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答弁本文情報

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昭和五十四年九月七日受領
答弁第四号
(質問の 四)

  内閣衆質八八第四号
    昭和五十四年九月七日
内閣総理大臣 大平正芳

         衆議院議長 (注)尾弘吉 殿

衆議院議員鈴切康雄君提出小笠原諸島に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴切康雄君提出小笠原諸島に関する質問に対する答弁書



一について

 小笠原諸島については、基礎条件の整備とその特性に即した産業の振興等を図り、旧島民の帰島促進及び新島民の導入により、昭和五十八年度末における人口が常住約二千三百人(短期滞在者を含め約三千人)になると想定したものである。

二について

 父島については、土地利用計画上、集落地域について調査検討することとしているが、母島については、予定していないところである。

三について

 母島沖港については、岸壁、防波堤、泊地等の整備を進めてきており、現在、五百トン級の船舶の接岸が可能となつているが、今後も引き続き、地理的・自然的条件を考慮しつつ、利用の実態に応じ、必要な施設を整備してまいりたい。
 なお、外防波堤の整備については、これまでの調査結果を踏まえて検討してまいりたい。

四について

 空港の設置については、今後更に必要な調査等を行つた上、慎重に検討してまいりたい。

五について

(イ) 小笠原諸島は、東京から約一千キロメートルの距離にあり、また、最も近い八丈島からでも約六百キロメートル以上離れた位置にあるため、現在では直接回線を設定してテレビの中継を行うことは困難である。この解決策としては、実用の放送衛星が打ち上げられるのを待たざるを得ないものと考える。
    なお、実用の放送衛星の打ち上げについては、できる限り早期に実現するよう推進してまいりたい。

(ロ) 母島における電話増設のためには、電話交換装置等を設置するとともに、父島・母島間に現在ある三回線の無線方式を回線容量の大きい方式に変更する必要があり、現在、用地取得、局舎建設等の進ちよくに向けて鋭意努力しているところである。

六について

 農道及びかんがい排水施設については、ほ場造成に併せて整備を行つているところであるが、今後更に、農用地の拡大等に対応して、その整備拡充を図つてまいりたい。

七について

 アフリカマイマイの防除については、農耕地を中心に防除を実施し、被害の軽減を図つているところであるが、その防除策につき今後更に検討してまいりたい。

八について

 小笠原諸島におけるミカンコミバエの防除については、国庫補助事業(全額国庫負担)として行つているところであり、今後もその根絶を期して事業を推進し、農業振興を図つてまいりたい。
 なお、当該事業を農林水産省所管の事業とすべきかどうかについては、検討してまいりたい。

九について

 若年漁業従事者用の住宅の建設については、実情等を勘案し、検討してまいりたい。

十について

 漁業協同組合の冷凍施設については、今後の需要等を勘案し、必要な施設の整備について検討してまいりたい。

十一について

 漁業協同組合の育成強化のため、組合の経営指導のほか、共同利用施設等の整備を考えているが、小笠原における実情に即して、これらの措置が適切に講ぜられるよう検討してまいりたい。

十二について

 政府としては、石油供給計画に沿つた石油製品の生産・販売が行われるよう、石油関係各社を指導しているところであり、この結果、全体としては著しい需給不均衡は生じていないものと考えている。
 しかしながら、一部流通段階では、取引形態によつては入手難を生じることも考えられるが、このような問題については、個別案件ごとに十分な調査を行い、実態に応じ対処してまいりたい。

十三について

 水産業の試験研究の充実を図るため、東京都水産センターの試験研究施設の整備拡充について、小笠原諸島の特性を考慮しつつ、検討してまいりたい。

十四について

 住民の健康の保持増進を図るため、東京都が父島に保健所出張所を設置すべく、現在、調査設計を行つているところであるが、国としてもその建設について助成措置を検討いたしたい。

十五について

 小笠原村の診療所については、その管理運営について国も助成措置を講じているところであるが、今後も東京都及び小笠原村とも協議の上、医療サービスの確保に努めてまいりたい。

十六について

 シロアリ駆除の具体的対策については、東京都及び小笠原村とも協議の上、検討してまいりたい。

十七について

 松くい虫被害については、その実態の調査を進め、必要に応じ、適切な措置を講じてまいりたい。

十八について

 小笠原支庁及び警察署並びに村役場の庁舎整備については、東京都及び小笠原村がそれぞれ検討しているところであり、小笠原総合事務所については、これらとの関連において検討してまいりたい。
 母島の未利用構築物については、その利用可能性等を検討いたしたい。

十九について

 遺族の方々の慰霊のための硫黄島訪島については、諸般の事情の許す限り、配慮してまいりたい。
 帰島及び開発の可能性については、総合的な調査等の上、慎重に検討してまいりたい。

 右答弁する。




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