題検討に必要な経費 @一億円 A八千万円 B二千万円
公立文教施設整備に必要な経費 @約七十九億九千六百万円 A約五十億円 B約二十九億九千六百万円
医師歯科医師等の派遣に必要な経費 @約二百万円 A約二百万円 B約二十万円
水道施設整備に必要な経費 @三十三億円 A二十八億円 B五億円
廃棄物処理施設整備に必要な経費 @十三億四千万円 A十二億六百万円 B一億三千四百万円
森林整備事業に必要な経費 @二億九千四百万円 A二億八千九百万円 B五百万円
治山事業に必要な経費 @三億六千三百万円 A三億五千六百万円 B七百万円
水産基盤整備に必要な経費 @約四十九億六千二百万円 A約四十三億五千六百万円 B約六億六百万円
農業農村整備事業に必要な経費 @約百四十三億五千二百万円 A約百二十六億七千五百万円 B約十六億七千七百万円
社会資本総合整備事業に必要な経費(社会資本整備総合交付金) @百五十九億八千万円 A百四十五億二千万円 B十四億六千万円
社会資本総合整備事業に必要な経費(防災・安全交付金) @四十三億三千二百万円 A三十六億千四百万円 B七億千八百万円
沖縄開発事業(旧社会資本整備事業特別会計計上分) @約六百四十二億四千百万円 A約五百七十六億九千万円 B約六十五億五千二百万円
駐留軍用地跡地利用推進に必要な経費 @約二億五千四百万円 A約二億五百万円 B約四千九百万円
沖縄の特殊事情に伴う特別対策に必要な経費(沖縄振興開発金融公庫・補給金) @約二十億二千五百万円 A約十九億三千百万円 B約九千三百万円
沖縄の戦後処理対策に必要な経費 @約二十七億七千四百万円 A約二十七億四千二百万円 B約三千二百万円
沖縄・地域安全パトロール事業 @約七億三千万円 A約四億六千五百万円 B約二億六千六百万円
沖縄力発見創造事業 @約五千九百万円 A零円 B約五千九百万円
沖縄国際物流拠点活用推進事業 @約九億千五百万円 A零円 B約九億千五百万円
沖縄型産業中核人材育成事業 @約三億二千八百万円 A零円 B約三億二千八百万円
沖縄小規模離島生活基盤整備推進事業 @十億六千九百万円 A七億四千七百万円 B三億二千二百万円
沖縄テレワーク推進事業 @約三億百万円 A零円 B約三億百万円
沖縄の高校中退者等に係る人材育成推進に必要な経費 @約一億五千六百万円 A約七千二百万円 B約八千四百万円
交通モード多様化事業推進に必要な経費 @約四百万円 A零円 B約四百万円
沖縄糖業振興対策事業に必要な経費 @約十億二百万円 A七億千五百万円 B約二億八千七百万円
沖縄の酒類製造業の自立的経営の促進に必要な経費 @約一億四千二百万円 A零円 B約一億四千二百万円
沖縄観光防災力強化支援事業 @九億五千万円 A零円 B九億五千万円
沖縄振興特定事業推進費 @八十五億円 A八十億円 B五億円
新たな沖縄観光サービス創出支援事業 @約二億六千万円 A約一億百万円 B約一億五千九百万円
交通動態の変化に対応する道路環境創出事業 @七千五百万円 A零円 B七千五百万円
四の2について
お尋ねの「県側は減額を受け入れたのか」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、令和四年度当初予算における沖縄振興予算に計上された事業については、沖縄県を始めとする関係自治体や地元関係者の要望等を踏まえながら、いずれも沖縄振興を推進するために必要な額を計上したものである。
四の3について
令和四年度当初予算における沖縄振興予算に計上された事業のうち、令和三年度当初予算と予算額が同額の事業は以下のとおりである。
沖縄振興推進調査費
沖縄北部連携促進特別振興対策特定開発事業費
(建設海岸)海岸事業
また、令和四年度当初予算における沖縄振興予算に計上された事業のうち、令和三年度当初予算と比較して、予算額が増加している事業は以下のとおりであり、いずれも沖縄振興を推進するために必要な額を計上したものである。
(港湾海岸)海岸事業
良好で緑豊かな都市空間の形成等のための国営公園事業に必要な経費
沖縄の子供の貧困対策に必要な経費
沖縄科学技術大学院大学学園に必要な経費
沖縄北部連携促進特別振興事業費
沖縄離島活性化推進事業
沖縄国立大学法人施設整備に必要な経費
沖縄域外競争力強化促進事業
沖縄型産業中核人材育成・活用事業
沖縄型クリーンエネルギー導入促進調査事業
公共交通利便性向上検討事業
五について
お尋ねの「国として承知しているか」については、御指摘の「沖縄振興予算の増額を要望」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、令和六年八月に沖縄県から内閣府に対して提出された「令和七年度沖縄振興に関する内閣府一括計上予算の要請について」において、「沖縄振興一括交付金など地方向け補助金を拡充した上で、要求可能額を最大限活用した総額三千億円台の概算要求を行っていただき、その要求額を確保する」よう要請があったところである。
また、お尋ねの「政府はどのように認識しているか」については、御指摘の「沖縄県の増額を求める理由」の意味するところが必ずしも明らかではないが、同県の認識に係るものについては、政府としてお答えする立場にない。