衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和五十一年十月二十八日提出
質問第九号

 教育問題に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十一年十月二十八日

提出者  坂井弘一

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




教育問題に関する質問主意書


 憲法、教育基本法にうたわれる「教育の機会均等」を実現するために政府は努力されているようであるが、現実の教育の機会は、昨今の景気停滞と財政難、引き続く物価上昇の中で、政府の施策全般に受益者負担主義が一段と色濃くなり不公平は一層拡大されつつある。その現状から次の諸点について政府の見解を求める。

一 来年度予算の編成作業を進めている大蔵省は、三十八年度から無償交付が始められた小・中学校教科書について、所得制限により一部有料化を図る方針を決めたと一部マスコミに報道されている。憲法で示している義務教育無償によつて進めてきた施策については、前進こそすれ後退さすべきではないが今後の方針を明らかにされたい。
二 義務教育の無償化を徹底するため貸与を含め副読本、副教材、教具等の無償配布を推進し、給食の食品添加物を排して自然食の利用を明確にすること。また、給食従事者の労働条件や待遇の改善を図り、国の給食費補助を拡充すべきであると思うがどうか。
三 公立幼稚園の増設と私立幼稚園により幼稚園への全入制を確保し、教育と保育という二つの機能を保育所・幼稚園ともに充実すべきである。これに対する政府の方針を明らかにされたい。
四 私学助成を強化するため経常費の二分の一補助を実現し、教育、研究条件の改善向上を図り、教職員の給与などの待遇改善を進め、私学の自由を守り、授業料等の父母負担を軽減し、国・公・私立の格差を是正すべきであると思うがどうか。
五 育英奨学金の貸与率の地方大学・私立大学間の格差を是正し、高い授業料等で進学できない不公平を解消するため生活費、勉学費等を含め、家庭の所得を考慮した実態に見合つて奨学金及び貸与率を大幅に引き上げるべきであるがどうか。
六 国立大学の授業料は、今年度二・六倍に引き上げられるなど、教育費における父母の過重負担が家計に及ぼす影響が極めて大である。教育費における公費、私費負担をどのようにとらえられるのか明らかにされたい。
七 地方都市における国立の高等教育機関を充実することについて
 1 文部省は、地方大学の設置について方針変更をした場合は、適切な措置をとるべきである。具体的な例として和歌山県における研究学園都市計画は、すでに和歌山県土地開発公社で約八十一万九千平方メートルを確保している。ところが文部省の大学設置方針の変更によつて県側は、その対策に苦慮している。
   政府は、このような事態に対していかなる措置をとられるのか、また、関西研究学園都市建設について当県の計画を利用されることが望まれているが、政府の考えを明らかにされたい。
 2 国立和歌山大学は、教育・経済二学部の小規模なものであり整備状況も不十分な状態に置かれている。県内進学志望者は、昭和五十一年で四千六百五十四名で、これを受け入れる大学定員は、二十一パーセントである。また、昭和五十年の県内大学進学残留率は、八・一パーセントとなつている。
   このような状況にあつて大学進学者の希望に応え国立和歌山大学諸学部増設と学園の拡充整備を図ることが緊要であるが政府は、どのように対処されるのか方針を明らかにされたい。
八 健全な心身を育むため、クラブ活動の活発化、学校災害補償制度の拡充、社会体育の振興を図るため学校体育施設の開放を進める等の措置を講ずべきであると思うがどうか。
九 すべて国民が気軽にスポーツできるように広場、公園など場所を確保し、国及び地方公共団体及び民間諸施設の開放、貸与、また指導員の配置などを計画的に整備、拡充すべきであると思うがどうか。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.