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答弁本文情報

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令和七年六月二十七日受領
答弁第三三〇号

  内閣衆質二一七第三三〇号
  令和七年六月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員佐々木ナオミ君提出高等学校段階におけるインクルーシブ教育等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員佐々木ナオミ君提出高等学校段階におけるインクルーシブ教育等に関する質問に対する答弁書


一及び二の2について
  
 御指摘の「高等学校段階におけるインクルーシブ教育」、「環境整備」及び「障害のある子どもたちを受け入れるための条件整備等に対する支援」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年三月十三日に取りまとめられた「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告」(以下単に「報告」という。)において「通級による指導を受けたい生徒のニーズがあるにもかかわらず、担当教員の配置等の体制の問題により受けることができない状況を改善するためにも、担当教員の配置を含めた高等学校における通級による指導体制をそのニーズに合わせていく必要がある。」等とされたことを踏まえ、「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援に係る方策について(通知)」(令和五年三月十三日付け四文科初第二千四百四十一号文部科学省初等中等教育局長通知)を各都道府県教育委員会教育長等に対して発出し、「校長のリーダーシップの下、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態を適切に把握し、適切な指導や必要な支援を組織的に行うための校内支援体制を充実させること」、「高等学校における通級による指導の実施体制を充実させること」等の取組を促すとともに、教師の専門性の向上に資することを目的とした「初めて通級による指導を担当する教師のためのガイド」を作成したほか、教員と連携しながら障害のある児童生徒等に対して学習活動上の支援等を行う特別支援教育支援員(学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)(以下「学教法施行規則」という。)第六十五条の六に規定する特別支援教育支援員をいう。)の配置に係る経費についての地方財政措置や、公立高等学校において学教法施行規則第百四十条の規定に基づく障害の状態に応じた特別の指導を担当する教員に係る公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律施行令(昭和三十七年政令第二百十五号)第二条第三項の表中一の項に規定する教職員の定数の算定に係る特例の措置等を講じているところであり、引き続きこうした取組を進めてまいりたい。

二の1及び3について
  
 お尋ねの「定員内不合格」に対する考え方については、令和四年四月二十一日の参議院文教科学委員会において、末松文部科学大臣(当時)が「高等学校の入学者選抜の方法につきましては、・・・各都道府県の教育委員会の実施者が決定しまして、各学校長がその学校に期待される社会的役割や学科等の特色を踏まえてその学校及び学科等で学ぶための能力や適性等を適切に判断することとされておりまして、定員内不合格自体が必ずしも否定されているものではございません。一方で、障害を理由に入学を認めないということはあってはならないと考えております。当然です。このため、文部科学省では、障害者差別解消法を踏まえまして、合理的配慮の具体例として、入学試験の実施に際して別室受験実施や時間の延長等の実施方法の工夫を示すとともに、可能な限り配慮を行う、都道府県委員会に対して周知をしているところでございます。その上で、定員内不合格を出す場合には、その理由について十分に説明をし、理解を得るべきものと考えてございます。」と答弁しているとおりである。
 また、文部科学省から教育委員会等に対しては、生徒の個性に応じ選抜方法を多様化させるという観点から、学教法施行規則第九十条第二項及び第三項の規定に基づいて学力検査を実施しない選抜、調査書を用いない選抜等を行うことも考えられることや、学ぶ意欲を有する生徒に学びの場が確保されることは重要であるという観点から、お尋ねの「定員内不合格」を出さないよう取り扱っている例を含めた他の教育委員会における選抜の実施方法等を参照するなどすること等について周知している。

三について
  
 お尋ねの「教育体制を見直すよう要請された」及び「公立学校の役割を再検討する中で」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、報告において「よりインクルーシブで、多様な教育的ニーズに柔軟に対応し、障害のある児童生徒の学びの場の連続性を高めるため、特別支援学校を含めた二校以上の学校を一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルの創設を検討すること」とされたことを踏まえ、令和六年度から、障害のある生徒と障害のない生徒が共に学ぶための新しい授業の在り方等についての実証的な研究を実施しているところである。

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