答弁本文情報
令和七年十月三十一日受領答弁第一号
内閣衆質二一九第一号
令和七年十月三十一日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 木原 稔
国務大臣 木原 稔
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員日野紗里亜君提出就労系障害福祉サービスにおける在宅支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員日野紗里亜君提出就労系障害福祉サービスにおける在宅支援に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「就労移行支援、就労継続支援A型及びB型における在宅支援」については、「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(平成十九年四月二日付け障障発第〇四〇二〇〇一号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知。以下「留意事項通知」という。)において、「在宅でのサービス利用を希望する者であって、在宅でのサービス利用による支援効果が認められると市町村が判断した利用者」について、「通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援が行われるとともに、常に在宅利用者が行う作業活動、訓練等のメニューが確保されていること」等の「要件のいずれにも該当する場合に限り、報酬を算定する」等と示している。
その上で、市町村における御指摘の「利用の可否や手続」については、「令和六年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.8」(令和七年三月三十一日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課事務連絡)において、「オンラインによる支援によって利用者の一般就労の知識や能力の向上に資するものか、留意事項通知で定める要件の全てを満たしているか、緊急時に行う対応について、利用者への支援に支障がないと認められるものかどうかを確認し、オンラインでも適切な支援が提供可能かを判断されたい」等と示すとともに、「介護給付費等に係る支給決定事務等について」(令和七年九月二十六日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課及びこども家庭庁支援局障害児支援課連名事務連絡別添)において、「市町村は、支給申請が行われたときは、当該申請を行った障害者等の障害支援区分又は障害の種類及び程度、当該障害者等の介護を行う者の状況、当該障害者又は障害児の保護者の介護給付費等の受給の状況、サービス等利用計画案その他の主務省令で定める事項を勘案して、支給の要否を決定する」等と示し、市町村においては、二で御指摘のように「障害種別を理由として一律に判断」すべきではなく、これらを踏まえ、個別に判断すべきこととしているところであり、その結果、御指摘のように「差がある」ことのみをもって問題があるものとは考えておらず、また、お尋ねの「地域差の是正や全国的な基準整備」については、現時点では考えていない。
二について
お尋ねについて、御指摘のような「障害種別を理由として一律に判断している自治体」について具体的に承知しておらず、「障害者差別解消法及び合理的配慮の観点からどのように考えるか」とのお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、お尋ねの「在宅支援の利用」に関する「判断」については、一についてで述べたとおり、市町村において、「在宅でのサービス利用による支援効果が認められる」かについて、御指摘のように「障害種別を理由として一律に判断」すべきではなく、「障害種別」のみならず「個別の支援ニーズや環境調整の可能性」を踏まえて、個別に判断すべきものと考えている。
三の前段について
御指摘の「現行制度では、・・・支援の対象から漏れている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「障害者」についても、御指摘のような「仕組み」を適切に運用することにより、社会参加につながると考えており、このような「仕組み」としては、留意事項通知において、「常に在宅利用者が行う作業活動、訓練等のメニューが確保され」、「生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した金額を工賃として支払う」ものとして示しているところである。
三の後段について
御指摘のように「在宅支援を通じて事業所が進捗や成果を管理」しながら、社会参加につなげていくことは重要であると考えており、このような支援については、留意事項通知において、「事業所職員による訪問、在宅利用者による通所又は電話・パソコン等のICT機器の活用により、評価等を一週間につき一回は行うこと」、「在宅利用者については、原則として月の利用日数のうち一日は事業所職員による訪問又は在宅利用者による通所により、在宅利用者の居宅又は事業所内において訓練目標に対する達成度の評価等を行うこと」等を通じて、「利用者本人の希望や能力、適性等に応じた、就労に必要な知識及び能力の向上に資する」と示しているところであり、御指摘のような「新たな制度の構築」については検討していない。

