答弁本文情報
令和七年十二月十九日受領答弁第一四〇号
内閣衆質二一九第一四〇号
令和七年十二月十九日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員佐原若子君提出六ヶ所再処理工場継続判断と放射性廃棄物の扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員佐原若子君提出六ヶ所再処理工場継続判断と放射性廃棄物の扱いに関する質問に対する答弁書
一の1及び2並びに二の(1)の1について
お尋ねの「平常運転時」、「同工場の放出の実態」及び「福島第一原発事故後の汚染水放出量」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子力発電施設並びに再処理設備及びその附属施設(以下「再処理施設」という。)から放出される放射性物質については、国際放射線防護委員会の勧告を踏まえ、一般公衆の被ばく線量が年間一ミリシーベルト以下となるよう線量限度を定めており、原子力施設からの放出形態や核種の種類に応じた規制を行っているところ、当該規制に基づき、事業者は、保安規定において放出管理目標値を定める等、当該線量限度以下となるように管理することとされており、また、事業者は、使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号)第二十一条第一項の規定に基づき「気体状及び液体状の放射性廃棄物に含まれる放射性物質の種類別の年間放出量」等を原子力規制委員会に報告する義務等が課せられている。政府としては、六ヶ所再処理工場において、トリチウムも含め液体の放射性廃棄物が海洋放出施設から放出されることを踏まえ、保安規定において、海産物の摂取等も含めた一般公衆の被ばく線量の限度を踏まえた放出管理目標値をトリチウムの放出量については年間九千七百兆ベクレルと定め、適切に管理していることを、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十一条の二の二第一項の規定に基づく原子力規制検査により、原子力検査官が確認している。また、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所からの放射性物質の放出形態は再処理施設とは異なるが、再処理施設と同様の考え方に基づき、同法第六十四条の二第二項において提出が求められている特定原子力施設に関する保安又は特定核燃料物質の防護のための措置を実施するための計画において「放出管理値」を定め、適切に管理していることを確認している。
一の3について
六ヶ所再処理工場から放出される液体の放射性廃棄物については、他の原子力施設と同様、国際放射線防護委員会の勧告を踏まえ、海産物の摂取等も含めた一般公衆の被ばく線量が年間一ミリシーベルト以下となるよう線量限度を定めており、お尋ねについては、同工場の運転に当たり、こうした科学的根拠に基づく情報を迅速かつ透明性をもって提供し、国際社会の理解を得ることが重要であると考えている。
二の(1)の2について
六ヶ所再処理工場において回収が見込まれるプルトニウムの量については、同工場を運営する日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)から、再処理を行う使用済燃料の燃焼度や冷却期間等によって変化し得るものと聞いている。
二の(1)の3について
二の(1)の2についてで述べたとおり、六ヶ所再処理工場において回収が見込まれるプルトニウムの量については、日本原燃から、再処理を行う使用済燃料の燃焼度や冷却期間等によって変化し得るものと聞いているが、いずれにせよ、政府としては、原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律(平成十七年法律第四十八号)の枠組みの下、プルトニウムの回収と利用を進めることにより、その適切な管理に取り組む方針である。
二の(2)の1について
日本原燃による六ヶ所再処理工場の使用済燃料を用いた総合試験(以下「アクティブ試験」という。)において、約四百二十五トンの使用済燃料を再処理した際に発生した高レベル放射性液体廃棄物については、約三百二十八立方メートルであると日本原燃から聞いている。
二の(2)の2について
日本原燃によるアクティブ試験においては、約三百二十八立方メートルの高レベル放射性液体廃棄物が発生し、そのうち約百二十五立方メートルがガラスにより容器に固型化されていると日本原燃から聞いている。
二の(2)の3について
使用済燃料の再処理の事業に関する規則第二十一条第一項の規定により、再処理事業者が作成及び提出を義務付けられている報告書(以下「放射線管理等報告書」という。)として、令和七年五月十三日に日本原燃から提出された「令和六年度下期放射線管理等報告書」によれば、日本原燃の六ヶ所再処理工場における「高レベル液体廃棄物」の令和六年度末時点の保管量は二百二十七立方メートルとのことであり、また、「高レベル液体廃棄物」の「保管設備容量」は六百八十立方メートルとのことである。
二の(2)の4について
御指摘の「貯蔵量」について、日本原燃は、原子力規制委員会に提出している放射線管理等報告書において「高レベル液体廃棄物」の保管量を報告しており、同委員会は、放射線管理等報告書を毎年度公表している。
二の(3)の1について
お尋ねの「運転不能」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、青森県及び六ヶ所村と日本原燃との間で平成十年七月二十九日に締結した覚書において、「再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、青森県、六ヶ所村及び日本原燃株式会社が協議のうえ、日本原燃株式会社は、使用済燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずるものとする。」とされていると承知しており、政府としては、日本原燃に対し、当該覚書の内容を遵守するよう指導していく考えである。
二の(3)の2について
お尋ねの「再処理が一時的に不能あるいはまったく不能の場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「エネルギー基本計画」(令和七年二月十八日閣議決定)において、「我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針として」おり、日本原燃の六ヶ所再処理工場については、同計画において、「六ヶ所再処理工場・・・の竣工は、必ず成し遂げるべき重要課題」と明記するとともに、「六ヶ所再処理工場(中略)の竣工後、安全性を確保した安定的な長期利用を行うため、メンテナンス技術の高度化、サプライチェーン・技術の維持など、中長期での取組が必要な項目について、官民で対応を進める」としているところである。
三の1について
政府としては、お尋ねの「回収プルトニウム量の内訳」について、核セキュリティ及び核物質防護の観点から、お答えを差し控えたいが、令和六年末時点で、日本原燃の六ヶ所再処理工場及び国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の核燃料サイクル工学研究所再処理施設において、合計三千七百八十四キログラムの分離プルトニウムが保管されているものと承知している。
また、お尋ねの「盗難、テロ対策等の安全確保措置」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論としては、テロ攻撃への対応については、政府において、平素より、原子力事業者、警察、海上保安庁、自衛隊、地方公共団体等の関係機関が適切に連携し、迅速かつ的確に対応できるよう、必要な対策を講じているところであり、また、特定核燃料物質の盗取を含む妨害破壊行為等の脅威に備えることについては、原子力事業者に対して、国際原子力機関の核物質防護勧告等の最新の国際的知見を踏まえ、使用済燃料の再処理の事業に関する規則第十六条の三等において義務付けているところであるが、その具体的な対応の内容については、これを明らかにすることにより、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
三の2について
お尋ねについては、政府としては把握していない。
三の3について
前段のお尋ねについては、「理論上生成されているプルトニウム量」、「製品化された量」及び「差分(約一・三トン)」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
後段のお尋ねについては、日本原燃は、六ヶ所再処理工場から放出する放射性廃棄物中の放射性物質の測定を実施しており、その測定結果において、これまでにプルトニウムが検出された実績はないと承知している。

