平成十年五月二十九日受領
答弁第三二号
内閣衆質一四二第三二号
平成十年五月二十九日
衆議院議長 伊※(注)宗一郎 殿
衆議院議員大野由利子君提出「介助犬」の公的認定と普及促進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員大野由利子君提出「介助犬」の公的認定と普及促進に関する質問に対する答弁書
一及び二について
盲導犬については、目が見えない者及びこれに準ずる者が安全に道路を通行する上で盲導犬を連れていることが有効であることから、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第十四条第一項において、これらの者が道路を通行するときは、つえを携えるか又は盲導犬を連れていなければならないことを規定し、その法律上の意味を明らかにした上で、同条及び関係法令において盲導犬の定義及び盲導犬の訓練業務等を行うための施設の要件等を規定しているところである。
一方、御指摘の介助犬については、現時点では身体障害者の介護等の障害者施策において介助犬の果たす役割及びその有効性が明確でないこと等から、盲導犬と同様に一定の法律上の意味を与えることが困難であり、法令により介助犬の定義並びに御指摘の関連施設及び訓練士に関する基準を設けることは考えていない。
盲導犬については、道路交通法上その定義が明らかであること及び同法に基づく盲導犬訓練業務等を行うための施設等において行われる特別の訓練を受けていることから、目が見えない者及びこれに準ずる者が盲導犬を連れて交通機関や公的機関等の施設を利用する場合について、円滑にその利用が可能となるよう、関係規則等により所要の措置が講じられているところである。
しかしながら、御指摘の介助犬の交通機関や公的機関等の施設における障害者との同乗又は同行については、現時点では、一及び二についてで述べたとおり、法令によりその意義、介助犬の定義及び訓練等に関する基準が定められていないこと等から、盲導犬と同様に取り扱うことは困難である。
介助犬の利用及び育成については、それが障害者の多様化する需要に対応するような形で推進され普及することに政府として特に異論はないが、現時点では、介護等の障害者施策において介助犬の果たす役割及びその有効性が明確でないこと等から、介助犬の訓練及び普及等に関する活動を行っている団体に対し、その施設の運営及び訓練士の育成に関して助成を行うことは困難である。
御指摘の調査研究については、現時点において厚生省としてこれを実施する予定はないが、今後、障害者団体、研究者等からの要望の状況も踏まえ、必要がある場合には、研究費の助成等を行うことについて検討してまいりたい。