答弁本文情報
令和七年十二月十九日受領答弁第一三〇号
内閣衆質二一九第一三〇号
令和七年十二月十九日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員宮川伸君提出PFAS(有機フッ素化合物)評価書及び対策に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員宮川伸君提出PFAS(有機フッ素化合物)評価書及び対策に関する再質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「「反映された文書の保存」「目的の資料に内容が反映」などの部分は文書の保存期間を一年未満とする法的理由にはなりえない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「食品安全委員会事務局の答弁」については、先の答弁書(令和七年十一月十四日内閣衆質二一九第三四号。以下「前回答弁書」という。)一の3の(1)及び(2)についてでお答えした「行政文書の管理に関するガイドライン」(平成二十三年四月一日内閣総理大臣決定)を踏まえて制定された内閣府本府行政文書管理規則(平成二十三年内閣府訓令第十号)第十六条第六項第六号の規定を踏まえて行ったものである。
二の1について
お尋ねの「どの会合における誰のどのような発言を契機とするのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「「評価書」(案)」については、令和七年六月十二日の参議院環境委員会において、政府参考人が「例えばワーキンググループにおいて、国際機関等がそれぞれ異なったエンドポイントに基づいて異なった健康影響に関する指標値を出していくことを踏まえて、それらについての知見を十分に吟味して評価をしていくといった方針が合意され、これを受けてその作業が進められていくという形が取られております。準備作業においては、むしろ、これらのワーキンググループから示された方針に基づいて個別具体の作業が行われたもの」と答弁しているところ、当該「方針」を踏まえて、御指摘の「非公開会合」において具体的な作業を行った結果として記載が変更されているものである。
二の2について
お尋ねの「どの会合における誰のどのような発言を契機とするのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、二の1についてでお答えしたとおりである。なお、御指摘の「表記の変遷」に関連する発言については、「第四回」「公開会合」において、中山嗣専門委員が「発がん性の十一ページのまとめのところで、基本的にはエビデンスレベルは十分ではないということでおまとめいただいていると思うのですが、逆に否定するということがどのぐらいできるかどうかというのはいかがなのでしょうか。」と、また、祖父江友孝専門委員(当時)が「否定はできないですよね。」と発言している。
二の3について
お尋ねの「どの会合における誰のどのような発言を契機とするのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、二の1についてでお答えしたとおりである。なお、御指摘の「表記の変遷」に関連する発言については、「第六回「公開会合」」において、吉田充委員(当時)が「百三十四ページの十三行目から腎がんと乳がんについて書いてあるのですけれども、その下の行に関連する可能性は否定できないと判断したとあるのですが、これがその前の記述から読めるかというと、腎がんについては百三十二ページの十八行目に、関連を判断することは困難であると書いてあり、乳がんについては百三十三ページの二行目に、やはり関連を判断することは困難であると書いてあるのです。これを受けるのが、百三十四ページに関連する可能性は否定できないとなるのはなぜかなというところがうまく書かれていないのではないかと思うのですけれども、それが分かるようにしていただけるといいなと。」と、また、祖父江友孝専門委員(当時)が「否定できない判断、困難というのを恐らく同じレベルで使っているのだと思います。」及び「そのニュアンスを一定のルールをつくったほうがいいと思うのです。」と発言している。
二の4について
御指摘の「コメント」については、「第十三回「非公開会合」」における作業を行うために、お尋ねのように「挿入」したものである。
二の5について
御指摘の「非公開会合」においては、二の1についてでお答えした当該「方針」を踏まえて、御指摘の「「評価書」(案)」に係る作業が行われたものである。
三について
御指摘の「米国環境保護庁(EPA)文書(参照番号二百六十二、二百六十三)」において参照されている「アレクサンダー他(二〇〇三年)」及び「アレクサンダー・オルセン(二〇〇七年)」を内閣府食品安全委員会事務局において確認し、「高曝露地域については、もっともらしい証拠がある」としている事実はないと承知していることから、お尋ねのように「記載は、誤り又は事実ではなかった」とは考えていない。
また、前回答弁書二の1についての答弁は、御指摘の「米国環境保護庁(EPA)文書(参照番号二百六十二、二百六十三)」には、「もっともらしい証拠がある」ことを意味する記載はあるが、「アレクサンダー他(二〇〇三年)」及び「アレクサンダー・オルセン(二〇〇七年)」には、「もっともらしい証拠がある」ことを意味する記載はないことを述べたものである。
四について
お尋ねについては、前回答弁書三についてでお答えしたとおりであり、御指摘の「バリー他論文(二〇一三)(参照番号二百二十一)」において「this association was statistically significant only for testicular cancer at the p = 0.05 level.」と記載されていることから、お尋ねのように「「評価書」において「関連がなかった」」と記載されているところである。
