答弁本文情報
令和七年五月十六日受領答弁第一七三号
内閣衆質二一七第一七三号
令和七年五月十六日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員上村英明君提出戦没者等の遺族に対する特別弔慰金等に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員上村英明君提出戦没者等の遺族に対する特別弔慰金等に関する再質問に対する答弁書
一の1及び2について
先の答弁書(令和七年三月十四日内閣衆質二一七第七八号)一についてでお答えしたとおり、お尋ねの「戦没者」について、現行法令上、確立された定義があるとは承知しておらず、お答えすることは困難である。
一の3について
お尋ねの「自ら勝手に動いて命を落としたもので、国に責任はないと考えている」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
二の1について
お尋ねの「これまで支給されてきた戦没者の妻に対する特別給付金の総額と受給者の総数」の意味するところが必ずしも明らかではないが、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法(昭和三十八年法律第六十一号)に基づき、同法の制定から本年三月三十一日までに特別給付金の支給のために発行された記名国債の総額は約一兆六千四百億円であり、特別給付金を受ける権利を有する者として裁定された者の総数は延べ約百六十万人である。
二の2について
お尋ねの「これまで支給されてきた戦傷病者等の妻に対する特別給付金の総額と受給者の総数」の意味するところが必ずしも明らかではないが、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法(昭和四十一年法律第百九号)に基づき、同法の制定から本年三月三十一日までに特別給付金の支給のために発行された記名国債の総額は約千二百億円であり、特別給付金を受ける権利を有する者として裁定された者の総数は延べ約五十万人である。
二の3について
お尋ねの「これまで支給されてきた戦没者の父親等に対する特別弔慰金の総額と受給者の総数」の意味するところが必ずしも明らかではないが、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法(昭和四十二年法律第五十七号)に基づき、同法の制定から本年三月三十一日までに特別給付金の支給のために発行された記名国債の総額は約二百億円であり、特別給付金を受ける権利を有する者として裁定された者の総数は延べ約五万人である。
二の4について
お尋ねの「これまで支給されてきた元軍人・軍属の戦没者の遺族年金の総額と受給者の総数」の意味するところが必ずしも明らかではないが、戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)に基づく遺族年金の支給総額及び遺族年金を受ける権利を有する者として裁定された者の総数については、把握しておらず、お答えすることは困難である。なお、同法の制定から本年三月三十一日までに支給された同法に基づく遺族年金を含む遺族年金等(障害年金、障害一時金、遺族年金、遺族給与金及び弔慰金をいう。)の総額は約四兆千億円である。
二の5について
お尋ねの「これまで支給されてきた元軍人・軍属に対する恩給(旧軍人恩給)の総額と受給者の総数」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和二年度から令和六年度までの間に、恩給法(大正十二年法律第四十八号)等に基づき、元軍人・軍属(恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)附則第十条第一項に規定する旧軍人、旧準軍人及び旧軍属をいう。以下同じ。)に支給された恩給の総額は約二百億円であり、当該恩給を支給された元軍人・軍属の総数は延べ約九万人である。
二の6について
お尋ねの「戦没者の遺族等」の意味するところが必ずしも明らかでなく、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法(昭和四十年法律第百号)に基づき、同法の制定から本年三月三十一日までに特別弔慰金の支給のために発行された記名国債の総額は約二兆千五百億円であり、特別弔慰金を受ける権利を有する者として裁定された者の総数は延べ約七百六十万人である。
二の7について
お尋ねの「元軍人・軍属およびそれらの遺族」の意味するところが必ずしも明らかでなく、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法、戦傷病者戦没者遺族等援護法、恩給法等及び戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法に基づき支給されたそれぞれの給付の総額については二の1についてから二の6についてまででお答えしたとおりである。
二の8について
お尋ねについては、現時点では未定である。
二の9について
仮定のお尋ねにお答えすることは差し控えたい。
三について
お尋ねの「民間人の戦争犠牲者に対して補償や援護を行わない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、一般戦災者に対しては、一般の社会保障施策の充実等を図る中でその福祉の向上に努めてきたほか、一般戦災死没者(今次の大戦による本邦における空襲その他の災害のため死亡した者をいう。)に対して追悼の意を表す等に取り組んでいるところである。