衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和七年六月二十七日受領
答弁第三〇五号

  内閣衆質二一七第三〇五号
  令和七年六月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員田村貴昭君提出政府備蓄米に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員田村貴昭君提出政府備蓄米に関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねの「備蓄米放出の根拠」については、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成六年法律第百十三号)第二十九条の規定に基づき、同法第四条第一項の米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(以下「基本指針」という。)に即し、「備蓄米」の売渡しを行っている。また、お尋ねの「米不足が生じたり、市場価格が上がり国民生活に影響が出たときには、備蓄米を放出する方針をとるのか。」については、引き続き基本指針に即し、「主食用米の円滑な流通に支障が生じる場合であって、農林水産大臣が必要と認めるとき」に行っていく考えである。

二について

 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の三第四項において、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合・・・においては、・・・随意契約によるものとする。」とされていることから、これに基づき御指摘の「随意契約による備蓄米」の売渡しを行っている。

三について

 お尋ねの「二〇二四年産米及び一般競争入札分の三十一万トン」の「店頭価格」については、必要に応じ調査し、公表しているところであり、令和七年六月二十三日に農林水産省が公表した「スーパーでの販売数量・価格の推移(KSP−POSデータ全国)」によれば、「二〇二四年産米」の「銘柄米」及び「ブレンド米等」の平均販売価格については、五キログラム当たり三千九百二十円となっている。また、お尋ねの「目標とする目安等」については、具体的な目標は設定していない。

四について

 お尋ねの「原因」については、関係者からの聞き取りによれば、精米を行う能力や米穀の保管能力に制約がある等の事情があると承知しているが、今後、「米の安定供給等実現関係閣僚会議」において、必要な検証を行っていく考えである。また、お尋ねの「対処」については、この状況の改善を図るため、政府としては、「備蓄米」の市場への供給の早急な拡大を集荷業者等に文書で要請し、その大部分を買い入れた全国農業協同組合連合会に対し、卸売業者への販売を前倒しして行うよう対面で強く要請したところである。

五について

 お尋ねについては、随意契約による「備蓄米」の売渡しは、これにより米穀の価格の低下につながることを期待して行っているものである。

六について

 民間企業が適正な利益を得ることは必要であると考えているが、お尋ねの「大手卸の営業利益は不当な利益」であるか否かの判断については、民間企業の活動に関する事項であり、政府としてお答えすることは困難である。また、お尋ねの「大手卸業者が市場価格をつり上げ、買占め・出し惜しみをした事実」については承知していない。

七及び九について

 今後の米穀の需給状況について予見することは困難であり、その価格の水準についても予断できないことから、お尋ねにお答えすることは困難であるが、今後の米穀の需給動向等を注視し、これに応じて、適切に対応していく考えである。

八について

 御指摘の「銘柄米や一般競争入札による政府備蓄米の小売価格が下がれば、高値で仕入れた流通業者は、予見不可能な政府の行動によって損害を被る」との仮定を前提としたお尋ねにお答えすることは困難である。

十について

 御指摘の「無償交付」に係る「政府備蓄米」については、現時点において、申請に対して必要な全ての数量の交付を決定しているところである。また、御指摘の「生活困窮者」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、御指摘のような「支障」が生じないよう、引き続き、教育を目的として子ども食堂、子ども宅食、フードバンク活動等の取組を行う者に対し、「無償交付」を行っていく考えである。

十一の前段について

 これまでの災害等における御指摘の「備蓄米」の「放出」実績については、東日本大震災の際に約四万トン及び熊本地震の際に約九十トンであることから、これらの実績に照らせば、御指摘の「不測の事態」においても対応が可能であると考えている。なお、食料供給困難事態対策法(令和六年法律第六十一号)第三条第一項の規定に基づき定めた「食料供給困難事態対策の実施に関する基本的な方針」(令和七年四月十一日閣議決定)においては、「備蓄米」の「放出」「によってもなお、国民が最低限度必要とする食料の供給が確保されず、又は確保されないおそれがある事態に至った場合にはミニマム・アクセス米を活用することとし、その具体的方法を事前に検討する」こととしている。

十一の後段について

 お尋ねの「備蓄を回復する手立て」については、米穀の価格が高止まりしている状況が解消され、「備蓄米」を買い入れる環境が整った場合には、「放出」した「備蓄米」の数量と同数量を買い入れること等により、「備蓄」「水準」を「回復する」考えである。
 また、お尋ねの「備蓄量目標」については、米穀の備蓄に係る国の財政負担も勘案しつつ、「新たな食料・農業・農村基本計画に基づく施策の推進に関する件」(令和七年三月二十五日衆議院農林水産委員会決議)の二及び「新たな食料・農業・農村基本計画に基づく施策の推進に関する決議」(令和七年三月二十五日参議院農林水産委員会決議)の二において、「米の生産・流通・備蓄政策全般について必要な検証を行うこと」とされていること等を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

十二及び十三について

 御指摘の「価格が下が」った場合に関しては、政府としては、農業経営の安定を図るため、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律(平成十八年法律第八十八号)に基づく農業収入の減少が農業経営に及ぼす影響を緩和するための交付金の交付及び農業保険法(昭和二十二年法律第百八十五号)に基づく農業収入の減少に伴う農業経営への影響を緩和する保険の事業を行っているところである。
 いずれにしても、生産者への支援の在り方については、食料・農業・農村基本計画(令和七年四月十一日閣議決定)において、「水田政策の見直し」に関して、令和九年度に向けて「現場の実態を調査・検証した上で・・・見直しを検討する」等としており、「米の安定供給等実現関係閣僚会議」において、必要な検証及び検討を行っていく考えである。

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.