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答弁本文情報

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令和七年四月二十五日受領
答弁第一五二号

  内閣衆質二一七第一五二号
  令和七年四月二十五日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員五十嵐えり君提出二〇二四年十二月に国際連合総会で採択されたサイバー犯罪条約に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員五十嵐えり君提出二〇二四年十二月に国際連合総会で採択されたサイバー犯罪条約に関する質問に対する答弁書


一から三までについて
  
 お尋ねの「留保条項」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国としては、御指摘の「国際連合総会で採択されたサイバー犯罪条約」(以下「本条約」という。)の交渉の初期段階から一貫して、児童の性的虐待及び性的搾取を視覚的に描写する媒体の製造及び頒布は、描写された児童の心身に有害な影響を与える重大な人権侵害に当たるとし、児童の人権の擁護の観点から、これらを本条約上の犯罪とすることを支持するとともに、性的にあからさまな行為を行う、外見上児童に見える者や実在しない児童を描写する写実的な画像の製造等を本条約上の犯罪とすることについては、実在する児童が直接的な被害を受けていないことや表現の自由の重要性を踏まえ、慎重に検討する必要があるという立場を表明しており、こうした立場も受けて、当該交渉の結果、御指摘の「第三項」を含む「本条約第十四条」が採択されたものである。
 また、お尋ねの「公式、非公式の記録」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「経過」に関する「記録」については、例えば、我が国の本条約に関する交渉会合における発言内容等は、本条約に関するアドホック委員会のウェブページ上で公表されているとおりである。
 さらに、お尋ねの「本条約第十四条第三項」については、令和六年八月八日(現地時間)に国際連合本部で開催された本条約に関するアドホック委員会再開最終会合において、その削除を求める動議がイラン及びコンゴ民主共和国から提出され、投票に付されたところ、当該動議に、イラン等五十一箇国が賛同したのに対し、我が国を含む九十四箇国が反対し、十箇国が棄権し、当該動議は否決された。当該動議を提出したイランは、同会合における交渉妥結後の発言において、実在しない児童の性的搾取を描写した媒体は、児童に対する犯罪行為を常態化させ、現実に児童の性的搾取を助長するものであるので、実在のものと実在しないものとを人為的に区別する必要はないことなどを理由として、お尋ねの「本条約第十四条第三項」は同条及び本条約の趣旨に著しく反する旨を述べたものと承知している。
 本条約の経緯について、これ以上の詳細を明らかにすることは、関係国との関係もあり差し控えたい。

四について
  
 御指摘の政府の見解に変更はない。

五及び七について
  
 本条約については、現在、政府として、御指摘の「児童ポルノ禁止法」との対応関係を含め、本条約の内容を精査し、その締結の是非について検討しているところであり、お尋ねの「国会承認」の要否及び「同一のものと捉えられるか」否かについて、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたい。

六について
  
 我が国政府において、一般に、日本語を正文としない条約その他の国際約束の日本語訳については、交渉等を経て当該条約その他の国際約束の正文が確定した後に、当該正文における個々の文言の意味を正確に反映するように、我が国が既に締結している条約その他の国際約束や国内法令における用語との整合性等を勘案しつつ、慎重に検討した上で確定するものであるところ、五及び七についてで述べたとおり、本条約については、その内容を精査している段階であり、現時点で、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

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