答弁本文情報
令和七年六月二十七日受領答弁第二九五号
内閣衆質二一七第二九五号
令和七年六月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員篠田奈保子君提出離婚後共同親権の導入に関連する諸課題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員篠田奈保子君提出離婚後共同親権の導入に関連する諸課題に関する質問に対する答弁書
一及び二について
御指摘の「調査官欠員の詳細な状況」及び「これらにつき調査、分析し対応策を講じるべき」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、家庭裁判所の人的体制については、裁判所において、民法等の一部を改正する法律(令和六年法律第三十三号)の趣旨を踏まえて適切に対応するとともに、職場におけるメンタルヘルス対策等、必要な取組も行っていくものと考えている。
三について
御指摘の「DV等があり父母間の関係性が非対称なものである場合、殊に、加害者が加害を否認し自分に正当性があると考え、被害者は恐怖、自己肯定感の低下、被害の無自覚といったことのために自己主張ができないというような場合」には、父母間で御指摘の「養育計画や親子交流の取決め」について直接協議することは困難な状況にあると考えられる。政府としては、法務省ホームページや市区町村の窓口等において配布している離婚後の子の養育に関する合意書作成の手引き等を記載したパンフレット等においては、そのような状況にある場合には、弁護士への相談を検討するよう案内しているところであり、引き続き、離婚当事者や認証紛争解決事業者(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成十六年法律第百五十一号)第二条第四号に規定する認証紛争解決事業者をいう。)等に対する周知・広報に努めてまいりたい。
四について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、「離婚前後家庭支援事業実施要綱」(令和七年五月九日付けこ支家第二百二十五号こども家庭庁支援局長通知別添。以下「実施要綱」という。)においては、親子交流の実施に当たっては、子に対して虐待行為を行うおそれのある者等について、離婚前後家庭支援事業の対象としないこととしている。
五について
御指摘の「学校や保育所への保護者の申請・提出書類」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、例えば、保育所の入退所の手続については、父母の双方が親権者であるときであっても、子を現に監護する親のみによってすることができると考えているが、いずれにせよ、保育所における当該手続については、市町村(特別区を含む。)において適切に判断されるべきものと考えている。
六について
御指摘の「これらが学校等に直接持ち込まれその判断が求められる」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
七について
御指摘の「保護者又は緊急連絡先としての登録のない別居親や親族から学校等に直接連絡があった場合」及び「同居親又は登録のある保護者にまず確認をすることが原則」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、一般論として、学校及び保育所において、当該学校及び保育所に在籍する幼児、児童又は生徒の情報に関する問合せが寄せられた場合は、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)等に基づき適切に対応することとなる。
八について
御指摘の「別居親の学校などの行事参加等」については、学校又は保育所の設置者等において、個別の事案ごとに、父母の協議、裁判所の審判等の内容を知り得た場合には、これらの内容を踏まえ、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百六十六条の趣旨、施設の適正な管理運営への影響、教職員等への負担等も考慮しつつ、判断されるべきものと考えている。
九について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、親子交流の実施に当たっての留意事項については、実施要綱により都道府県等に対して周知を行っているところであり、配偶者からの暴力の被害者の子どもの就学等については、これまでも「配偶者からの暴力の被害者の子どもの就学について(通知)」(平成二十一年七月十三日付け二一生参学第七号文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長及び初等中等教育局初等中等教育企画課長通知)等を通じて各都道府県教育委員会等に対して適切に対応するよう促してきたところである。