答弁本文情報
昭和四十年四月二十三日受領答弁第一一号
(質問の 一一)
内閣衆質四八第一一号
昭和四十年四月二十三日
内閣総理大臣 佐藤榮作
衆議院議長 ※(注)田 中 殿
衆議院議員島上善五郎君提出韓国及び台湾出身戦犯刑死者の措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員島上善五郎君提出韓国及び台湾出身戦犯刑死者の措置に関する質問に対する答弁書
韓国及び台湾出身戦争裁判関係死没者については、一般戦没者とともに当該国政府に対し、死亡の時期、場所等を記載した名簿を送付している。また、日本政府が収集した遺骨は、台湾出身者については、中国政府に送付ずみであり、韓国出身者については、数年前から韓国政府に引取り方を交渉中である。
なお、韓国出身者の遺族補償については、日韓会談の請求権問題の一環として韓国側は、徴用された韓国人軍人軍属及び労務者のうけた被害に対する補償を要求しているが、本件交渉は、いまだ最終的妥結に達するに、いたつていない。次に、台湾出身者の遺族補償については、現在のところ、台湾人の日本政府に対する請求権処理の問題に関連して、「日本国と中華民国との間の平和条約」(一九五二年四月二八日締結、同年八月五日発効)の第三条の特別取極の一環として中国側と話し合うより他はないものと考える。しかしながら、わが方としては、本件交渉開始方につき、昭和二十八年在華大使に中国側の意向を打診させて以来、機会ある毎に正式文書あるいは口頭をもつて、しばしば督促しているにもかかわらず、中国側がこれに応じないため、いまだ実質的な交渉の開始に至つていない。
右答弁する。