衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十年五月二十一日提出
質問第三六号

環境ホルモン(ダイオキシン・ビスフェノールA等)の問題に関する質問主意書

提出者  中野寛成




環境ホルモン(ダイオキシン・ビスフェノールA等)の問題に関する質問主意書


 我が国は、過去に水俣水銀中毒、砒素ミルク中毒等の公害事件がおこり、多くの被害者を出しました。これら公害事件の反省として、被害者を出さないために、事態掌握のための調査、調査結果に基づく迅速な対応が提起されたことは、記憶に新しいところです。最近では、産業廃棄物の不法投棄が全国各地で発生し、廃棄物に含まれるPCB、ダイオキシン等の環境ホルモンによる水質、土壌汚染の人体への影響を指摘するマスコミ報道が盛んに行われ、国民は環境ホルモンの人体への影響について非常に高い関心を寄せるようになり、関係行政機関による対策が急がれています。大阪府豊能町のゴミ焼却施設「豊能美化センター」周辺土壌から高濃度のダイオキシンが検出されるという問題が発生し、地域住民の健康不安に対応して、やっと関係行政機関が水質、土壌の緊急調査に着手しました。しかし一方で、同施設の焼却炉製造企業と施設管理者によるダイオキシンのデーターの低減工作、設備改善報告の遅滞等が露見したことで、住民は不安を一層募らせています。今後は中央、地方の関係行政機関が一体となった具体的な対応が求められています。環境ホルモンへの関心の高まりとともに、缶詰、カップ麺容器、洗剤等の日常の身近な物にも環境ホルモンが含まれており、人間の生殖機能等にも影響を及ぼしかねないとの衝撃的なマスコミ報道が頻繁になされております。環境ホルモンの人体への影響は、軽視されてはならないものであり、十分な調査、研究と対応、とりわけ真相を一刻も早く明らかにすることが重要なことはいうまでもありません。しかし、一部の週刊誌、テレビ番組では、歯の治療に用いる材料に環境ホルモンが含まれているとの報道がなされ、臨床現場における歯科医師と患者の信頼関係を破壊し、歯科医療に混乱を及ぼしかねないと懸念しているところです。
 従って、次の事項について質問します。

一 環境ホルモンに対する国民不安の解消に関する政府の任務。併せて環境ホルモンが人体に及ぼす影響に関する政府の認識。
二 過去の公害問題の反省として、実態調査を始め迅速な対応が要求されたにもかかわらず、データーの低減工作や設備改善報告の遅滞が露見したことについての見解。
三 被害地域等が被る風評被害による精神的苦痛、不利益についての認識。併せて環境や医療問題等のマスコミ報道の在り方に対する見解。
四 環境ホルモンに対しては精子の減少等が報じられているが政府としての調査実施の有無。
五 厚生省の定める歯科材料価格基準に収載されている歯科材料(コンポジットレジン及びシーラント)におけるビスフェノールAの存在の有無。併せて一部マスコミ報道では歯の治療においてシーラント、レジンの充填を受けた際に環境ホルモンであるビスフェノールAが溶出し、その影響を受けかねないとの印象を与えているが医学的根拠を把握しているのか。
六 人の生命に深く関わりのある環境問題にとって国民の日常不安の払拭に最も重要なのが的確な情報公開だと認識しているが政府の見解。併せて非加熱血液製剤投与によるHIV感染等の社会的混乱を再び引き起こさない為のこれら環境ホルモンに対する今後の対策。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.