答弁本文情報
令和七年十二月十九日受領答弁第一三五号
内閣衆質二一九第一三五号
令和七年十二月十九日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員杉村慎治君提出円借款の国内経済波及効果と財源構造に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員杉村慎治君提出円借款の国内経済波及効果と財源構造に関する質問に対する答弁書
一について
円借款案件におけるお尋ねの「国内企業への受注額」及び受注した企業名の主なものについては、独立行政法人国際協力機構の統合報告書において具体的な数値を示して公表するなどの取組を行っている。加えて、令和六年の同報告書では、例えば、関連する数値として、令和五年度における円借款案件の調達先の企業の国籍について、日本が全体の三十五・八パーセントを占めている旨公表している。また、お尋ねの「雇用創出効果」については、円借款案件を受注した企業が必ずしもこれにより創出された雇用について公表していないため、政府として把握することは困難である。さらに、お尋ねの「関連サプライチェーンへの影響」については、その具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
二の1及び2について
御指摘の「政策評価」については、行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成十三年法律第八十六号)第九条第一号の規定及び行政機関が行う政策の評価に関する法律施行令(平成十三年政令第三百二十三号)第三条第五号の規定に基づき、個々の政府開発援助のうち、有償の供与による協力であり資金供与の額が百五十億円以上となることが見込まれるものの実施を目的とする政策について事前評価を行うこととされている。これに当たっては、「外務省における政策評価の基本計画」(令和五年三月八日策定)に基づき、「政策の目的が国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進という観点から妥当か。行政関与の在り方から見て国がその企画立案及び実施の主体となる必要があるか」、「政策の実施により、期待される効果が得られるか、又は実際に得られているか」、「投入された資源量に見合った結果が得られるか、又は実際に得られているか、政策効果の発現のためにとられる手段は適切、効率的であるか」などの観点を基本としつつ、事前評価の対象となる政策の性質等に応じ、適切な観点を選択し、総合的に評価しているところである。
二の3について
御指摘の「財投債の調達資金」及び「日本銀行による金融政策や市中銀行の信用創造により生み出される国内資金」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、財政投融資特別会計国債(以下「財投債」という。)の発行については、現在全て円建てで行われているところ、財投債が購入される際の原資は、各購入主体によって異なるため、一概にお答えすることは困難である。
三について
お尋ねの「技術移転」及び「国際競争力強化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、円借款を含む開発協力については、「開発協力大綱」(令和五年六月九日閣議決定)において、「開発協力とは「開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動」を指すもの」としていることから、お尋ねの「KPI(重要業績評価指標)」については、円借款案件による日本経済に対する特定の効果に関し「設定し評価して」いないが、円借款案件により結果として日本企業の海外展開といった日本経済の安定及び成長に資するものもあると認識している。
四について
お尋ねの「関連産業への波及情報」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「国内企業の参画状況、受注額」については、一についてで述べたとおり、受注した企業名の主なもの及び「国内企業への受注額」を定期的に公表している。その上で、円借款を含む政府開発援助については、「開発協力大綱」において「我が国及び世界にとって望ましい国際環境を創出し、信頼に基づく対外関係の維持・強化を図りつつ、我が国と国民の平和と安全を確保し、経済成長を通じて更なる繁栄を実現するといった我が国の国益の実現に貢献すること」を目的の一つとして掲げており、これを念頭に置きつつ実施してきている。