五について
お尋ねの「政府が認識した」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年二月から令和六年六月までにかけて食品安全委員会が行った有機フッ素化合物(以下「PFAS」という。)に係る食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第十一条第一項に規定する食品健康影響評価において参照した文献については外部委託において収集し、また、同委員会に設置した「有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ」における専門家の意見を踏まえて決定したものであるため、御指摘の「論文「Alexander et al.2024」」については、当該ワーキンググループにおける専門家が把握した時点及び参照されなかった理由は把握していない。
六の1、2及び4について
お尋ねの「議決を経た発言」の意味するところが必ずしも明らかではないが、前回答弁書四の3についての答弁は、令和七年二月十八日に開催された第九百七十二回食品安全委員会における議論を経て、御指摘のように「PFASに係る食品健康影響評価の結果に影響を与える新たな科学的知見はない」ことが確認されたことを述べたものであり、お尋ねのように「本委員会議事録における、十ページの祖父江委員の発言、十一ページの頭金委員の発言を指す」ものではなく、また、御指摘の「委員二名の発言」は食品安全委員会の委員としての専門的知見に基づいた発言であると認識している。
六の3について
お尋ねの「どのような形式」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和七年二月六日に姫野誠一郎氏、中山嗣氏、澤田典絵氏及び池田敦子氏の四名から意見聴取を行ったものであり、中山嗣氏以外の三名について謝金を支払っている。当該意見聴取は食品安全委員会の委員が必要な情報を収集するために行ったものであり、お尋ねのように「PFASワーキンググループを開催して議論すべきであった」とは考えていない。
六の5について
お尋ねについては、令和六年九月十八日に国立研究開発法人国立環境研究所のホームページに掲載された「「母親のPFASばく露と子どもの染色体異常:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」 に関する研究論文の発表について」において「すべての染色体異常をあわせた数が四十四例しかなく、統計的な不確実さが大きい」とされていることを踏まえた発言であると認識している。
六の6について
お尋ねについては、食品安全委員会の委員としての専門的知見に基づいた発言であると認識している。
七の1について
前段のお尋ねについては、化学物質等の環境要因が子供の健康に与える影響を明らかにすることを目的とした「子どもの健康と環境に関する全国調査」において、収集した生体試料について、一部のPFASを含めた様々な化学物質の分析を行い、その結果と子供の健康影響の指標との関連についての調査を平成二十二年度から開始しており、令和七年度予算額は五十四億二千百万円の内数である。
後段のお尋ねについては、厚生労働省においては、通常の食生活において摂取されるPFASの一日当たりの量を推定することを目的とした研究事業を令和五年度から開始しており、令和七年度予算額は四億四千四百万円の内数である。農林水産省においては、国産の農産物、畜産物及び水産物中のPFASの含有状況に関する調査を令和六年度から開始しており、令和七年度予算額は一億二千四百万円の内数である。環境省においては、一部のPFASを含めた様々な化学物質のばく露量を把握することを目的とした調査を、同年度において、令和六年度と比較して対象となる人数や地域の数を拡大して実施しており、令和七年度予算額は二億四百万円の内数である。また、環境要因に係る疫学研究と毒性学の研究を組み合わせてPFASの健康リスクを評価することを目的とした研究を令和六年度から開始しており、令和七年度予算額は一億三千二百万円の内数である。さらに、水道水のPFASの実態調査等の検討を令和六年度から開始しており、令和七年度予算額は一億二千万円の内数である。
七の2について
お尋ねの「この方々を中心に据えた研究調査」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、環境研究総合推進費による「血中有機フッ素化合物(PFAS)とがん、代謝性疾患、死亡との関連を明らかにする前向きコホート研究」において、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)」(令和七年六月三十日付け環水大管発第二五〇六三〇九号環境省水・大気環境局長通知)において設定したペルフルオロオクタンスルホン酸及びペルフルオロオクタン酸に係る指針値を超過していた地域等の住民も対象として当該研究を実施している。
七の3について
御指摘の「血液中に高いPFASが検出されている群」及び「PFASがほとんど血液中に検出されていない群」並びにお尋ねの「このような研究調査」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、環境研究総合推進費による「血中有機フッ素化合物(PFAS)とがん、代謝性疾患、死亡との関連を明らかにする前向きコホート研究」において、PFASの血中濃度が相対的に高い群と低い群の比較を行うなど、健康影響との関係を評価するための研究を実施している。

